ShopifyでECストアを開設すると、基本的には自力で集客しなくてはいけません。例えば、SNSと連携して流入経路を増やしたり、ブログを運営してユーザーに役立つ情報を発信したりできます。Shopifyで利用できる集客方法を無料・有料に分けて紹介するので、ぜひ参考にしてください。
Shopifyは誰でも開設できる定額課金制のネットショップ
Shopifyは世界で数百万もの事業者が利用するECストアの開設プラットフォームです。月額制でベーシックとスタンダード、プレミアムの3つのプランがあります。それぞれ連携できる在庫場所の数や決済手数料、月額料金が異なり、事業規模に合わせて選択できる仕組みです。
Shopifyでは簡単な作業でECストアを開店できるため、登録したその日から販売することも可能です。また、どのプランも基本機能は定額オールインクルーシブで、追加料金なしに店舗販売管理システムやブログなどの多彩な機能を活用できます。
Shopifyの基本機能・追加機能
Shopifyでは、定額料金で多彩な基本機能を活用できます。主な機能を紹介します。
〇 ストアのテーマに合うテンプレートで簡単カスタマイズ
〇 ストアページの作成
〇 ブログ記事の作成
〇 セキュリティ管理(24時間自動対応)
〇 ソフトウェアアップデート(24時間自動対応)
〇 Shopify POS(店舗販売管理用アプリ、ECストア以外にも実店舗やフリマでも利用可)
〇 多通貨対応の決済システム
〇 Amazon Payなどの外部の決済サービスとの連携
また、Shopifyではオプションで追加機能も利用できます。
〇 Shop Pay(Shopifyのストアで利用できる決済方法)
〇 SNSとの連携
他のECサービスと何が違うのか?
ECストアを開設するECサービスはShopifyだけではありません。数あるECサービスの中でもShopifyを特徴づけるポイントとしては、次の点が挙げられます。
〇 カスタマイズ性が高い
〇 頻繁にアップデートされている
〇 外部アプリと連携したときにエラーが出にくい
〇 グローバルスタンダードなので越境ECを始めやすい
〇 サーバーのセキュリティが高い
〇 サーバーがダウンしにくい
Shopifyでは集客面でも多彩な機能を持ちます。Shopifyを活用した集客でできることと苦手なことを紹介します。
Shopifyを使った集客でできること
例えば、楽天市場やYahoo!ショッピングなどのECモールで出店すれば、ストア名が有名でなくてもモール内の検索ページで検出され、販売につなげることができるでしょう。しかし、ECモールではなく独立したECストアとして開店する場合、巨大モールのような集客力はないため、独自に集客のための努力をしなくてはいけません。
Shopifyは独立したECストアを開店するためのプラットフォームですが、集客につなげる多彩な機能が利用でき、ECストアとしては比較的早く売上を伸ばせる傾向にあります。Shopifyの主な集客機能は次の通りです。
〇 トラフィック(訪問者)情報の閲覧と分析
〇 トラフィックの流入・行動分析
〇 SNSとの連携
〇 在庫管理や商品の配送、分析を管理画面で一括操作
Shopifyを使った集客でできないこと
多彩な集客機能を有するShopifyですが、苦手な分野もあります。Shopifyで対応できない集客としては、次のものが挙げられます。
日本のアフィリエイトプロバイダー(ASP)を利用したアフィリエイト施策がしづらい
プログラミングの知識がない状態での運用
Shopifyは元々カナダで誕生し、グローバルコマースとして広がったECサービスのため、日本固有のサービスには対応していないことも多いです。不足する分は集客アプリなどと連携させて対応しますが、できればアプリなしでも基本機能として用意してほしいと感じるかもしれません。
また、集客しやすいECストアに仕上げるためには、ストアのデザインや決済方法などをカスタマイズする必要性が生じるでしょう。このようなカスタマイズも簡単にできれば良いのですが、Shopifyではタグの埋め込みなどを必要とするケースが多く、ある程度のプログラミングの知識が必要になります。
プログラミングの知識が必要な場面は外部の専門家に依頼するという方法もありますが、コストがかかるため、できれば内製したいものです。プログラミングの基礎を理解しているスタッフを採用する、既存のスタッフがプログラミングについて勉強するなどの対応が求められます。
Shopifyを開設してもすぐには売れない!?集客のポイントは?
ShopifyでECストアを開設しても、すぐに商品やサービスが売れるわけではありません。商品やサービスが売れるためには、まずはECストアや商品ページがインターネットユーザーの目に触れることが必要です。
しかし、インターネット上でストアを開設している事業者は多く、またそれぞれのストアが複数の商品ページを持つため、それらの競合店の中で存在感を出すのは簡単なことではありません。
ECストアで商品やサービスを販売するには、とにかく集客が大切です。集客力が高まる方法であれば積極的に実施し、トラフィックの増加につなげる必要があります。
Shopifyでは集客につながる無料の方法と有料の方法を提供しています。具体的にどのような方法なのか見ていきましょう。
Shopifyは「無料の集客方法」と「有料の集客方法」がある
Shopifyにはデフォルトとして利用できる機能や、Shopify専用の集客アプリを導入することで無料で利用できるようになる機能などがあります。これらの無料集客方法以外にも、有料の集客アプリで集客力を高めることも可能です。
無料の集客方法と有料の集客方法では何が異なるのか、それぞれのメリットとデメリットから探っていきましょう。
無料集客のメリット・デメリット
Shopifyで利用できる無料の集客方法は、コンテンツマーケティングやSNSとの連携、SEO対策などがメインとなります。無料の集客方法を使うことには、次のメリットがあります。
〇 長期的な集客効果を得られる
〇 顧客との関係を築ける
〇 コストがかからない
Shopifyでは無料でブログ機能を利用できるので、ブログ記事などを定期的に公開してユーザーに役立つ情報を提供することができます。長期的に運用して多くのブログ記事を積み重ねれば、コンテンツマーケティングができるだけでなく、会社の大切な財産にもなります。
また、特定のキーワードを決めて検索上位を目指すSEO対策も、集客効果を得られるまでに時間がかかる方法です。しかし、時間がかかる分、長期的な集客効果を期待できるので、効率性の高い方法といえるでしょう。
ブログ記事の投稿は集客目的で行うとしても、結果的には顧客との関係強化も獲得できます。ブログにコメント機能をつければ、顧客との双方向性のあるコミュニケーションの場としても活用することが可能です。
もちろん、コストがかからないことも無料の集客方法を利用するメリットです。有料の集客方法は思うような結果が得られなくても費用が発生しますが、無料なら思うような結果が得られなくても元々お金をかけていないため損失とはなりません。
無料の集客方法を利用することで多くのメリットが得られますが、デメリットもあります。主なデメリットとしては、次のものが挙げられます。
集客効果が得られるまでに時間がかかる
専門家への依頼が必要になり、コストが発生することがある
コンテンツマーケティングやSEO対策などは、いずれも集客効果が表れると、比較的長期間効果が続きます。しかし、集客効果が表れるまでには時間がかかり、状況によってはECストアの運営が危うくなることもあるでしょう。また、SNSと連携してECストアへの流入経路を増やしたところで、SNSの投稿を見てくれるユーザーが少ない場合は、あまり集客効果は見込めません。
時間をかけても結果が得られないことがあるのも、デメリットといえます。1年、2年とECストアを運営しても、いつまで経ってもコンテンツマーケティングやSEO対策、SNSの連携などの取り組みが実を結ばないこともあります。
思うような結果が得られないときは、専門家のサポートが必要になるかもしれません。SEO対策の専門家、Webサイトデザインの専門家、ECストア運営の専門家などに依頼し、専門家の知見や経験を活かした集客力アップの施策を実施してもらうことになります。この場合はコストが発生することになるだけでなく、「最初から有料の集客方法も実施していたら時間が無断位ならなかったのに…」と後悔することにもなりかねません。
有料集客のメリット・デメリット
有料の集客方法は広告運用がメインとなります。利用するメリットとしては、次のものが挙げられます。
〇 比較的短期間で集客効果が得られる
〇 狙ったターゲット層にアピールできる
〇 売上が安定しやすくなる
リスティング広告やリマーケティング広告などに広告費をかけると、比較的短期間で集客できるようになります。また、特定のキーワードや行動に注目して広告を実施するため、狙ったターゲットにアピールできる点もメリットです。
短期間で集客できるため、早期の時点で売上が安定しやすくなります。ECストアの運営も継続でき、長期的な販売計画も立てやすくなるでしょう。
広告をメインとした有料集客にはデメリットもあります。主なデメリットは次の通りです。
〇 費用が発生し続ける
〇 効果が継続しにくい
広告を出し続ける限り、費用が発生します。また、広告と売上は連動しやすいため、広告を止めると途端に売上が減ることも珍しくありません。
効果が継続しにくいのもデメリットです。無料集客では利益の出にくい開店直後にのみ有料集客を利用し、継続的に無料集客に取り組めば、良いとこどりの集客活動を行えるでしょう。
【無料でできる】Shopifyの3つの無料集客方法
無料でできるShopifyの集客方法を3つ紹介します。いずれも効果が出るまでに時間がかかるため、開店直後から取り組むことをおすすめします。
1.「SEO対策」を行い検索結果から集客する
検索画面で上位に表示されるためのSEO対策は、効果が長続きする集客方法です。Shopifyでは次の方法で実施できます。
〇 ECストアの名前やメタディスクリプションをキーワードを意識して作成する
〇 商品の名前や商品ページのメタディスクリプションをキーワードを意識して作成する
〇 画像にaltタグを設定する
SEO対策を実施する前に、トラフィックの行動履歴などから、どのようなキーワードで検索するユーザーが多いのか分析しておきましょう。
2.「SNS」と連携して商品情報やコンテンツを発信する
Shopifyでは、管理画面からInstagramやFacebookなどのSNSと連携できます。連携後、次の方法で集客しましょう。
〇 SNSで商品情報やキャンペーン情報などを発信する
〇 SNSから商品ページに誘導する
〇 SNSでユーザーに役立つ情報を提供し、ファンを増やす
3.「ブログ」を運営して情報を発信する
Shopifyでは、無料で利用できるブログ機能がついています。次の方法で集客に活かしましょう。
〇 ブログ記事にSEO対策を実施し、ブログが検索上位に表示されるようにする
〇 ユーザーとのコミュニケーションの場として活用する
〇 商品やキャンペーンなどの情報を定期的に発信する
【広告費がかかる】Shopifyの5つの有料集客方法
広告費はかかりますが、早期に集客効果を見込める方法を紹介します。無料集客の効果が出にくいストア開店直後などに限って実施すると、広告費をある程度抑えることができます。
1.「リスティング広告」で検索結果の最上部に載せる
リスティング広告とは、ユーザーが検索エンジンでキーワード検索をしたときに検索結果の最上部に表示される広告です。SEO対策を実施しなくても検索結果画面に表示されるので、対応したいキーワードが決まっているときに適しています。
2.「ディスプレイ広告」でブログやメディアの広告枠に載せる
ディスプレイ広告とは、さまざまなWebサイトの広告枠に掲載される広告です。リスティング広告は基本的には文字だけですが、ディスプレイ広告は画像や動画も掲載でき、視覚的にアピールできるというメリットもあります。ただし、キーワードを決めて表示するわけではないため、ターゲット層に届かない可能性があります。
3.「リマーケティング広告」で見込み客に対してアプローチする
リマーケティング広告とは、一度、自社のECサイトに訪問したことがあるユーザーをターゲットとして実施する広告です。ユーザーが閲覧した商品や関連商品を表示し、ECサイトへの誘導を図ります。
ただし、まだトラフィックが少ない時点ではリマーケティング広告のターゲットが少なく、集客効果も見込めません。ある程度ユーザーが増え、今以上に売上を上げたいときに活用しましょう。
4.「アフィリエイト広告」で第三者に紹介してもらう
アフィリエイト広告は、成果報酬型の広告です。アフィリエイターなどが記事内で商品を紹介するため、他の広告よりは広告感が低く、自然にECサイトに誘導できます。
なお、アフィリエイト広告を利用するには、ASPと呼ばれるサービスにアフィリエイターへの報酬とは別に月額費用を支払うことが必要です。費用対効果を計算してから利用するようにしましょう。
5.「SNS広告」タイムラインやストーリーに掲載する
SNS広告とは、SNSのタイムラインやストーリーに掲載する広告です。他の投稿と同じようなスタイルで表示できるため、広告感を抑えやすい手法です。
SNS広告を利用する前には、ShopifyとSNSを連携しておかなくてはいけません。また、SNSのフォロワー増にもつなげられるので、SNSで公式アカウントを開設し、普段から運用するようにしましょう。
確認必須!Shopifyの3つの分析ツール
Shopifyで効果的な集客を行うには、トラフィックの行動や購入者の属性などを徹底的に分析しておくことが必要です。また、流入経路やサイト訪問前の訪問先、ユーザーの検索キーワードなども分析しておくと、集客手法を決めやすくなるでしょう。おすすめの分析ツールを紹介します。
〇 Shopifyのストア分析機能
〇 Google Analytics
〇 Google Search Console
Shopifyでは無料ストア分析機能を提供しています。ストア分析だけでなく、商品分析や財務分析も行えます。ただし、利用しているプランによって機能が多少異なる点に注意しましょう。
また、トラフィック数やトラフィックの流入経路、属性などを調べたいときは、無料で利用できるGoogle Analyticsを導入してみましょう。Shopifyと簡単に連携でき、より深い分析に活かせます。
検索エンジンの結果から流入したユーザーに対しての分析は、Google Search Consoleで行いましょう。Google Search Consoleではユーザーが使ったキーワードを調べることができるので、SEO対策に活かせます。
〇 Google Analytics
〇 Google Search Console
ライバルに差がつく!Shopifyの戦略的な集客テクニック
Shopifyで着実に売上を伸ばすためにも、集客は戦略的に行うことが必要です。次の2つの戦略を実施し、効率的に集客力を高めていきましょう。
〇 開設ユーザーは広告を使って集客を行う
〇 アプリをうまく活用して友達紹介やキャンペーンを行う
それぞれの戦略テクニックを解説します。
開設したばかりのときは広告を使って集客を行う
開設したばかりのときは、売れない時間が続きます。SEO対策やコンテンツマーケティングを進めて将来的な集客に活かすことはできますが、即効性のある効果は期待できません。
最初のうちは有料にはなりますが広告を使って集客を行うこともおすすめです。トラフィックが少ないときにはリマーケティング広告は実施できないので、リスティング広告などを活用しましょう。
アプリをうまく活用して友達紹介やキャンペーンを行う
Shopifyには無料で利用できる集客アプリが多数用意されています。アプリを活用してSNSと連動させれば、友達紹介やキャンペーンもスムーズに実行できます。ぜひ多彩な集客アプリをチェックしてみましょう。
国内のShopify集客の成功事例
国内でもさまざまな企業でShopifyは利用されています。例えば、あるビールメーカーはECサイトのプラットフォームをShopifyに変更してから、明るいイメージを打ち出すことに成功し、ビールの種類が4種類から60種類へと飛躍的に増えました。
また、ある家電メーカーではShopifyの自動出荷アプリを利用することで、複数の在庫場所の情報を連携し、効率性の高い販売を実現しています。在庫管理のミスも大幅に減り、担当スタッフの削減にもつながりました。
オンライン上でパーソナルスタイリングからカウンセリング、洋服の販売までをワンストップで行うある企業は、SNSと連携した集客活動を行っています。SNSと連携しやすいShopifyで、効率的な運営も実現しました。