TikTokマーケティングとは?企業の成功事例や戦略の立て方・手法を解説

TikTokマーケティングとは、TikTokの拡散力の高さを活かした宣伝方法です。TikTokマーケティングの成功事例を紹介し、どのように戦略を立てることができるのか解説します。また、具体的な手法や注意点についても見ていきましょう。

TikTokマーケティングとは?

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TikTokマーケティングとは、気軽に動画を投稿できるSNS「TikTok」を活用したマーケティングです。TikTokでは動画を投稿するだけでなく、撮影から編集まですべてアプリ内で実施できるため、動画撮影や編集の特別な機材・ソフトウェアなどがなくても高品質の動画作成を行うことができます。

自社の商品やサービス、イベントなどの宣伝に活用したり、認知度向上に用いたりと、TikTokをマーケティングに利用する事業者も少なくありません。

国内外のユーザー数

TikTokは全世界で10億人以上(2021年9月時点)のユーザーがいるとされています。日本におけるアクティブユーザー数は月間950万人(2019年時点)ほどで、増加傾向にあることも公表されています。

最近ではアイドルグループやダンスユニットなどもTikTokアカウントを開設しており、ますますユーザーが増加すると考えられるでしょう。

日本のメインユーザー層の変化

TikTokは10代、20代のユーザーが多いといわれてきましたが、徐々に年齢層が高くなってきています。ある調査によれば、2021年にはユーザーの平均年齢は34歳程度と報告されました。

とはいえ、他のTwitterやYouTube、LINEなどの個人が投稿できる媒体と比べるとTikTokのユーザー層は若く、10代、20代の利用は多めだといえます。

TikTokの他のSNSと違う特徴5つ


企業やECサイトオーナーなどの事業者は、商品やサービス、あるいはECサイトや店舗などの認知度を高めるためにSNSを利用することができます。しかし、SNSの種類は多く、それぞれ特徴やユーザー層が異なるため、適したものを選ばないとターゲットに情報を届けることができません。

TikTokでマーケティングを行う前に、TikTokならではの特徴を理解しておきましょう。TikTokの特徴としては次の5つが挙げられます。

コンテンツの種類や作成機能が充実している
拡散力が強いのでバズりやすい
フォロワー0でもインプレッションが期待できる
短期間のアクセス増加が期待できる 
動画単体で評価するアルゴリズムになっている

それぞれの特徴について解説します。

特徴1.コンテンツの種類や作成機能が充実している

TikTokは、お気に入りの発信者による投稿だけでなく、TikTokにより選ばれたおすすめのコンテンツが表示されるアプリです。おすすめされる内容はTikTokアプリを使えば使うほど精度が高まり、ユーザーの好みにフィットするだけでなく、トレンドから検索された内容も反映されます。

おすすめが合わないときは、動画を長押しして「興味がありません」をタップすることで、次回からの表示に反映することが可能です。また、「制限モード」を使用すると表示されるコンテンツを広範囲に制限することができます。

TikTokではコンテンツの種類だけでなく動画作成機能も充実しています。主な機能は以下のとおりです。

動画を撮影する
複数の動画をつなげる
動画にエフェクトをかける
再生速度を変更する
音楽を挿入する
アフレコ、音声加工を行う
文字を挿入する

TikTokでは動画撮影から任意のタイミングでカットまで、簡単にアプリだけで実行できます。また、複数の動画をつなげる機能もあるので、細かくカットした動画をつなげて現実には難しい動きを再現することが可能です。TikTokアプリ以外で撮影した動画もつなげられるため、スマホのカメラで撮影した動画などを組み合わせれば、日常生活のスナップをストーリー性のある動画に仕上げることもできるでしょう。

撮影中や撮影後にエフェクトをかけられる点もTikTokの特徴です。特殊なメイクを施したり、フィルターをかけたりすれば、顔出し動画に抵抗がある方も参加しやすくなります。

また、再生速度を変えられるので、特定の部分だけ長引かせる、あるいは早めることで、動画をインパクトのあるものにすることも可能です。TikTokの投稿は最長10分と規定されているので、カットと速度変更の機能を活用して短時間でも印象的な動画に仕上げます。

TikTokではアプリ内に音楽もストックされているので、音量を調整して挿入し、動画の完成度を高めましょう。もちろん音楽の速度も変更できるため、音楽に合わせて踊らなくても動きにマッチさせることができます。

音楽ではなくセリフをアフレコすることも可能です。音声加工もできるので、商品やサービスの説明にぴったりの声を作ってみましょう。

また、文字を挿入する機能を使えば、商品やサービスの名称をよりユーザーに印象付けることができます。フォントやカラーのバリエーションも充実しているので、短時間でも伝えたいことをしっかりと伝えられる動画を作成することが可能です。

特徴2.拡散力が強いのでバズりやすい

TikTokの動画は最長10分と短いため、ユーザーもストレスなく視聴できるというメリットがあります。また短時間で伝えたい内容を伝えるために、インパクトの高い動画を作成している配信者も多く、「視聴する」→「感動する」→「拡散する」の流れが自然に根付き、拡散力が強いことも特徴です。

なお、短い中にも起承転結があると、よりバズりやすいとされています。また、いきなりインパクトの強いアクションを展開するよりは、自然な導入となっている動画、上手に音の効果を活用している動画も、バズりやすい傾向にあります。

特徴3.フォロワー0でもインプレッションが期待できる

Instagramなどの他のSNSでは、基本的にフォロワーに対しての投稿がメインとなっているため、フォロワーが少ないときは再生数を増やしづらくなっています。そのため、広く拡散させたいときは、まずはフォロワーの獲得から地道に行うことが必要です。

一方、TikTokではおすすめの動画を表示させる「レコメンド機能」があり、フォロワー以外にも投稿が表示されます。まったくフォロワーがいない状態でもレコメンド機能により一定数のユーザーには投稿が表示されるので、インプレッションが期待できるでしょう。

ユーザーからの「いいね」の数が多ければ、同じユーザーに関連する動画がレコメンドされたり、他のユーザーにも動画が表示される回数が増えたりします。つまり、TikTokは新しいファンやフォロワーを獲得しやすいSNSです。まだ固定のファンがついていない場合や、フォロワー数が少ないときは、TikTokを活用してファンやフォロワーの獲得につなげましょう。

また、YouTubeなどの動画サービスはバックグラウンド再生が可能なため、映像を見ずに音楽だけ楽しむといった使い方も可能です。一方、TikTokではYouTubeのような「ながら見」ができないため、ユーザーが集中して動画を視聴してくれるという特徴があります。真剣に見て欲しいハイクオリティな動画を作成し、TikTokマーケティングに活かしましょう。

特徴4.短期間のアクセス増加が期待できる

TikTokの高い拡散力を活かすことで、短期間でのアクセス増加が期待できます。TikTokでは動画1本あたりの時間が短いので、ユーザーは短時間で多くの動画を視聴することが可能です。短い時間の中で、気に入った動画には「いいね」をクリックしたり、友だちに拡散させたりといったアクションをこまめに行うため、さらにアクセス増加が期待できます。

また、流行に敏感かつフットワークが軽い傾向にある点も、TikTokユーザーの特徴です。TikTokではハッシュタグチャレンジが盛り上がっていますが、半数以上のユーザーが実際に何らかのハッシュタグチャレンジに参加したことがあり、約3割のユーザーは動画で紹介されたゲームやアプリをダウンロードしたことがあるとも報告されています。

短期間でのアクセス増加を期待するなら、拡散力が高いTikTokを使って、レスポンス頻度の高いTikTokユーザーに働きかけることも検討してみましょう。

特徴5.動画単体で評価するアルゴリズムになっている

InstagramやTwitterなどの多くのSNSでは、フォロワー数の多さが投稿の評価基準の一つとなっているため、フォロワー数が少ない投稿は拡散されにくく、結果としてバズりにくくなっています。

一方、TikTokのアルゴリズムは動画単体で評価するため、フォロワー数が少なくてもコンテンツの内容さえよければ、多くのユーザーに拡散される可能性があります。実際にInstagramなどでは有名企業やインフルエンサーの再生回数が高くなる傾向にありますが、TikTokでは無名な個人や小規模企業などでもバズることが珍しくありません。

TikTokをマーケティングに活用すべき理由


SNSを使ったマーケティングを検討しているなら、TikTokマーケティングにも目を向けてみましょう。TikTokマーケティングでは次の効果を期待できます。

潜在顧客にアプローチすることができる 
広告が強制的ではないため嫌悪感が少ない
消費金額が高い傾向にある
細分化したターゲティング広告を配信できる
始めたばかりのアカウントでも成果につながりやすい

TikTokがマーケティングに適している理由について、詳しく見ていきましょう。

潜在顧客にアプローチすることができる

TikTokでは、今までの視聴履歴や「いいね」の傾向などから独自のアルゴリズムでユーザーにおすすめ動画を提供します。フォロワー以外にも積極的に動画をリコメンドするため、潜在顧客にアプローチすることも可能です。

どのようなユーザーが潜在顧客になるか分析してから動画を作成すると、希望するターゲットのおすすめ動画に提示される可能性も増えるでしょう。そのため、新規顧客の開拓にもTikTokを活用したマーケティングを利用できます。

広告が強制的ではないため嫌悪感が少ない

そもそもTikTokの動画は最長でも10分にしかならないため、ユーザーが「広告が長すぎる」「強制的に考えを押しつけられている」といった印象を持ちにくいという特徴があります。そのため、広告内に提示された商品やサービスに対しても嫌悪感を持ちにくく、好意的に受け取りやすくなるでしょう。

自社の商品やサービスに対して好印象を持ってもらうためにも、嫌悪感が少ない方法でマーケティングをすることが必要です。押しつけがましくならないように工夫し、動画を作成しましょう。

TikTokは動画が短いため、読み込みに時間がかかりにくいという特徴もあります。読み込みに時間がかかるとユーザーはストレスを感じるため、気軽に視聴しづらくなるでしょう。しかし、どの動画のデータ容量も少なく短時間で読み込めるので、ユーザーは次から次へとタップし、投稿した動画にアクセスする可能性も高まります。

また、動画が短いので、途中で離脱する割合も低くなります。情報が詰まった動画を最後まで見てもらうためにも、TikTokをマーケティングツールとして選択することができるでしょう。

消費金額が高い傾向にある

TikTokがユーザーに与えるインパクトが高いことは、ハッシュタグチャレンジに挑戦したユーザーが多いことからも示されています。また、動画内で紹介されたゲームやアプリの購入率の高さから、TikTokの動画は単にインパクトを与えているだけでなく、ユーザーのアクションにもつながっていることがわかるでしょう。

アプリ利用分析会社のdata.aiによれば、2022年1~3月だけでもTikTokのユーザーはアプリを使った約8.4億ドルもの消費をしたことが報告されています。これはすべてのゲームアプリの課金額を上回る金額で、TikTokユーザーの消費金額の高さが如実にわかる結果です。ユーザーを購入のアクションにつなげるためにも、TikTokをマーケティングツールとして活用しましょう。

細分化したターゲティング広告を配信できる

TikTokのレコメンド機能では、次の要素などから投稿を選び、ユーザーにおすすめ動画として提示します。

ユーザーが「いいね」や「シェア」、コメント投稿した動画の傾向
ユーザー自身が作成したコンテンツの内容
動画の内容
動画のハッシュタグ
ユーザーが利用しているデバイス、言語

そのため、ターゲットを絞って動画を作成すれば、特定の条件を満たすターゲットに広告を配信することも可能です。例えば、洋服の着こなし方を提案する動画を作成する場合、身長や性別、アイテムのスタイルなどによってターゲットに分けた複数の動画を作成し、ユーザーが「自分向けの商品だ」と感じられるようにすることができます。

また、TikTokは動画1本あたりの時間が短いため、細分化したターゲティング広告を複数作成しても作業が長引きにくい点も特徴です。ユーザーに動画を「自分ごと」として感じてもらうためにも、TikTokは利用しやすいツールといえます。

始めたばかりのアカウントでも成果につながりやすい

TikTokでは、動画の内容などによってレコメンドされるかどうかが決まるため、フォロワーが少ない始めたばかりのアカウントでも、大きく拡散され、成果を上げることが期待できます。

また、動画時間が短いため、知名度がなくてもユーザーが気軽に視聴してくれる傾向にある点も、始めたばかりのアカウントにとっては嬉しいメリットです。まずはTikTokでファンやフォロワーを増やし、その後、他のSNSやECサイトに誘導するといった使い方もできます。

TikTokマーケティングの注意点


マーケティングツールとしても優れているTikTokですが、利用する際にはいくつか注意するポイントがあります。特に次の2点には注意が必要です。

売り上げにつながらない場合がある
拡散力が高いためコンテンツ次第で炎上する可能性も

それぞれ具体的にどのように注意できるのか、解説します。

売り上げにつながらない場合がある

TikTokは拡散力が高く、また、TikTokのユーザーは他のSNSと比べても購買力が高いとされています。しかし、どんな商品やサービスでも売れるというわけではなく、思ったような結果が得られないこともあるでしょう。

また、いかにも広告とわかるような押しの強すぎる広告は、ユーザーが嫌悪感を抱く可能性があるため、露骨に広告とはわからないように工夫することが必要です。とはいえ、あまりにも広告感が薄まると、ユーザーのアクションにつながらないこともあります。動画を作成するときは、ユーザーに嫌悪感を与えず、なおかつ「購入したい」という気持ちを引き出すための加減が重要といえるでしょう。

拡散力が高いためコンテンツ次第で炎上する可能性も

TikTokは拡散力が高いため、一歩間違えるとネガティブな評価が広く拡散され、炎上を招くことがあります。動画を公開する前に、差別的な表現や不快感を抱かせる要素がないか内容を精査するようにしましょう。

また、TikTokでの炎上が他のSNSに広がることもあります。フォロワーやファン、顧客が離れる可能性もあるため、TikTokの動画は慎重に慎重を重ねてから公開することが必要です。

情報が間違っているときも、炎上するリスクが高いと考えられます。商品やサービスの価格はもちろんのこと、すべての情報が思い込みに基づいていないか、複数のスタッフで何度も吟味しましょう。

著作権侵害に当たらないかについてもチェックが必要です。例えば、楽曲やミュージックビデオなどを無断で使用すると著作権侵害に当たり、損害賠償を求められる可能性もあります。裁判に発展すると、企業の評判まで落ちることもあるので、投稿する前に厳しく確認しておきましょう。

TikTokマーケティングの手法


TikTokでは、さまざまなマーケティングの手法を活用できます。主な手法としては、次の4つが挙げられます。

TikTokアカウントの運用
TikTokキャンペーン
TikTokインフルエンサーマーケティング
TikTokプロモート

それぞれの手法について、具体的に見ていきましょう。

手法1.TikTokアカウントの運用

TikTokはプライベートでもビジネスでもアカウントを開設できますが、マーケティングに活かすならビジネスアカウントを解説しましょう。ビジネスアカウントでは、投稿動画の合計再生時間や視聴回数、視聴時間、視聴者の所在地などの分析ツールを利用できるので、動画内容などの見直しに活用できます。

また、すでに他のSNSで公式アカウントを開設している場合や自社ホームページ、ECサイトなどを保有している場合には、TikTokのアカウントに誘導することで、ユーザーに魅力を再発見してもらうことも可能です。

手法2.TikTokキャンペーン

TikTokでは多くの企業が次のようなさまざまなキャンペーンを実施しています。

ハッシュタグチャレンジキャンペーン
プレゼントキャンペーン
インフルエンサー連動型キャンペーン

いずれもユーザーからの認知度を高め、売り上げ向上に結びつける効果があります。例えば、プレゼントキャンペーンでは、フォローや「いいね」などのアクションを条件とすることができるでしょう。

手法3.TikTokインフルエンサーマーケティング

TikTokでは多くのインフルエンサーが活躍しているので、インフルエンサーを起用したマーケティングも検討できます。まずは自社の商品やサービスのターゲットがどのようなライフスタイルなのか分析し、興味があると思われるインフルエンサーを選定しましょう。

なお、インフルエンサーによっては、炎上型で再生回数を伸ばしている方もいます。アクセス数を増やすという点では効果がありますが、企業や商品にネガティブなイメージがついてしまう恐れがあり、長い目で見れば得策とはいえません。インフルエンサーはできるだけパブリックイメージの良い、炎上とは無縁の方を選ぶようにしましょう。

手法4.TikTokプロモート

TikTokでは再生回数やフォロワーを増やすために「プロモート機能」が提供されています。プロモート機能を活用すると、投稿した動画をおすすめ欄に表示したり、ターゲットを指定して投稿したりすることが可能です。

また、希望する閲覧数によってコストは変わるものの、低予算で広告を配信する機能もあります。利用する際には予算と配信期間を指定するため、無理のない広告活動ができる点もメリットです。

企業におすすめの「TikTokビジネスアカウント」


TikTokには、個人アカウントとビジネスアカウントの2つのアカウントの種類があります。ビジネスアカウントはその名のとおり、ビジネスに必要な機能を利用できるアカウントで、企業だけでなく個人事業主やビジネスをしない個人も開設することが可能です。

マーケティング目的でTikTokを利用するのであれば、ビジネスアカウントがおすすめですが、デメリットもあるので注意が必要です。ビジネスアカウントを開設するメリットとデメリットについて見ていきましょう。

TikTokビジネスアカウントのメリット

TikTokでビジネスアカウントを開設すると、次のメリットがあります。

カテゴリーを選択できる
プロフィール欄に外部リンクを貼ることができる
動画を分析できる
動画のトレンドがわかる
TikTokのノウハウについて勉強できる

ビジネスアカウントでは、カテゴリーを選択できます。選択したカテゴリーに興味を持つユーザーのおすすめ欄に動画が表示されるようになるので、よりターゲットを絞った宣伝が可能になるでしょう。

また、プロフィール欄に外部リンクを貼ることができるため、他のSNSの公式アカウントやECサイトなどに誘導することが可能です。動画を視聴して興味を持ってくれたユーザーを購入につなげやすくなるので、売り上げ増も期待できます。

ビジネスアカウントには動画分析機能があり、再生時間や再生回数、平均視聴時間などを数字で理解することができます。動画作成のヒントを得られるので、より魅力的かつ効果的な投稿を実現しやすくなるでしょう。

また、「動画ショーケース」では人気のコンテンツがピックアップされています。視聴することでTikTok動画のトレンドがわかるので、トレンドを捉えた動画作成を実現できます。

ビジネスアカウントの登録者は、TikTokオリジナルの「ビジネスコンテンツガイド」を読むことも可能です。TikTok公式による情報やアドバイスを参考にすれば、TikTokアカウントを最大限活用できるようになるでしょう。

TikTokビジネスアカウントのデメリット

ビジネスアカウントのデメリットとしては、商用ライセンスのない楽曲が使えないことが挙げられます。流行りの曲であっても商用ライセンスが付与されていない場合は動画に組み込めないので、トレンドを反映した投稿がしづらくなる恐れがあるでしょう。

とはいえ、TikTokで商用利用が許可されている曲は50万以上あり、選択肢が少ないわけではありません。丁寧に検索し、動画のイメージに合う効果的な曲を選びましょう。

TikTokマーケティングの戦略の立て方


TikTokマーケティングを実施するときは、丁寧に戦略を立てて実行することが必要です。次の手順で戦略を立てていきましょう。

step1.運用目的・ターゲット・コンセプトを設定する
step2.競合アカウントの調査と分析を行う
step3.目的から逆算した数値目標(KPI)を設定する

各ステップをわかりやすく解説します。

step1.運用目的・ターゲット・コンセプトを設定する

まずはTikTokで何をしたいのか、誰をターゲットとするのか、動画をどのようなコンセプトにするのかについて明確にします。自社で製造しているチョコレートの売り上げ向上を目指すのであれば、ターゲットを30代以上、高級なイメージを伝える動画というように詳しく設定します。

step2.競合アカウントの調査と分析を行う

目的やターゲット、コンセプトが類似するTikTokアカウントを選び、コンテンツの内容や再生回数などを調査します。多くの競合アカウントを調査・分析することで、投稿する内容や具体的な動画のイメージがつかみやすくなるでしょう。

step3.目的から逆算した数値目標(KPI)を設定する

運用目的は「売り上げ向上」といった漠然としたものでは、効果的にTikTokマーケティングを進めていけません。より詳細な数値目標(KGI)を設定しましょう。KGIには「売り上げ30%増加」「純利益3,000万円増」というように具体的な数字を設定します。

具体的なKGIを設定した後で、KGIから逆算した数値目標(KPI)を設定しましょう。KPIはKGIの達成のための目標値で、例えば、「再生回数10万回」「TikTokからECサイトへの流入数を3倍にする」などが挙げられます。KPIが決まるとTikTokの運用方針も定まり、より戦略的なマーケティングが可能になります。

企業のTikTokマーケティング成功事例

TikTokマーケティングを実施することで、売り上げ拡大などの目標を達成した企業も多数あります。例えば、ある製薬会社では、販売している健康飲料の広告にTikTokを用いることで顧客層を広げることに成功しました。

従来、顧客のほとんどが30代以上でしたが、TikTokマーケティングにより10代、20代の認知度が高まっています。また、便秘解消やダイエットにも使えるといった情報が若い女性を中心にバズり、気軽に買える健康飲料として売り上げ増を実現しました。

また、ある交通系の企業では、取締役や社員が全力で踊る動画をTikTokに投稿することで、採用希望者を増やすという目標を達成しました。TikTok内に企業説明の情報も加えたことで、採用コストが削減するという副次的効果も生み出しています。

女性向けの脱毛サロンでは、ハッシュタグをつけてTikTokで動画を投稿し、「いいね」を獲得した数に応じて割引が適用されるというキャンペーンを実施しました。このキャンペーンには8万人以上のユーザーが参加し、飛躍的な認知度向上を実現しています。

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