人気ホテル・旅館のInstagramアカウント集客活用事例

今では、多くの企業がインスタグラムの法人アカウントを作成し、認知獲得を目的に積極的に活用しています。また、綺麗な写真を使ってユーザーに訴求できるようなコンテンツを作れる業態は特にインスタグラムと相性が良いとされています。その中でも、今回はホテル・旅館業界におけるインスタグラムの活用事例やプロモーションについてみんなでPR編集部から紹介します。

1. ザ・リッツ・カールトン (@ritzcarltontokyo)

画像引用元: ritzcarltontokyo(Instagram)
Instagramアカウント:@ritzcarltontokyo
Instagramフォロワー数:約2.4万人(2022年4月現在)

人気ホテル・旅館のInstagram集客事例としてまず初めにご紹介するのは、世界規模のホテルチェーンを展開する"マリオット・インターナショナル"が経営する「ザ・リッツ・カールトン 東京」のアカウント。

ザ・リッツ・カールトン(The Ritz-Carlton)は、100年以上の歴史ある、世界的に有名な超一流ホテルです。

日本においては、1997年にはじめて大阪で開業されて以降、東京・沖縄・京都・日光(栃木)・ニセコ(北海道)の7棟が展開されています(2023年福岡にも開業予定)。

ザ・リッツ・カールトン 東京のInstagramアカウントでは、ラグジュアリーな客室やホテル内の写真の他、綺麗に飾り付けられたフードや、ホテルから一望できる景色の写真を投稿し、高級感のある雰囲気を演出。

ラグジュアリーな世界観の写真で統一されていますが、カラフルな写真を交えることで重々しくならず、初見でワクワクするようなサムネイル(プロフィール画面に表示される写真一覧)となっています。

オリジナルハッシュタグ「#RCmemories」の採用

ザ・リッツ・カールトン 東京のInstagramを活用した有効なマーケティング手法として、オリジナルハッシュタグの採用が挙げられます。

同ホテルの利用者に対し、「#RCmemories」のハッシュタグ付きの投稿を呼びかけることで、利用者の投稿を一元化・UGCを生み出すことに成功。

オリジナルハッシュタグが広く浸透することで、滞在を検討している顧客や、ホテルを探している潜在顧客への訴求が期待できます。

"ステイケーション"プランの導入

コロナによる昨今の社会情勢の中で、宿泊業界は引き続き厳しい状況に置かれていますが、そんな状況に希望を見出すべく考えられたのが"ステイケーション"です。

ステイケーションとは、遠くへ旅行するのではなく、近場であってもホテルという"非日常"の空間に滞在することで、コロナ渦でも安全に旅行気分を味わうことを目的とする宿泊形態のこと。

ザ・リッツ・カールトン 東京も、ステイケーションプランを導入。ラグジュアリーな客室での宿泊に加え、レストランやクラブラウンジでの朝食、室内プールやフィットネススタジオでの運動も楽しむことができます。

”旅行が目的"であったはずのホテル滞在から、"ホテル滞在"そのものを目的にすることで、ザ・リッツ・カールトンがホテル業界で生き残るための活路を見出していますね。

まとめ【ザ・リッツ・カールトン 東京】

ザ・リッツ・カールトン 東京のInstagram集客事例では、ラグジュアリーな世界観で統一されたサムネイル、オリジナルハッシュタグの採用、ステイケーションプランの導入がポイントであるとお伝えしました。

高級ホテルや一流ホテルのInstagram運用にお悩みの場合は、「ザ・リッツ・カールトン 東京」の集客事例を参考にしてみてくださいね。

2. アマンリゾーツ (@aman)

画像引用元: aman(Instagram)
Instagramアカウント:@aman
Instagramフォロワー数:約61.3万人(2022年4月現在)

人気ホテル・旅館のInstagram集客事例として次に紹介するのは、アジア圏を中心に独自のリゾートホテルを展開するアマンリゾーツ(aman resorts)です。

アマンリゾーツは、その土地固有の自然や文化を最大限に活かすことをコンセプトとし、いわゆる"西洋式の5つ星ホテル"とは少し異なるホスピタリティを提供しています。

アメリカ・ユタ州のアマンホテルでは、考古学者との化石発掘やトレッキングができたり、またインドのラジャスターンにあるホテルでは、絶滅に瀕しているトラの保護活動について学べたりと、まさに"その土地固有"のホスピタリティを提供。

この独自のホスピタリティ、おもてなしの姿勢が、"アマンジャンキー"と呼ばれるアマンリゾーツのリピーター、ひいてはアマンリゾーツのコアなファンが多い理由の一つでもあります。

アマンリゾーツのInstagram運営戦略

アマンリゾーツがおこなうInstagramの運営戦略の中でも、特に参考となるのが"まとめ機能"の活用です。

まとめ機能を用いることで、数ある投稿の中から関連する投稿を一つのページに集め、ユーザーが必要とする情報をまとめて提供することが可能に。

"砂漠でのスカイハイアドベンチャー"、"アマンのヨーロッパ周遊"など、ユーザーの心に訴える文章と息を呑むような美しい写真を組み合わせたコンテンツは、実際に現地を訪れているかのような気分にさせます。

これ以上に効果的なマーケティングがあるでしょうか?

そしてもう一点、Instagramの集客だけでなく、全てのマーケティングの観点からも重要になってくる要素が、アマンリゾーツが取り組む「サステナビリティ」あるいは「環境への配慮」です。

企業が地球環境に配慮した企業活動を行うこと、およびその活動について発信することは、これからの社会で企業が存続するための最優先事項であり、ホテル産業もその例外ではありません。

アマンリゾーツは、その土地固有の自然を活かしたリゾート作りを重視していることから、リゾート付近の植樹活動やコミュニティの清掃・周辺環境をサポートするアイデアの共有などを行い、その様子をInstagramでも発信しています。

この事例のように、Instagramを通じて自社の環境に対する取り組みについて発信することは、企業のサステナビリティ性を重視するユーザーに訴求できる重要な要素となるでしょう。

まとめ【アマンリゾーツ】

アマンリゾーツがおこなうInstagram集客事例として今回ご紹介したポイントは、以下の二点です。

①まとめ機能の活用
②環境に配慮した活動の発信

"その土地に根ざした独自のホスピタリティ精神を大切にしている"、あるいは"環境に配慮した取り組みを行なってはいるが、より効果的に集客に繋げたい"とお考えの場合は、ぜひアマンリゾーツのInstagramの運営戦略を参考にしてみてくださいね。

3. フォーシーズンズ・ ホテルズ&リゾーツ (@fsotemachi)


画像引用元: fsotemachi(Instagram)
Instagramアカウント:@fsotemachi
Instagramフォロワー数:約2.3万人(2022年4月現在)

続いてご紹介するのは、世界各国で最高級のラグジュアリーホテルチェーンを展開する"フォーシーズンズ・ホテルズ&リゾーツ(Four Seasons Hotels and Resorts)"。

デザインや仕上げにこだわった魅力あふれる空間と、お客様一人一人の好みにあった丁寧なサービスを提供することで知られています。

1960年にカナダに最初のホテルを設立して以降、現在は世界36ヵ国、数にして100を超える系列のホテルを展開。

まさにラグジュアリーホテル産業界の、リーディングブランドと言えるでしょう。

そんなフォーシーズンズのジャパンコレクションである『フォーシーズンズホテル 東京大手町』のInstagramの集客事例と、国内3軒のフォーシーズンズホテルがおこなっている画期的なキャンペーンについて、詳しく見ていきます。

日本語&英語でのコンテンツ投稿

突然ですが、自社アカウントのInstagramへの投稿は、日本語のみ、あるいは英語のみでおこなっていますか?

どちらか一方の言語で投稿しているアカウントもよく見られますが、せっかくの投稿を効果的に集客に繋げたいのであれば、可能なかぎり日本語と英語、両方の言語を用いて投稿しましょう。

フォーシーズンズホテル 東京大手町のアカウントでは、徹底して英語と日本語の両方を用いた投稿がなされています。

両方の言語を用いることで、国内の旅行客・インバウンドの旅行客の双方にアプローチすることができます。

現在はInstagramにも翻訳機能がついていますが、自国の言語で詳しい情報を発信してくれるアカウントには親近感を感じやすくなるため、フォロワーの獲得や、認知度の向上にも繋がるでしょう。

「リピーター特典」キャンペーン

国内にあるフォーシーズンズホテル(東京大手町・丸の内・京都)が実施している画期的な取り組みとして、「リピーター特典」キャンペーンがあります。

このキャンペーンは、3軒それぞれのホテルの滞在回数に応じて、ダイニングやスパ・宿泊などを無料で楽しめるというもの。

まさにリピーターにとって嬉しい特典であり、加えて新たなリピーター客を増やすための有効な施策と言えるでしょう。

まとめ【フォーシーズンズ・ホテルズ&リゾーツ】

今回は『フォーシーズンズホテル 大手町』が取り組むInstagramの運営施策として、"日本語&英語での投稿"、そして国内のフォーシーズンズホテルが実施している「リピーター特典」キャンペーンについてご紹介いたしました。

コロナが収束しつつあり、インバウンドの旅行客の増加が見込まれる中で、日本語・英語の両方を用いたコンテンツの投稿はぜひとも取り入れてほしいと思います。

また、なかなかリピーター客が増えないとお悩みの場合は、フォーシーズンズが行なっているリピーター特典キャンペーンを参考にしてみてくださいね。

4. ハレクラニ沖縄 (@halekulani_okinawa)


画像引用元: halekulani_okinawa(Instagram)
Instagramアカウント:@halekulani_okinawa
Instagramフォロワー数:約2.3万人(2022年4月現在)

次に紹介するのは、2019年7月、沖縄県にてオープンしたラグジュアリーホテル『ハレクラニ沖縄』です。

100年以上の歴史あるハワイの老舗ホテル『ハレクラニ(Halekulani)』の2軒目に選ばれたのは、コーラルブルーの海と白砂のビーチに囲まれ、“沖縄最後の美しい場所”として国定公園にも指定されている沖縄県恩納村でした。

ハレクラニとはハワイ語で、"天国にふさわしい館"。

その名のとおり、全ての部屋がオーシャンビュー、サンセットウイングのロビーから望む夕日は、息をのむほど美しいのだそう。

そんなハレクラニ沖縄の、Instagramの運用戦略、および期間限定で実施予定の宿泊キャンペーンについて、ご紹介いたします。

"沖縄のホテル=ハレクラニ"を連想させるブランディング

ハレクラニ沖縄のアカウントでは、統一感のある写真によるブランディングを行なっています。

ブランディングとは、例えるなら「バイトを探すなら◯◯」「インスタントのうどんといえば◯◯」、という風に、"自社に対して持ってほしいイメージ"をユーザーに植え付ける、マーケティングの一種に分類される概念です。

ハレクラニ沖縄のサムネイルを見ると、一貫して南国感や、沖縄のリゾート感といった世界観の演出を大事にしています。

Instagramは計12枚の写真が一つの画面に表示される設計となっていますが、その12枚の写真のうち、必ず複数枚にハレクラニ自慢のオーシャンテラスプールや、オーキッドプールの写真を投稿。

パッと見ただけでも、コーラルブルーに輝くプールと、晴れわたる空の写真が目に入ることで、"南国感"や"リゾート"、"沖縄"といったイメージをユーザーに連想させます。

統一感のある写真を含め、さまざまな角度からのブランディングによって「沖縄のホテルといえば、ハレクラニ沖縄」というイメージを定着させ、競合他社との差別化を図ることに成功しています(「旅Pocket」の沖縄リゾートホテルランキングでは、ハレクラニ沖縄がランキング1位に)。

最大30時間、宿泊可能なプラン「Okinawa Escapes」

また、ハレクラニ沖縄では、画期的な宿泊キャンペーンとして最大30時間の滞在ができる贅沢なプラン「Okinawa Escapes 最大30時間ステイプラン」を期間限定(5/9〜6/30)で実施します。

このプランは、客室全てがオーシャンビュー・朝食付きのプランで、思う存分にプールを満喫したり、リフレッシュを兼ねたワーケーションとして利用されたりと、とにかく贅沢なホテルステイをゆったり楽しめることがポイントです。

先の「ザ・リッツ・カールトン」の集客事例の際にも述べましたが、コロナの急速な拡大によって、宿泊業界も方向転換を余儀なくされました。

「Okinawa Escapes」は、まさに"旅行が目的"ではなく"宿泊自体を目的"とした新しい取り組みと言えますね。

まとめ【ハレクラニ沖縄】

今回は、ハレクラニ沖縄のInstagram運用戦略として、"沖縄のホテル=ハレクラニを連想させるブランディング"、そして「Okimawa Escapes」と題した宿泊プランで、コロナ禍であっても集客を活性化させるキャンペーンについてご紹介いたしました。

Instagramを用いたブランディングにお悩みの方、あるいは「ホテル滞在を目的としたプランを導入したい」とお考えの担当者様に向けて、今回の記事が参考となりましたら幸いです。

5. グランド ハイアット 福岡 (@grandhyattfukuoka)


画像引用元: grandhyattfukuoka(Instagram)
Instagramアカウント:@grandhyattfukuoka
Instagramフォロワー数:約0.6万人(2022年4月現在)

人気ホテル・旅館のInstagram集客事例として次にご紹介するのは、国際的なホテルチェーンの『ハイアット ホテルズ アンド リゾーツ』の日本支店の一つである、『グランドハイアット福岡』のアカウント。

ハイアットホテルズアンドリゾーツは、様々なコンセプトのホテルブランドを展開しており、ブランドの中でも最上位に位置付けられる『パークハイアット』や、長期滞在を目的とし、まるで自宅のようにくつろげる『ハイアットハウス』などがあります。

その中でもグランドハイアットは、「"ただの素敵な滞在"ではなく、最高にグランドな選択を」をコンセプトに、その土地の魅力に根ざした建築や、革新的なレストラン、ラグジュアリーなスパなどをその特徴としています。

そんなグランドハイアットの日本初支店の舞台となったのが、福岡県福岡市の中心街である博多。

"都市の劇場"としても有名な、博多の代表的なショッピングモール『キャナルシティ博多』に併設された非常にアクセスの良いロケーションとなっています。

「グランドハイアット福岡」のInstagram集客事例

グランドハイアット福岡のInstagramの集客事例として、ぜひ参考にしていただきたいのが、施設を利用したユーザーの投稿に対する"アクティブコミュニケーション"です。

アクティブコミュニケーションとは、SNSでブランド名や企業名を検索し、実際に利用してくれたユーザーの投稿に対し「いいね!」やコメントをするコミュニケーション手法のこと。

アクティブコミュニケーションを行なうことで、どうしても遠くなりがちな企業と顧客の心理的な距離を縮めたり、あるいは「顧客が何に対し満足したのか・何に対し不満を抱いているのか」を知り、適切に対応することで顧客満足度を高めることができます。

グランドハイアット福岡は、オリジナルのハッシュタグ"#grandhyattfukuoka"を付けたユーザーの投稿に対し、積極的に「いいね!」を行なっています。

企業からのいいね!やコメント、ストーリーズの共有などの積極的なアプローチに好感を抱くユーザーは多く、結果としてさらにその企業にまつわるプラスな投稿が増える、という好循環を生み出す可能性があります。

Instagramだけでなく、すべてのSNSマーケティングにおいて積極的に採用していきたい施策ですね。

まとめ【グランドハイアット福岡】

今回はグランドハイアット福岡が行なっている集客事例として、実際に施設を利用したユーザーに対する"アクティブコミュニケーション"が重要であるとお伝えしました。

「自社に対するユーザーの反応をイマイチ把握しきれていない」、「ユーザーとの密接なコミュニケーションが取れていない」という場合は、今回ご紹介した集客事例の採用をぜひ検討してみてくださいね。

6. 奥湯河原 結唯 (@okuyugawara_yui_official)


続いて6番目にご紹介するのは、温泉街として全国的に有名な神奈川県・湯河原町に位置する『奥湯河原 結維(おくゆがわら ゆい)』。

都心から1時間というアクセスの良さでありながら、都会の喧騒から離れ、かつて文豪達にも愛された奥湯河原の秘湯をゆったりと贅沢に楽しむことができます。

『奥湯河原 結維』のInstagram集客事例


こちらのアカウントでは、季節を感じられる旬の食材をふんだんに使ったお食事の写真や、奥湯河原の渓谷を一望できる展望露天風呂など、厳かで優美さを感じさせる写真が投稿されています。

このような写真を見て、実際に訪れたいと考えるのはどういった客層でしょうか?

年配の方や富裕層はもちろん、最近では記念日に訪れるカップルの投稿も増えています。
19歳以下は宿泊できないという年齢制限があるため、お子様連れのご家族での宿泊はまずないでしょう。

訪れる客層を絞り込み(=ターゲティング)、その客層(見込み顧客)に訴求できるような写真の投稿を行うことで、Instagramを効果的に用いた集客ができます。

当たり前のようですが、あまり関係のない投稿をしている企業アカウントも見受けられます。
一つ一つの投稿が自社のブランディングに影響していると考え、しっかりとターゲットに訴求できるような投稿を意識しましょう。

顧客のニーズを満たす宿泊オプション

奥湯河原 結維では、通常の宿泊に加えて花束やケーキ、ボトルシャンパンやお部屋のバルーン装飾といった、記念日にぴったりな宿泊オプションを追加できます。

特別な記念日に宿泊したいと考えている顧客にとっては、サプライズを事前に準備しなくてもいいので、かゆいところに手が届くありがたいオプションといえます。

こういったオプションのサービスがあり、それをInstagramなどのSNSに投稿すれば、宿泊を検討しているカップルや夫婦に訴求できる強い要素となります。

自社のサービスを、Instagramを用いて効果的に宣伝することで、集客力を高めていきましょう。

まとめ【奥湯河原 結維】

『奥湯河原 結維』のInstagram集客事例として今回ご紹介したのは、"ターゲティングを意識した投稿"でした。
ターゲティングを意識した投稿を行うことで、宿泊を検討している見込み顧客に強く訴求することができます。

また、記念日を見据えた宿泊オプションを備えることで、顧客のニーズを満たし、他の旅館やホテルとの差別化も図っています。

「どのような投稿が効果的かわからない」、「集客に結びつく投稿がしたい」というお悩みをお持ちの場合は、『奥湯河原 結維』の事例を参考にしてみてくださいね。

7. 都ホテル 博多 (@miyakohotelhakata)

続いてご紹介するのは、近畿圏を中心に、全国で旅館やリゾート型ホテルを展開する『都ホテルズ&リゾーツ』です。

ルーツとなった『都ホテル』は、1890年創業という日本を代表する老舗ホテルで、近鉄グループの買収により現在の『株式会社近鉄・都ホテルズ』の運営となりました。

コンセプト別にブランドが設立され、"都ホテル"は数々の賓客を迎えてきた由緒ある都市型のフルサービスホテル、"都シティ"では都ホテルのホスピタリティ精神はそのままに、都市型のカジュアルサービスホテルを、"都リゾート"ではリゾート型のフルサービスホテルを展開しています。

Instagramでは、全国各地に点在するホテルの写真を、季節の移り変わりや見どころなどの情報を含めて投稿しています。

そんな『都ホテルズ&リゾーツ』のInstagram集客事例、およびキャンペーン情報について詳しくみていきましょう。

UGCを活用したリポスト投稿

『都ホテルズ&リゾーツ』のアカウントでは、ホテルを実際に利用したユーザーの投稿(UGC)をリポストすることにより、アカウントの認知力向上・親近感の演出、およびフォロワーの獲得を図っています。

リポストはInstagramに正式に備わっている機能ではありませんが、外部アプリを用いたり、投稿主の写真を保存して投稿することでリポストができます(事前に投稿主にリポストの許可を取ることが必要です)。

ユーザーの投稿をリポストするメリットとしては、

①ユーザーの購買行動に強い影響を与える
②低コストで継続的な投稿を確保できる
③広告一辺倒になりがちな企業のSNSに、親近感を感じさせる
といったことが挙げられます。

非常に費用対効果の高い施策と言えますね。

SDGsを意識したキャンペーンを実施

都ホテルズ&リゾーツは、2022年3月1日〜3月31日の期間限定で、『国際女性デー HAPPY WOMAN FESTA 2022』を開催しました。

このキャンペーンは3月8日の"国際女性デー"にあわせて開催されたもので、「ジェンダー平等を考え、女性がハッピーな気持ちになれる」ような宿泊プランやメニューを用意し、ロビーはHAPPY YELLOW(幸せの黄色)でお迎えする、という内容でした。

ジェンダー平等や環境への配慮など、消費者の意識の高まりとともに、SDGsを意識した施策やキャンペーンを導入する企業は増えています。

宿泊業界でも脱プラを目指し、アメニティの廃止や有料化の動きがある中で、このようなキャンペーンを行い、SNSで発信することはこれからのマーケティングの観点からも必須項目であると言えます。

まとめ【都ホテルズ&リゾーツ】

今回は『都ホテルズ&リゾーツ』のInstagram集客事例について、以下のようにお伝えしました。

①"UGCを活用したリポスト投稿"が非常に費用対効果の高い施策であること
②SDGsを意識したキャンペーンの実施

「UGCをうまく活用しきれていない」「なにかSDGsに関する施策を取り入れたい」という場合には、都ホテルズ&リゾーツのアカウントを参考にしてみてくださいね。

8. おちあいろう (@ochiairo)

人気ホテル・旅館のInstagram集客事例として次にご紹介するのは、明治7年に創業、登録有形文化財にも指定されている静岡県伊豆市の温泉旅館『おちあいろう』です。

伊豆・修繕寺の近くに位置し、2本の川が合流する畔に佇むことからその名が付けられた『おちあいろう』。

島崎藤村や川端康成など、名だたる文豪に親しまれたことでも知られています。

『おちあいろう』のInstagram集客事例

そんなおちあいろうの集客事例として今回ご紹介するのは、"リール機能"の活用です。

リールとは、Instagramに比較的新しく導入された、最長60秒の動画を投稿できる機能のこと。

おちあいろうのアカウントでは、頻繁に季節の献立の動画や、温泉・サウナなどの動画がアップされています。

リールを活用するメリットとして、

①フォロワー以外のユーザーの目につく可能性がある
②フォロワーが少なくてもバズりやすい
③スマホの全画面表示でインパクトがある

といったことが挙げられます。

公開状態にしているアカウントであれば、投稿したリールがフォロワーでないユーザーの「発見タブ」に表示される場合があり、元々のフォロワーが少なくても大勢のユーザーに見てもらえる可能性も。

また、リールはスマホの全画面表示を基準としているため、視覚に与えるインパクトが大きく、料理や景色といったカテゴリーと非常に相性がいいと言えます。

おちあいろうは当初、再生回数が500〜1000ほどだったのが、季節の献立を美しい映像+キャプションでの説明を加えて投稿しはじめたところ、4000近い再生回数を得るようになりました。

美しい料理の映像が発見タブに表示され、思わずタップ、バックで流れる音楽と美味しそうなお料理に、まるで"ASMR"のような感覚で最後まで見てしまう、という仕組みです。

おちあいろうの全てが見られる「3Dツアー」

現在おちあいろうのHPでは、おちあいろうの全ての施設をバーチャルに体験できる「3Dツアー」を実施しています。

館内の雰囲気や客室の間取り、吊り橋やお庭といった所まで、まさに全ての施設を立体的に体感できます。

高級な宿泊施設に滞在する場合、出来ることなら詳細な視覚的情報が欲しいもの。

3Dツアーはまさに、そんな顧客のニーズを汲み取った新しい"おもてなしの形"と言えますね。

まとめ【おちあいろう】

今回は伊豆の温泉旅館『おちあいろう』のInstagram集客事例として、"リール機能"の活用が重要であるとお伝えしました。

また、「3Dツアー」も顧客のニーズを汲み取った、新しく画期的な施策です。

おちあいろうのクオリティの高いコンテンツを参考に、最大限にリール機能を活用してみてくださいね。

9. 星のや竹富島 (@hoshinoya.official)

続いてご紹介するのは、全国各地で温泉旅館やリゾート施設を経営する『星野リゾート』が運営する、ラグジュアリーホテルチェーン『星のや』のアカウントです。

『星のや』は、その前身となった「星野温泉旅館」の創業から100余年の時を経て、今まさにホテル業界の第一線で活躍するラグジュアリーホテルブランドです。
軽井沢をはじめ、北は東京や山梨、南は沖縄、海外ではインドネシアや台中に至るまで、それぞれが持つ土地の風土を生かしたリゾートを展開。

山梨県の施設はグランピングスタイルであるのに対し、東京では日本旅館、沖縄では伝統建築の集落となっているように、同じ星のやの系列とは思えないほどそのバリエーションは豊かです。

そんな多様性に富んだ『星のや』のInstagram集客事例、および実施中のキャンペーンについて見ていきましょう。

『星のや』のInstagram集客事例

今回の集客事例として特筆したい点は、投稿に対する"位置情報機能の活用"です。

何を今さら?と思われるかもしれませんが、意外と見落としがちなポイントで、あまり重要視されていないかも知れません。

しかし、ハッシュタグでの検索や、メンションからのアカウント訪問に加えて、位置情報から流入してくるユーザーが多いのも事実です。

星のやの投稿には、毎回必ず位置情報が付けられています。

星のや利用者のUGC(ユーザー投稿)を見た別のユーザーが、「このホテルに宿泊してみたい」と思った場合、まず初めに公式アカウントを探し、公式アカウントの写真を見たいと考えるでしょう。

そのような場合に、UGCに付けられた位置情報をタップし、星のやの投稿が表示されることで、すぐに公式アカウントに辿り着くことができます。

投稿毎に位置情報を付けることで、ユーザーの目に触れる機会も増えますので、積極的に位置情報機能を活用しましょう。

星のやも対象!『Go To 待ちきれないキャンペーン』

星野リゾートは現在、「Go to Travelキャンペーンが待ちきれない!」という方に向けて、スペシャルセールを開催しています。

Go To Travelが始まるまでの期間、星のやを含む同社のホテルブランドの宿泊がお安くなるというキャンペーンです。

「安く泊まれるなら、このチャンスに泊まっておこう」という顧客の心理を突くことで、「Go To Travelがない期間の集客」という課題の解決を図った斬新なキャンペーンと言えます。

まとめ【星のや】

今回はラグジュアリーホテルチェーン『星のや』のInstagram集客事例として、"位置情報の追加"はハッシュタグ検索と並ぶ検索方法であり、ユーザーのアカウント訪問のきっかけになるとお伝えしました。

また、集客が難しい時期をあえて逆手にとった『Go To 待ちきれないキャンペーン』は、課題解決の観点からも学びのある施策です。

星のや含め、星野リゾートのアカウントでも活発にInstagramの運用を行なっています。
運用の秘訣が随所に散りばめられていますので、ぜひアカウントをチェックしてみてくださいね。

10. ドーミーイン (@dormyinn.official)

人気ホテル・旅館のInstagram集客事例として最後にご紹介するのは、株式会社共立メンテナンスが運営するビジネスホテルチェーン『ドーミーイン(dormy inn)』のアカウントです。

ドーミーインは、"住むホテル&泊まれるオフィス"をコンセプトに、まるで家のようにくつろげるサービスを全国のホテルにて提供しています。

ビジネスホテルでありながら、天然温泉やサウナを完備、夜食のラーメンが無料で振る舞われたり、朝食が豪華だったりと、他のビジネスホテルと一線を画す充実のサービスが人気です。

ドーミーインのInstagram集客事例

今回ドーミーインの集客事例としてお伝えしたいのは、"コンテンツマーケティング型のInstagram運用"です。

コンテンツマーケティングはオウンドメディアなどの「記事」のイメージが強いですが、まとめアカウントの様にユーザーが求める情報を提供している場合は、Instagramにおけるコンテンツマーケティングを行なっていると言えます。

ドーミーインのアカウントでは、ホテルの情報に加えて、周辺の観光地の情報をまとめて投稿。

まとめアカウントさながらの詳しい情報と、思わず現地に訪れたくなるような美しい写真は、SNS担当者がユーザーのニーズをしっかりと把握していることを感じさせます。

最近では、一つの投稿で複数の情報を提供する、コンテンツマーケティング型のアカウント運用が頻繁に見られるようになりました。

ドーミーインのように、企業がInstagramでコンテンツマーケティングを行なっている例はまだまだ少ないですが、これからの時代のInstagramマーケティング成功の鍵となってくるはずです。

ホテル暮らしの夢を叶える"マンスリープラン"

ドーミーインは現在、グッドルーム株式会社と共同で、長期滞在者向けのマンスリープラン『goodroomホテルパス』を実施しています。

goodroomホテルパスとは、ホテルに"住む"ことができるサービス。
敷金・礼金不要で、家事を減らして快適な生活ができることから、近年注目を集めています。

その中でもドーミーインは毎日大浴場・サウナを利用できるとあり、大好評。現在は満室の状態です。

旅行やビジネスのために"泊まる"がメインだったホテルのスタイルから、ノマドワーカーを中心にホテルに"暮らす"スタイルが支持を集めています。
それに応える形で、今後も長期滞在者向けのプランを導入するホテル・旅館が増えていくでしょう。

まとめ【ドーミーイン(dormy inn)】

ビジネスホテルチェーン『ドーミーイン』のInstagramアカウントでは、"コンテンツマーケティング"を取り入れた集客を行なっていました。

最近の動向として、ユーザーが信憑性、網羅性の高い情報を求めていることを把握した上での施策と思われます。

また、ホテルに暮らすスタイルが支持を集めていることを受けて、ドーミーインもマンスリープランを導入しています。

ユーザーのニーズを見据えた先見性と、先陣を切って新たな施策に挑戦する、チャレンジ精神旺盛なドーミーイン。
Instagramのアカウントを参考に、ぜひコンテンツマーケティングにもチャレンジしてみてくださいね。

【まとめ】ホテル・旅館のインスタブランディングは効果抜群

いかがでしたでしょうか。今回は、人気のホテル・旅館のインスタブランディングの成功事例を10個紹介しました。以前は「楽天トラベル」などの旅行系ポータルサイト経由で情報を探す人が多かったと思いますが、インスタグラムがこれだけ普及した現在ではホテル・旅館側がSNSで積極的に情報発信を行なって集客に役立てています。

聞き込みを行ったところ、ホテル・旅館業界は実際にインスタグラムのプロフィール欄等に貼ったURLから予約が入る件数もかなり多いそうです。インスタグラムマーケティングは効果が現れやすい領域、期待しにくい領域がありますが、観光業は後者ということのようですね。

また、下記の記事では中小企業のインスタブランディングについてまとめているので、興味のある人は是非チェックしてみてください。

また、当ブログでは、YouTubeやインスタグラムのインフルエンサーを起用したマーケティング支援を、インスタグラムの運用代行と併せて行っています。旅行が好きなトラベルインフルエンサーなどは実際にその旅館やホテルを使って感想をSNSに投稿してくれるので、より解像度の高いPRが可能になるのが特徴です。

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