SEOにおけるディレクトリ構造の考え方。重要視される理由や例・階層の最適化方法

ディレクトリ構造とは、Webサイトを樹状図のように構造化したもののことです。ディレクトリ構造はSEOに影響するのか、また、なぜ構造に注目できるのかについてまとめました。構造を最適化する具体的な方法やOK例、NG例も紹介するので、ぜひご覧ください。


ディレクトリ構造とは


ディレクトリ構造とは、Webサイトを樹状図のように構造化したもののことです。例えば、企業のWebサイトであれば、トップページを頂点として、枝分かれした先に部門紹介やIR情報をその下のカテゴリとして配置し、さらに下に枝分かれして各カテゴリの関連コンテンツが配置されます。

ディレクトリとは、元々データを整理するもののこと、あるいはデータを整理するために用いられる概念のことです。例えば、Windowsのファイルエクスプローラーや、Macのファインダーがディレクトリに当たります。

Webサイトがディレクトリ構造になっているときは、コンテンツが分かりやすく配置され、トップページの下に大カテゴリが、大カテゴリの中に中カテゴリ、中カテゴリの中にコンテンツというように入れ子構造になっています。

また、ディレクトリ構造であることは、URLでも分かることが多いです。例えば、ディレクトリ構造のWebサイトのURLは、次のようになっていることがあります。

〇トップページ:https://seo-seo.com
〇大カテゴリ:https://seo-seo.com/seo/
〇中カテゴリ:https://seo-seo.com/seo/howto/

このように入れ子状態になっていることが一目でわかると、ユーザーも現在閲覧しているコンテンツの位置を正確に把握できるようになります。また、URLから1つ上の階層に移動したり、同一のカテゴリに含まれる他のコンテンツを閲覧したりもできます。

ディレクトリ構造はSEOに影響するのか?


ディレクトリ構造のWebサイトであれば、Webサイト内が常に整理された状態となっているため、ユーザーは興味のあるコンテンツを見つけやすくなります。また、運営者側も特定のコンテンツから別のコンテンツに誘導しやすくなり、Webサイト全体を1つのテーマに沿って構築しやすくなるでしょう。

ユーザーにとって使いやすいWebサイトにすることで、Googleに評価されて検索順位が上がることがあります。実際のところ、Webサイトをディレクトリ構造にすることはSEO対策の1つになるのでしょうか。

ディレクトリ構造のSEO効果については意見が分かれている

Webサイトをディレクトリ構造にすることのSEO効果については、Google社側からは特に言及されていません。そのため、SEO効果があると主張する方もいれば、SEOにはあまり影響しないと考える方もいます。

例えば、ディレクトリ構造を採用することで、Webサイトが明快な構成になることは事実です。ユーザーは自分が閲覧しているコンテンツがWebサイト内のどこに位置するかを理解できるようになり、次に見るべきコンテンツやカテゴリにすぐに移動できます。つまり、ディレクトリ構造がユーザーの利便性向上に役立っていると見ることができ、結果としてSEO効果につながると考えることがあります。

その一方で、かつてGoogle社では「クロールする際にURLによる分類は基本的には見ていない」と明言したことがあり、その言葉を真に受けるならば、構造的なURLにすることにはあまり価値がないといえます。とはいえ、Googleでは頻繁にWebサイトやコンテンツの評価方法をアップデートしており、現在もURLが重視されていないのかどうかはわかりません。

それでもディレクトリ構造を最適化した方がよい理由

実際に構造的でないWebサイトや記事が上位に表示されるケースもあり、必ずしもディレクトリ構造がSEO効果につながるとは断言できないでしょう。しかし、それでも次の2つの理由からディレクトリ構造を採用し、Webサイト全体の構造を明確化するほうが良いといえます。

ディレクトリ構造にすることで、ユーザーは目指すコンテンツにたどり着きやすくなる
ディレクトリ構造内にコンテンツを配置することで、テーマから逸脱しないコンテンツを作成できるようになる

ディレクトリ構造を最適化すると、ユーザーは少ないクリック数で目指すコンテンツにたどり着けるようになります。クリック数が少なくて済むことは、Googleでも評価されるポイントの1つのため、結果的にはSEO効果につながっているといえるでしょう。

また、Googleでは、Webサイトやコンテンツをジャンルに分類して評価しています。ディレクトリ構造を採用することで、すべてのコンテンツがトップページに紐付き、Webサイト全体のキーワードを逸脱しないものとなります。結果として、1つのテーマでWebサイトを構築することになり、よりGoogleに評価されやすい状態(=検索順位が上がりやすい状態)になるでしょう。

SEOにおけるディレクトリ構造の考え方


紹介したように、ディレクトリ構造を採用することが即SEO効果につながるのではありません。しかし、ディレクトリ構造を採用することでWebサイトの構造が明瞭化し、結果としてGoogleからの評価が上がることはあります。また、運営者側もWebサイトが構造的かつ体系的になることで、コンテンツの見直しや追加を行いやすくなり、より良いWebサイトへと育てていきやすくなるでしょう。

より積極的にSEO対策にディレクトリ構造を活かすなら、次のポイントを意識してWebサイトの構造を最適化していくことが求められます。

クローラビリティ
専門性

クローラビリティとは、Googleのクローラーの巡回しやすさのことです。インターネット上に公開されているコンテンツは多く、Googleがそのすべてを調べ、評価するのは不可能です。

そこでGoogleでは独自の基準で優先順位を定め、優先順位の高いWebサイトやコンテンツのみクローラーで巡回して評価し、検索順位を決めています。また、クローラーはWebサイトのリンクを辿って移動するため、リンクが辿りやすいURL、つまりディレクトリ構造などで整備されたURLであれば、クローラビリティが高まり、Googleからの評価も高くなると考えられるでしょう。

また、Googleではユーザーにとって利便性が高く有用なサイトを高く評価しています。ディレクトリ構造にすることでサイトテーマに関連したコンテンツだけを作成するようにすれば、Webサイトの専門性は向上し、「〇〇に関してはこのサイト」というような評価を受けやすくなります。ユーザーもサイトの専門性を認識することで、特定のテーマに関連する疑問を持つときは、Google検索を利用せずに直接流入するようになるでしょう。

ディレクトリ構造が重要視される理由

ディレクトリ構造にすることでSEO効果が見込めるかどうかは議論の余地がありますが、ユーザーファーストのWebサイトを構築するためにディレクトリ構造が欠かせないという点には異論の余地はないでしょう。ディレクトリ構造が重要視される理由としては、次のポイントが挙げられます。

サイトのクローラビリティが向上する
Webサイトの管理がしやすくなる
Webサイトのデータ分析が容易になる

それぞれのポイントについて解説します。

サイトのクローラビリティが向上する

インターネット上にあるWebサイトやコンテンツを巡回するGoogleのクローラーは、WebサイトのURLを辿って移動します。

Webサイトがディレクトリ構造で構成され、なおかつ構造が分かりやすいようにURLが決められている場合は、クローラーはWebサイト内を隈なく移動し、Webサイトの網羅性や専門性に対して高く評価できるようになるでしょう。Webサイトのクローラビリティを向上するためにも、入れ子構造の分かりやすいURLをつけることが望ましいと考えられます。

Webサイトの管理がしやすくなる

Webサイトをディレクトリ構造にすることは、各コンテンツの位置を明確にすることでもあります。また、トップページを頂点とする樹状図としてWebサイトの構成を視覚化できるのも、ディレクトリ構造の特徴です。

構成を視覚化すると、カテゴリやコンテンツの不足、あるいは分類の間違いなどにすぐに気付くことができます。管理やすいWebサイトにするためにも、ディレクトリ構造を選ぶほうが良いでしょう。

Webサイトのデータ分析が容易になる

ディレクトリ構造でWebサイトを構成すると、同じカテゴリのコンテンツのURLは、すべて同じ文字列の配置でまとまります。

例えば、次のようなSEOをメインテーマとしたWebサイトにおいて、言葉の意味や技法、事例などでカテゴライズしているとしましょう。

言葉の意味:https://seo-seo.com/dictionary/
技法:https://seo-seo.com/howto/
事例:https://seo-seo.com/example/

技法関連のコンテンツをデータ分析したいときは、「https://seo-seo.com/howto/」が含まれるURLをまとめて分析ツールに入れれば完了します。データ分析の作業も簡便化し、こまめな評価と改善が実現できます。

ディレクトリ構造は「クリック階層の最適化」が最も重要

Webサイトをディレクトリ構造にまとめるときは、クリック階層にも注目することが必要です。クリック階層とは、トップページから各コンテンツに到着するまでにクリックする回数を指します。ディレクトリ構造で入れ子構造にする場合、「トップページ→大カテゴリ→中カテゴリ→小カテゴリ→微小カテゴリ→コンテンツ」のようにあまりにも階層を増やしてしまうと、コンテンツに到着するまでに時間がかかり過ぎてしまいます。

理想は「2クリック以内に全ページへ移動できる状態」

カテゴリを大中小と分けてカテゴリを分類すると、Webサイト全体の構成がより分かりやすい状態になります。しかし縦(大中小のカテゴリ)の分類が細かすぎると、クリックする回数が増え、ユーザーの利便性が低くなる点に注意が必要です。

クリック階層の理想は、2クリック以内に全ページに移動できる状態といわれています。縦の階層を増やすのではなく、横(大同士、中同士、小同士)に広がりを持たせ、クリック回数が少なくなるように構成しましょう。

クリック階層の最適化には「パンくずリスト」も活用できる

クリック階層を最適化するためには、「パンくずリスト」も利用できます。パンくずリストとは各記事の上部に「トップページ>大カテゴリ名>中カテゴリ名>コンテンツタイトル」のように現在の位置を示したもので、それぞれ(トップページ、大カテゴリ名、中カテゴリ名)をクリックすることで、ダイレクトに特定の位置に移動できます。

パンくずリストを活用すると、縦の分類が細かいWebサイトでも、少ないクリック数で希望するコンテンツにジャンプできるようになります。コンテンツが多く、分類が細かくなったときは、パンくずリストを活用して利便性と構造性を両立させましょう。

注意!URLの変更は被リンク評価を失うため検討が必要

Webサイト全体を見直す際、ディレクトリ構造でまとめるときはURLの変更も必要になります。しかし、URLを安易に変更すると、他サイトからの被リンクを失うことになり、Googleからの評価も下がる恐れがあります。

URLを変更するときは、長期的な視野に基づいて実施することが大切です。1から評価を積上げていくことを前提に、構造変更をしなくても済むWebサイトを構築しましょう。

SEOに効果的なディレクトリ構造の最適化方法

次のポイントに留意すると、SEOに効果的なディレクトリ構造を構築しやすくなります。

〇ツリー構造に設計する
〇ディレクトリ構造は4階層以内におさえる
〇階層構造(親ページ・子ページの関係)を整理する
〇ディレクトリ構造の内容がわかるURL名を設定する

それぞれのポイントについて見ていきましょう。

ツリー構造に設計する

ディレクトリ構造とは、コンテンツをカテゴリに分けて見やすく分類する構造全体のことを指します。分かりやすければどのような構造でも良いのですが、後でコンテンツの見直しや追加を実施するのであれば、ツリー構造(樹状構造、樹状図)にまとめるのがおすすめです。トップページを頂点とし、カテゴリごとに枝分かれした構造を構成しましょう。

ディレクトリ構造は4階層以内におさえる

クリック数を減らすことで、ユーザーの利便性の向上を図れます。最大でも4階層内(トップページ→大カテゴリ→中カテゴリ→コンテンツ)にまとめると、ユーザーの利便性と構造性を両立しやすくなります。

階層構造(親ページ・子ページの関係)を整理する

構造を作成した後に、各階層の関係が正しいか確認しましょう。カテゴリやコンテンツの関係が逆になっていることや、細分化されたジャンルが大カテゴリに指定されていることもあるかもしれません。親子関係が正しくないときは、URLの関係では入れ子構造になっていても、ユーザーの利便性が低下する可能性があります。

ディレクトリ構造の内容がわかるURL名を設定する

ディレクトリ構造を構成した後で、適切なURLを設定します。「/」で階層を増やし、URL名だけ見てもページの位置や内容がわかるようにしておきましょう。

ディレクトリ階層の最適化にはディレクトリマップが便利

ディレクトリ構造を作成した後で、構造を記したマップ(ディレクトリマップ、樹状図)を記載しましょう。各階層が正しく親子関係になっているか、コンテンツのカテゴリに間違いがないかがわかりやすくなります。

ディレクトリマップを表示すると、不足するコンテンツも見つかりやすくなります。プリントアウトしていつでも見える状態にしておくと、ミスや修正点に気付きやすくなるでしょう。

NG例|最適化されていないディレクトリ階層の一例

ツリー構造でディレクトリ階層を作成しても、次のいずれかに当てはまるときは、最適化されていないと考えられます。

特定の階層が多すぎる
空っぽの階層がある

いずれのNG例も、ディレクトリマップを作成することで見つけやすくなります。それぞれの状況について見ていきましょう。

特定の階層が多すぎる

カテゴリによっては、コンテンツが多くなるのも仕方ありません。しかし、あまりにもコンテンツが多いときは、ユーザーはカテゴリ内にどのような記事があるのか把握できなくなる恐れがあります。特定の階層が多すぎるときは、カテゴリを増やして横に分けるようにしましょう。

空っぽの階層がある

階層内にコンテンツがないケースもあります。そのようなときは、階層自体を削除し、下部階層を1段階引き上げる必要があります。クリック回数を減らすためにも、階層はできるだけ少なくまとめるようにしましょう。

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