Shopifyと楽天を連携するメリットは?注意点や連携手順を解説

Shopifyはさまざまな販売チャネルと連携できるECサイトサービスです。巨大ショッピングモールの楽天市場と連携することで、どのような効果が生まれるのかまとめました。具体的な連携手順や費用、効果アップのためのヒントも紹介するので、ぜひ参考にしてください。

Shopifyと楽天市場を連携することで効率的に集客できる

カナダで誕生したECサイトの構築プラットフォーム「Shopify」は、さまざまな販売チャネルと連携できる点が魅力の1つです。日本最大級のインターネットショッピングモールの「楽天市場」と連携すれば、ECサイトの集客力をさらに高め、販路拡大も見込めるでしょう。

連携後は、楽天市場に出品している商品の管理や受注処理を、Shopifyの管理ページでまとめて行うことが可能です。つまり、Shopifyと楽天市場を連携すると、手間は増やさずに売れやすさだけを高めることができるのです。

Shopifyのメリット・デメリット


Shopifyと楽天市場を連携する前に、それぞれのメリットやデメリットを知っておくことは有用です。まずはShopifyのメリットについて見ていきましょう。主なメリットとしては、次のものが挙げられます。

〇独立型ECショップのためブランディングしやすい
〇モール内で比較されることがなく、高額商品・サービスを販売しやすい

Shopifyは、インターネットショッピングモールではなく、独立したECショップを構築するサービスです。そのため、独立したブランドとして確立すれば、固定客がつきやすくなります。

また、インターネットショッピングモールに出店する場合、モール内検索機能が適用されるため、少しでも価格が高いと競争力がなくなってしまいます。しかしShopifyは独立したECショップなので、高めの価格でも売れにくくなることはありません。ブランディング次第で、高額商品・高額サービスも販売できます。

メリットが多い一方で、デメリットもあります。主なデメリットは次の通りです。

〇すぐに集客できるとは限らない
〇宣伝をすべて自分自身で行わなくてはいけない

インターネットショッピングモールは価格競争が激しくなるというデメリットがあります。その反面、集客力が高く、店名やブランドなどがあまり認識されていない時点でも、インターネットショッピングモール内の検索機能などでユーザーから見つけてもらいやすいでしょう。Shopifyはモール内のECショップではないため、認知度が低い状態ではユーザーが見つけにくく、すぐには売れない可能性があります。

また、モール内のECショップであれば、モールで実施しているイベントなどに参加することで宣伝効果を得ることも可能です。しかし、Shopifyでは特定のイベントを実施していないため、自分自身で宣伝やキャンペーンを行わなくてはいけません。

楽天市場のメリット・デメリット

楽天市場に出店することで、次のメリットが得られます。

〇出店直後でも高い集客力を期待できる
〇ユーザーの信頼を得やすい

楽天市場に出店すると、ショップ名が認知されていない段階でも、商品検索などからユーザーが流入します。人気のある商品を手頃な値段で販売すれば、出店直後でも集客には困らないでしょう。

独立したECショップの場合、ショップ名や取り扱いブランドの知名度が低いときには、ユーザーからの信頼が得にくく、販売につながりにくいというデメリットがあります。しかし、楽天市場に出店すれば、ショップ名ではなく商品単体でユーザーから見てもらえるので、価格や送料、決済方法などにユーザーにとってのメリットがあれば購入してもらえます。

また、「有名な楽天市場のショップ」とユーザーから認識してもらえるため、実績がなくてもユーザーからの信頼を得やすい点もメリットです。メリットが多い一方で、デメリットもあります。

〇競合店が多い

楽天市場は巨大インターネットショッピングモールです。出店すれば、楽天市場の知名度を活用して短期間で販売につなげることができます。しかし、出店している店舗も多く、価格競争が激しくなる点に注意が必要です。また、送料無料や返品手数料無料などのサービスを実施している競合店もあり、同じようなサービスで対抗する場合には利益率が下がる可能性もあります。

Shopifyと楽天市場を連携させることで生まれるメリット

独立したECショップのShopifyと、インターネットショッピングモールの楽天市場を連携させることで、次のようなメリットを得られます。

〇在庫情報や受注情報を一元​​管理できる
〇より多くの顧客にリーチできる
〇Shopifyと楽天市場の相乗効果が期待できる
〇Shopifyと楽天市場のオンラインショップが同時に開設できる

それぞれのメリットについて見ていきましょう。

在庫情報や受注情報を一元​​管理できる

ECサイト管理の手間を簡略化できるのも連携の魅力です。通常であれば、2つのECサイトを運営すると管理の手間も2倍になります。しかし、Shopifyの管理ページだけで独立したECサイトも楽天市場の店舗も管理でき、手間が増えません。

2店舗以上を運営するとき、特に注意したいのが在庫情報です。店舗間で在庫状況を共有していないと、ユーザーが知らずに注文してしまい、長期間入荷待ちすることにもなりかねません。Shopifyであれば在庫情報や受注情報も一元管理できるので、重複受注を防ぎ、ユーザーからの信頼獲得にも役立ちます。

より多くの顧客にリーチできる

巨大インターネットショッピングモールの楽天市場に出店することで、自社のECサイトだけでは出会えないような幅広いユーザーにアプローチできます。楽天市場で獲得したユーザーが品揃えや取り扱いブランドに興味を持つなら、Shopifyで構築しているECサイトにも来店するようになるかもしれません。

また、反対に自社ECサイトで獲得した顧客が、キャンペーンの適用を受けるために楽天市場経由で購入するケースも想定されるでしょう。購入店舗を自由に選択できるようになるため、ユーザーの利便性がより高まることも期待できます。

Shopifyと楽天市場の相乗効果が期待できる

楽天市場では販売や広告に関するさまざまなルールが定められています。多くの店舗やユーザーが快適に利用するためには必要な決まりばかりですが、オリジナリティを出したいときには少し邪魔になることがあるかもしれません。

しかし、独立したECサイトであれば、より自由な販売が可能です。オリジナリティを出したいときはECサイトで、販促キャンペーンなどを活用したいときは楽天市場の店舗でと、ケースバイケースで使い分けられるのも連携の魅力です。

ユーザーにとっても同様です。他にはない商品やサービスを探したいときはECサイト、とにかく低価格で購入したいときは楽天市場の店舗などのように、購入する店舗を使い分けることができます。Shopifyと楽天市場の両方の良い面が合わさり、相乗効果が期待できるでしょう。

Shopifyと楽天市場のオンラインショップが同時に開設できる

すでにShopifyでECサイトを開設している方だけが、楽天市場との連携を実施できるのではありません。ShopifyのECサイトと楽天市場の店舗の両方を、同時に開設することも可能です。

また、同時に開設することで、ユーザーの信頼を獲得しやすくなります。例えば、楽天市場で興味を持ったユーザーが店舗名でGoogle検索などをした場合、独立したECサイトを見つけて、「自社サイトもある!信頼できる」と感じてくれるかもしれません。

反対に、独立したECサイトを先に見つけ、取り扱っている商品などに興味を持つユーザーもいるでしょう。後日、楽天市場でも同じショップ名で販売していることを知るなら、「幅広く販売を手掛けている!信頼できる」と感じる可能性があります。

Shopifyと楽天市場を連携させる前に必ず確認すべき注意点

Shopifyと楽天市場を連携するときは、次の点に注意が必要です。

〇楽天出店審査に合格する必要がある
〇連携出来るのは1アカウントにつき1つのECサイトのみ
〇受注・在庫管理ができるのは連携後に作成された商品のみ
〇楽天市場側からShopify側への商品情報のコピーができない
〇楽天市場への出店や既存アカウントとの統合は別途手数料が必要

それぞれ簡単に解説します。

楽天出店審査に合格する必要がある

楽天市場に出店するには、さまざまなポイントをクリアし、審査に合格する必要があります。また、審査の際には、商品の写真や登記簿謄本、営業許可証、資格証なども提出しなくてはいけません。

連携出来るのは1アカウントにつき1つのECサイトのみ

Shopifyは複数の販売チャネルと連携できますが、特定の販売チャネルについては1つの店舗のみとなっています。そのため、楽天市場で複数の店舗を展開している場合も、1店舗しか連携できません。

受注・在庫管理ができるのは連携後に作成された商品のみ

楽天市場で先に出店した場合、取り扱っている商品の受注や在庫管理はShopifyではできません。Shopifyと連携した後で登録した商品のみ連携される点に注意が必要です。

楽天市場側からShopify側への商品情報のコピーができない

楽天市場側からShopify側へ商品情報をコピーすることはできません。反対に、Shopifyで取り扱っている商品に関しては、連携前の商品も簡単な作業で楽天市場で販売できます。どちらか先に開店するのであれば、Shopifyの開店を優先するほうが良いでしょう。

楽天市場への出店や既存アカウントとの統合は別途手数料が必要

Shopifyと楽天市場の連携には手数料はかかりません。しかし、楽天市場に出店するときは、1年ごとの固定費用と売上につき発生する費用を負担する必要があります。

また、楽天市場で商品を一括編集するときは、「RMS商品一括編集機能」のオプション費用も必要です。商品を連携して効率的に販売する場合は、加入を検討しましょう。

Shopifyと楽天市場を連携する際にかかる費用

ShopifyのECサイトと楽天市場の店舗の連携は無料でできますが、連携後、運営するためには、以下の費用がかかります。

〇Shopifyの月額利用料
〇楽天市場の出店料金
〇楽天市場のオプション料金

Shopifyの月額利用料はもっとも安価なプランで1ドル程度ですが、楽天市場の出店料金はもっとも手頃な「がんばれ!プラン」でも月額19,500円(税抜)かかります。また、それとは別に初期登録費用が60,000円(税抜)、オプション料金なども必要です。事前にシミュレーションしておきましょう。

楽天市場|月額費用シミュレーション

Shopifyと楽天市場の連携手順

Shopifyと楽天市場の連携手順を紹介します。どちらを先に出店しているかによって、手順が異なります。

既に楽天市場に出店している場合

楽天市場出店中の方がShopifyでECサイトを開設する場合は、以下の手順で連携します。

1. 楽天市場と同じメールアドレスでShopifyに登録する
2. Shopifyの管理画面から「オンラインストア」を確認する
3. 楽天市場の横の「+」をタップする
4. 楽天での出店情報を登録する
5. RMSアカウントの「設定変更」を開く
6. 「RMS Service Square」からShopifyを選び、「登録」をタップする

楽天市場の新規出店から始める場合

楽天市場への出店から始める場合は、以下の手順で行います。

1. Shopifyの管理画面から「オンラインストア」を確認する
2. 楽天市場の横の「+」をタップする
3. 出店を申し込む

楽天市場の審査通過後、Shopifyの登録と連携を完了します。

Shopifyと楽天市場の連携効果をアップさせる施策

Shopifyと楽天市場の連携効果を高めるために、次の方法を実施してみましょう。

〇同じ商品でもアピールの方法を変える
〇プラットフォームの特性を理解した上で主力商品を決める

それぞれの方法を説明します。

同じ商品でもアピールの方法を変える
楽天市場は安さに注目することで、アピールしやすくなります。また、楽天市場の独自キャンペーンとも連携し、お得に買えることを訴求しましょう。一方、Shopifyでは独自性に注目することが必要です。オリジナリティの高さや高級感などもアピールしましょう。

プラットフォームの特性を理解した上で主力商品を決める
楽天市場ではモール全体の検索ができるため、価格競争力のある商品を主力とすると競合店との差別化が図りやすくなります。一方、Shopifyではモール内検索がないため、独自性のある商品を主力に据え、ユーザーに訴求するようにしましょう。

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