インスタグラムマーケティングとは?戦略的な運用方法や集成功事例と注意点

インスタグラムマーケティングとは、視覚的要素が強いSNSを上手く活用して、ターゲットにアプローチする手法です。SNSの利用率が高まっており、アカウントの開設をする企業も増えています。他のツールとの違いや注意点、インスタグラム運用のコツをご紹介します。

インスタグラム(Instagram)マーケティングとは?


インスタグラムマーケティングとは、これからの企業戦略において見逃せない存在になりつつあるマーケティング手法です。SNSは基本無料でアカウントを開設・運用できるため、マーケティングに効果的に活用できれば、コストをかけずに大きな利益を得られます。

SNSのなかでも、近年マーケティングと相性が良いとされているのが、画像や動画をメインにコンテンツを投稿するインスタグラムです。企業のマーケティングを考えるうえで知っておきたい、インスタグラムの概要やシェア率、ユーザ数を解説します。

インスタグラムとは

インスタグラムは、数あるSNSの中でもマーケティングに広く利用されているツールです。写真や画像に、コメントやハッシュタグを添えて投稿します。

テキストよりも画像や動画コンテンツがメインとなるため、視覚的なインパクトを与えたい場合に適してるSNSです。企業のブランドイメージにあった質の高いコンテンツを揃えれば、アカウントのページを訪れたユーザーにポジティブな印象を与えられるでしょう。

1万社以上の企業が、インスタグラムのアカウントを運用しているというデータも出ているほど、ビジネスにおいて欠かせないツールになりつつあります。現在も企業から高い注目を集めている状況は続いており、企業アカウントの数は増加傾向です。

シェア率とユーザー数

2019年3月時点での日本国内におけるインスタグラムのユーザー数は、3300万人を超えたと発表されています。主要SNSのなかで、LINE・Twitterとともに多くのユーザーを獲得しているのがインスタグラムです。

サービスを開始した2010年から少しずつ知名度を獲得し、2015年頃からは急激にユーザー数を増やしています。総務省情報通信政策研究所の2020年度データによると、インスタグラムのシェア率は全年齢層の42.3%を占め、この年初めて利用率がTwitterと並んでいます。

年々利用率が高まっている傾向があり、インスタグラムの注目度が伺える結果です。年代としては10~30代の若い層がメインターゲットで、男女問わずバランス良く広い層に利用されています。

参考:総務省情報通信政策研究所ー令和2年度情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査報告書

他のSNSと異なるインスタグラムの特徴4つ


TwitterやFacebookなど、インスタグラムの他にも日本では多くのSNSが親しまれています。ここからは、他のSNSと比べてインスタグラムならではの特徴を4つご紹介します。

特徴1.写真と動画に特化している
特徴2.拡散力が弱い
特徴3.ストック型のコンテンツなので見返しやすい
特徴4.Z世代・ミレニアル世代とは特に相性が良い

インスタグラムの特徴的な部分を知っておくことで、企業のマーケティング戦略に有効に活用できます。自社の戦略とインスタグラムの相性が良いかどうかを、チェックしてみてください。

特徴1.写真と動画に特化している

インスタグラムの特徴としてまず挙げられるのが、写真と動画に特化している点です。タイムラインでまず目に飛び込んでくるのが、写真や動画などの視覚的なコンテンツで、テキストは詳細をクリックして確認します。

数多くの投稿を一気にチェックする際には、スクロールして目で情報を精査します。写真や動画に惹きつけられることがきっかけで投稿の内容が気になり、詳細をチェックするユーザーが多いでしょう。

つまり、魅力的な写真や動画でなければ、テキストまでじっくりと見てもらえない可能性があります。画像や動画の掲載が必須ではなく、テキストだけでも投稿可能なTwitterやFacebookとは違い、インスタグラムではまず視覚的なコンテンツを選択してからテキストの編集をする流れです。

インスタグラムは、ビジュアルに特化したツールとして既存のSNSと差別化されています。

特徴2.拡散力が弱い

インスタグラムの拡散力は、あまり強くはありません。拡散力の強いTwitterのように、ボタン1つで他人の投稿をリツイートして拡散する機能が備わっていないためです。

インスタグラムで他のユーザーと情報をシェアする際には、主にハッシュタグが用いられます。ハッシュタグを付けることで、指定のキーワードで検索ができるようになるなど、情報の共有に役立ちます。

実際にハッシュタグでお店選びをしたり、商品レビューを確認したりと利便性の高い機能です。しかし、ハッシュタグはあくまで情報共有の手段であって、フォロワーに向けて一気に情報を拡散できるリツイートほどの拡散力はありません。

特徴3.ストック型のコンテンツなので見返しやすい

インスタグラムの投稿履歴は、アカウントページの一覧で確認できます。これまでのコンテンツがズラッとストックされているため、見返したいコンテンツを見つけやすい構造だといえるでしょう。

コンテンツが綺麗に整理できるのも、インスタグラムが画像や動画をメインにしているSNSである点に関係しています。コンテンツをクリックするまでは、投稿のテキスト部分は表示されないため、まるでカタログやギャラリーのように画像コンテンツを並べられるのです。

企業がアカウントを運営する場合は、コンテンツの雰囲気を統一したり、インパクトのある見出しを設定したりすることで、企業のカラーを伝えられます。インスタグラムの特徴を上手く活かして、自社ならではのコンテンツを揃えるようにしましょう。

特徴4.Z世代・ミレニアル世代とは特に相性が良い

インスタグラムは、特にZ世代・ミレニアル世代との相性が良いツールです。ユーザー層の割合データでは、10~30代の利用率が高くなっています。

若い世代では、主要なコミュニケーションツールとして利用されているのがインスタグラムです。電話番号やLINEの連絡先を交換するよりも先に、インスタグラムのDMを使った気軽なコミュニケーションが交わされます。

普段から身近なコミュニケーション手段であるインスタグラムは、Z世代・ミレニアル世代にとっては手放せないツールだといえるでしょう。ターゲット層がマッチする場合は、マーケティング戦略として積極的にインスタグラムを利用するのがおすすめです。

インスタグラムをマーケティングに活用すべき理由


独特なスタイルで人気を獲得しているインスタグラム、企業マーケティング有効な理由は次の4つです。

ビジュアルで訴求できる
「ハッシュタグ検索」をする若者が急増している
興味付けから購買までの工程がスムーズ
細分化したターゲティング広告を配信できる

SNSは無料で利用できるからこそ、参入するハードルは高くありません。しかし、インスタグラムを活用する意味を知り、目的を持って活用しないと、なかなか思ったような成果は出せないでしょう。

注目が高まっているインスタグラムマーケティングのメリットを確認してみてください。

ビジュアルで訴求できる

インスタグラムマーケティングの魅力は、なんといってもビジュアルを用いた訴求力の高さです。画像や動画が投稿のメインとなるため、企業のブランドイメージやコンセプトを前面に押し出すことができます。

一般的なオンライン広告などでは、まずはテキスト形式のキャッチコピーで顧客を惹きつけなければならないケースが多いです。その場合、クリックをしてもらえるまでのハードルも高く、肝心の商品ビジュアルはお披露目できずに終わってしまう可能性が高いでしょう。

しかし、インスタグラムマーケティングであれば、まずはビジュアルからアピールできます。パッケージやデザインイメージにこだわっている商品であれば、文字で多くを説明するよりもまずは目で見てもらう機会を得るほうが有利です。

インスタグラムには、多くのバラエティーに富んだコンテンツが存在しています。商材のイメージ写真をただ投稿するだけでは、他のコンテンツに埋もれてしまうでしょう。

ビジュアル要素が強いSNSだからこそ、視覚的なインパクトを与えられる画像や写真を用意する必要があります。

「ハッシュタグ検索」をする若者が急増している

インスタグラム内で情報を検索する際に利用できるのが、ハッシュタグです。現在では多くの若者たちが、調べものをする際に検索エンジンではなく、インスタグラムを利用しているともいわれています。

インスタグラムは若者たちにとって、重要なコミュニケーション手段であると同時に、情報収集のツールでもあるのです。日常的に気軽に情報を発信できる場であるからこそ、美容や食、旅行、お得情報などさまざまな情報が集まります。

インスタグラムで友人や芸能人の投稿をチェックする合間に、気になることがあればすぐにハッシュタグで情報収集を済ませられるのがメリットです。インスタグラムが情報収集のツールとして利用される背景には、インフルエンサーの存在も挙げられます。

影響力の強い彼ら彼女らが発信する情報から、最新のトレンドをチェックする人々が多いため、実際に企業の依頼で商品を宣伝するインフルエンサーマーケティングも増加傾向にあります。情報に敏感な若者に効果的にアピールする場として、インスタグラムの存在は無視できません。

興味付けから購買までの工程がスムーズ

インスタグラムでは、興味を持ってくれたユーザーを自社のサイトや販売ページに誘導する動線が確保されています。具体例は、投稿にECサイトのリンクをつなげられる「ショッピング機能」やプロフィールページから他のサイトに移動できる「アクションボタン」です。

ショッピング機能は2018年に導入された比較的新しい機能で、投稿コンテンツにECサイトの住所をタグできます。これまでプロフィールからしかリンク先のサイトに移動できなかったため、ユーザーにとっては再検索の手間がかかっていた点を解消しました。

アクションボタンは主に飲食店やサロン、美容室のアカウントに多く用いられる機能で、アカウントのプロフィールページに表示可能です。ボタンの種類は「料理を注文」「予約する」「席を予約する」の3つで、投稿を見て店舗情報を確認しに来たユーザーをスムーズに次のアクションへ誘導できます。

インスタグラム自体がビジネスにも活用しやすい機能のアップデートを続けているため、企業のマーケティングに活かさない手はないでしょう。

細分化したターゲティング広告を配信できる

インスタグラムを使えば、ターゲット層にピンポイントでアピールできるのがメリットです。ユーザーの趣味や関心・年齢・性別・職種・アクションを起こした投稿などの情報を利用して、他のオンライン広告よりも詳細なターゲティングが可能です。

例えば、美容系インフルエンサーの投稿に頻繁にリアクションをしているユーザーは、美容に関心が高いことが伺えます。自社商品がヘアケア用品や化粧品などであれば、インスタグラムで活動的に情報を集めているユーザーに対して広告を出すとよいでしょう。

インスタグラムはリアルタイムで情報が蓄積されているため、今のトレンドを逃さずマーケティング施策を打ち出せます。特にターゲット層がユーザー数の多い10~30代である場合は、インスタグラム広告が有効です。

インスタグラムマーケティングの注意点3つ


メリットが大きいインスタグラムマーケティングですが、以下の点には注意する必要があります。

注意点1.すぐに効果が出るものと思わないこと
注意点2.必ず前もって更新スケジュールを設定しておくこと
注意点3.コミュニケーションの基準を決めておくこと

インスタグラムマーケティングは誰でも挑戦できますが、必ずしも簡単に成功できるものであはありません。本格的に始める前に、気を付けたいポイントを知っておきましょう。

注意点1.すぐに効果が出るものと思わないこと

インスタグラムのアカウントを開設し、いくつかのコンテンツを投稿すれば、すぐに宣伝効果が出ると考えるのは危険です。すでにインスタグラム上には、数え切れないほどのコンテンツが存在しています。

そのなかで自社のアカウント、及びコンテンツに注目してもらうには、計画的な戦略と分析が必須です。ターゲット層がチェックするであろうハッシュタグの種類や、投稿するタイミングなども忘れずにチェックしましょう。

インスタグラムは、他のSNSと比べて拡散力が高くないため、爆発的な知名度アップが望めません。投稿内容をTwitterやFacebookで紹介するなど、少しでも多くの人に見てもらえる機会を作るのもおすすめです。

なによりもインスタグラムマーケティングではコンテンツにこだわり、継続的に投稿を続ける姿勢が欠かせません。成果が出るまではじっくりと分析・研究し、多くの人に見てもらえるアカウントに育てましょう。

注意点2.必ず前もって更新スケジュールを設定しておくこと

インスタグラムマーケティングでは、計画性をもって予約投稿を設定しておくのをおすすめします。タイムラインに流れるコンテンツは、時間の経過とともに流れて行ってしまうため、ターゲット層がチェックするであろうタイミングでの投稿が有効です。

しかし、夕方19時と夜22時の1日2回投稿を実施する場合、業務時間の関係でリアルタイム更新をするのは難しいケースが多いでしょう。そこで人為的なミスや業務負担の削減を実現できるのが、インスタグラムの予約投稿機能です。

コンテンツは日中の業務時間内に仕上げて、誤字脱字がないかもチェックしておきます。担当者が帰宅する前に予約投稿を済ませておけば、狙った時間ピッタリにコンテンツを投稿できる仕組みです。

商品の特徴やターゲット層に合わせて、短期・長期的な更新スケジュールを立てておきましょう。

注意点3.コミュニケーションの基準を決めておくこと

SNSは便利である反面、使い方を間違えると会社のイメージが下がってしまう炎上を引き起こしかねません。インスタグラムマーケティングを実施する際には、事前にユーザーとのコミュニケーション方法について検討しておきましょう。

インスタグラムで他ユーザーに対して起こせるアクションは「フォロー」「いいね」「コメント」「DM」の4つです。気取らず身近な存在としてアカウントを運営する場合は、他のユーザーにコメントをしたり、フォローをしたりと積極的にコミュニケーションを取るのも手です。

ただし、企業としてアカウントを運営しているという意識を忘れてはいけません。ユーザーに対する言葉遣い1つでも、後々大きな問題となってしまうリスクがある点は認識しておきましょう。

アカウントの方向性も加味しながら、コミュニケーション基準を定めてみてください。

Instagramと相性が良いビジネス・悪いビジネス

 

インスタグラムマーケティングと相性が良いビジネス・悪いビジネスの特徴をまとめました。

【相性が良いビジネス】

女性向けの商品を取り扱っている
若年層がターゲット
ECサイトを運営している
アパレルや美容、食など視覚的要素が強い商材がメイン

【相性が悪いビジネス】

BtoB商材
写真・動画では魅力が伝わらない商材
ターゲット層がスマホの所持率が低い高齢者層

インスタグラムマーケティングと相性が良いのは、やはりユーザー層が多い若者世代をターゲットとした商材を扱っているビジネスです。視覚的に訴えかけられる商材であれば、インスタグラムを通じた販売促進に向いています。

反対にインスタグラムは、ビジュアル的なアピール力が弱い商材や、高齢者層向けの商品の場合にはあまり適しません。自社のマーケティング施策としてインスタグラムがマッチしているかを、今一度確認してみましょう。

インスタグラムマーケティングの手法

 

インスタグラムマーケティングの具体的な手法としては、次の4つが挙げられます。

アカウントの運用
インスタグラム広告の出稿
インスタグラムキャンペーン
インフルエンサーマーケティング

インスタグラムマーケティングにおけるアカウントの運用方法は、一般の個人が利用する場合とは異なります。ただアカウントを開設するだけではない、インスタグラムマーケティングの効果的な方法とそれぞれの特徴をご紹介します。

アカウントの運用

インスタグラムマーケティングの基盤となるのが、企業アカウントの開設と運用です。アカウントの開設は無料で、個人ではなく企業としてビジネスプロフィールを登録すれば、ショッピング機能やアクションボタンなどの付加機能が利用できます。

アカウントを開設したら、設定したターゲットやコンセプトに合わせて、コンテンツを投稿していきます。インスタグラムでは定期的な更新が重要であるため、投稿スケジュールに合わせてある程度事前にコンテンツの準備を進めておく必要があるでしょう。

フォロワーを増やすには、継続してユーザーが求める情報・気になる情報を届けなければなりません。画像や動画のビジュアル面はもちろん、コンテンツの内容にもこだわって投稿するように心掛けます。

また、多くのユーザーが利用するストリーズやライブ機能も、必要に応じて活用してみてください。

インスタグラム広告の出稿

ある程度アカウントを育てられた段階で、より積極的にターゲットに自社商品をアピールでする方法として、インスタグラム広告の出稿があります。インスタグラムのデータを利用して、自社ブランドに興味を持ってくれるであろうユーザーに訴求が可能です。

インスタグラム広告をチェックする際にも、ユーザーは一度企業アカウントを訪れて、どんなブランドかを確認するケースが多いでしょう。投稿数の少ない、全く手付かずのアカウントでは、ユーザーに企業としてマイナスイメージを抱かれかねません。

インスタグラム運用の基礎が固まった段階で、広告を出すようにするとよいでしょう。

インスタグラムキャンペーン

アカウントの認知度が上がり、フォロワーが増えてきたタイミングで有効なのが、インスタグラムキャンペーンです。特定のハッシュタグを付けてもらうのを参加条件に、プレゼントの抽選に参加できるキャンペーンなどがあります。

フォロワー数や関連ハッシュタグ数を増やすためには効果的ですが、あまりにもキャンペーンばかりを打ち出しすぎると、ブランドのイメージが下がってしまったり、キャンペーン目的のユーザーしか集まらなかったりします。

実施の頻度や内容は十分に検討をし、集客したいユーザー層に合った内容に仕上がっているかを確認しましょう。また、インスタグラムを使った金銭的なプレゼントはガイドラインで禁止されています。

キャンペーンを行う際は、ルールに則ったものであるか、必ずチェックしてみてください。詳しくは、インスタグラムのコミュニティガイドラインに記載があります。

参照:コミュニティガイドライン

インフルエンサーマーケティング

SNSにおいて、世間に与える影響が大きいとされている人々をインフルエンサーと呼びます。インフルエンサーと手を組み行うマーケティングが、インフルエンサーマーケティングです。

インフルエンサーマーケティングでは、それぞれのジャンルに特化したインフルエンサーに商品を宣伝してもらうことで、関連分野に高い関心を持っているユーザーにアピールできます。「あの人が紹介していた商品だから」という理由で、一般的な広告よりも信頼を寄せてもらえる可能性が高いのがメリットです。

多くのフォロワー数を獲得しているインフルエンサーを起用すれば、一気に数十万、数百万人のユーザーに情報を届けられます。ただし、以前は可能であったステルスマーケティングは現在禁止されています。

宣伝だという点を明らかにして投稿が作成されていないと、ペナルティを負う結果となるため注意しましょう。

インスタグラムマーケティングの運用手順5step


魅力的なインスタグラムマーケティングを始める前に、基本的な5つの運用手順を確認しておきましょう。

step1.運用目的・ターゲット・コンセプトを設定する
step2.競合アカウントの調査と分析を行う
step3.目的から逆算した数値目標(KPI)を設定する
step4.効果的なハッシュタグを選定しテンプレート化する
step5.バズりはじめたらコンテンツの方向性を統一する

これらの手順をしっかりと踏んでおくことで、最終的にインスタグラムマーケティングの成果を上げられます。アカウントを開設する前に、5つのポイントを確認してみてください。

step1.運用目的・ターゲット・コンセプトを設定する

インスタグラムマーケティングでまず行うべきなのが、運用目的・ターゲット・コンセプトの設定です。なんとなくで始めてしまうと、方向性が定まらず狙ったユーザー層に情報を届けられないため、必ず初期段階で検討するようにしましょう。

インスタグラムの運用目的は、ECサイトへの誘導や知名度の向上、ブランドイメージの強化、顧客との交流など多岐に渡ります。自社のマーケティング戦略に合わせて、できるだけ具体的に目的設定をするのがポイントです。

次に自社アカウント全般のコンセプトやターゲット層を設定します。インスタグラムマーケティングにおけるターゲットは、商品自体のターゲットよりも具体的に設定することも可能です。

例えば、20~50代を対象とする商品であれば、インスタグラムではユーザー層の厚い20~30代をメインとしたコンセプトで投稿するのも手です。発信するメディアならではの特徴を活かして、ターゲットやコンセプトを決めましょう。

step2.競合アカウントの調査と分析を行う

インスタグラムマーケティングを効果的に行うために、競合アカウントの調査と分析が有効です。似たようなターゲットやコンセプトを掲げている企業のアカウントであれば、どのようなコンテンツの反応が良いか、更新頻度はどれくらいかを確認できます。

参考にした競合アカウントと全く同じ路線をたどる必要はなく、調査結果をもとに差別化できるポイントを探しましょう。結局はそのブランド独自の良さが無ければ、なかなかファンは付いてくれません。

調査と分析を基に、自社アカウントの方向性を定めるようにしましょう。

step3.目的から逆算した数値目標(KPI)を設定する

ステップ2までを実践すると、どんなターゲットを対象にどんな目的を達成したいかが明確になります。次のステップでは、目的達成のために、業務パフォーマンスを計測するKPI(Key Performance Indicator)を設定しましょう。

インスタグラムマーケティングが成功しているアカウントは、フォロワー数が多い、投稿へのエンゲージメントが高い、ECサイトへの流入数が多い、などの特徴があります。具体的なこれらの数値をKPIとして設定することで、定期的に達成度を確認しながらアカウントの運営が可能です。

インスタグラムマーケティングでKPIの基準としやすい要素としては、フォロワー数・いいね数・エンゲージメント数・ハッシュタグ投稿・コメント数・リーチ数・投稿の保存数などが挙げられます。

目的を達成するために必要なセッション数やフォロワー数などの各要素を細分化して、KPIを算出してみましょう。

step4.効果的なハッシュタグを選定しテンプレート化する

インスタグラムの投稿に、今やハッシュタグは必要不可欠です。ハッシュタグを効果的に活用できれば、狙ったターゲットに情報を届けられます。

飲食店の場合は、店名やメニュー名はもちろん、料理のジャンルやお店の雰囲気、最寄り駅、利用用途(宴会など)などのハッシュタグが使えるでしょう。投稿の度いちいちハッシュタグの文言を打ち込んでいるのでは、時間がかかってしまいます。

投稿数の多い関連ハッシュタグや、ターゲット層がよくチェックしているハッシュタグを調査し、事前にテンプレートを作っておきましょう。投稿作成の際にコピーして貼り付けるだけの状態にしておけば、時間を浪費しなくて済みます。

step5.バズりはじめたらコンテンツの方向性を統一する

ある程度アカウントの知名度が上がってきたら、コンテンツの方向性を統一するようにしましょう。手ごたえが掴めるまでは、色々な方法を試してユーザーの反応を確認するのも手です。

しかし、あまりにも統一性がないままアカウントの運用を続けていると、せっかく興味を持ってくれたユーザーが、フォローする意味を感じられず離れてしまうかもしれません。また、コンテンツの方向性を統一することで、プロフィールページの完成度を上げる効果も期待できます。

雑誌のように洗練されたイメージを使った投稿を続けていれば、プロフィールページは一面クオリティーの高いイメージで埋め尽くされます。ユーザーに一目で企業のブランドイメージを印象付けるためにも、コンテンツの統一は有効です。

インスタグラムマーケティング集客を成功させるコツ

インスタグラムマーケティングで集客を成功させるには、次の2つのコツを実践する必要があります。

トレンドを意識したコンテンツ作りをしよう
ビジネスアカウントの機能を駆使して効率的に運用しよう

インスタグラムマーケティングには、計画的なアカウント運用が欠かせません。コンテンツの質を高め、利用できる機能は積極的に活用するようにしましょう。

トレンドを意識したコンテンツ作りをしよう

インスタグラムでの集客に有効なのは、トレンド感のあるコンテンツです。旬の情報を正しく取り入れてコンテンツに反映させることで、多くのユーザーが注目してくれる可能性が高まります。

若年層の利用率が高く、目まぐるしくトレンドが入れ替わるのがインスタグラムの特徴です。一度反応が良かったコンテンツを、いつまでも使いまわすのはおすすめできません。

情報に敏感なユーザーに合わせて、その時のトレンドにマッチしたコンテンツに仕上げるようにしましょう。

ビジネスアカウントの機能を駆使して効率的に運用しよう

企業のインスタグラムマーケティングで忘れてはいけないのが、ビジネスアカウント専用機能の活用です。インスタグラム上のプロフィールには3種類あり、個人・ビジネス・クリエイターに分けられます。

企業としてアカウントを開設する際には「ビジネス」を選択することで、個人ユーザーでは利用できない、連絡先の登録機能やインサイト機能、広告出稿機能が使えるようになります。

インサイト機能とは、投稿やアカウントを訪問したユーザーの数やアクションを確認できる便利な機能です。広告の出稿以外は無料で利用可能であるため、必ずプロフィールの種類をビジネスで登録しましょう。

インスタグラムマーケティングのうまい活用事例|個人

インスタグラムの上手な活用方法を学ぶには、個人クリエイターのアカウントを参考にするのもおすすめです。女性向けのコスメやアクセサリーを紹介する洗練されたコンテンツが目を惹く、白水桃花さんのアカウント(@nemuiasaa)をご紹介します。

白水桃花さんのアカウントでは、シンプルで美しい写真が並び、ターゲット層となる女性像がはっきりしているのがわかります。反対に投稿文は親しみを感じやすい文体でまとめられており、商品紹介も簡潔で知りたいポイントが良くまとめられているのが特徴的です。

ターゲット設定明確にし、求められているニーズを満たすことの大切さが感じられるアカウントだといえるでしょう。

インスタグラムマーケティングのうまい活用事例|企業

趣味や特技を共有する場としても親しまれているインスタグラムと相性が良いのが、ユーザー参加型のキャンペーンです。IKEA(@ikeajapan)は、楽しく参加して他のユーザーとも交流したいという感情を上手く利用して、キャンペーンを成功させています。

IKEAでは「#バルコニスト」のハッシュタグを付けた自宅のバルコニーの投稿を募集し、ベスト・バルコニストを選ぶイベントを開催しました。バルコニーはDIY好きやインテリアが趣味な人々にとっては、こだわりの空間です。

せっかくこだわったバルコニーを披露したいというニーズもあり、多くのユーザーが参加し賑わうイベントとなりました。自宅のバルコニーの改装を控えている人々にとっても、興味深い投稿が多かったことでしょう。

受け身ではなく実際にユーザーを動かせる参加型のキャンペーンは、企業ブランドに関心を持ってもらえるきっかけとして有効です。

インスタグラムマーケティングにおすすめの本

インスタグラムマーケティングは、実際に自社アカウントを運用しながら少しずつ習得していくのが一般的です。しかし、その分自社に合う方法がなかなか見つからなかったり、方向修正に手間がかかってしまったりするリスクがあります。

そんな状況に備えて、事前にインスタグラムマーケティングを学べる本を参考にしてみましょう。詳しくマーケティングの基礎を学べる書籍を3冊ご紹介します。

効果が上がる!現場で役立つ実践的Instagramマーケティング(株式会社グローバルリンクジャパン・清水将之)
Instagram集客・販促ガイド ビジュアルで“買いたい"をつくる!(金本かすみ)
いちばんやさしいInstagramマーケティングの教本(甲斐優理子)

インスタグラムマーケティングは、これといった正解があるものではありません。ターゲットやコンセプト、ブランドの色、参入するタイミングによっても、適切な戦略が異なるからです。

少しでも早くインスタグラムマーケティングで安定的な成果を出せるように、多角的な視点で情報収集をしてみてください。

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