こだわりのオンラインショップを簡単に開設できるプラットフォームShopifyは、LINE公式アカウントと連携させることで集客効果を上げられます。LINEを活用するメリットや具体的な集客の流れ、連携する際におすすめのサービスなどをご紹介します。
ShopifyはLINE公式アカウントと連携可能
Shopifyを使って開設したオンラインショップ運営で、顧客との円滑なコミュニケーションに有効なのがLINE公式アカウントとの連携です。Shopify上での顧客情報をLINE公式アカウントに紐づけできるため、それぞれの顧客に合わせたアプローチが可能になります。
ECサイトを運営する際には、商品の販売だけではなく、購入前の問い合わせ対応や購入後のアフターフォローも欠かせません。
日本国内で多くのユーザーを抱えているLINEを活用したコミュニケーションの場が確保できていれば、ECサイト運営にとって大きなプラスとなるでしょう。近年注目が高まっている、ShopifyでのLINE公式アカウントの活用について解説します。
LINE公式アカウントとは?
LINE公式アカウントとは、企業や店舗がビジネス目的でのプロモーションやイベント告知に利用できるLINEアカウントのことです。利用できる機能によって、無料プランから有料プランまで揃っており、目的に応じて使い分けができます。
一般的なメールマガジン配信では有料オプションになってしまう機能であっても、LINE公式アカウントを使えば無料でおこなえるのがメリットです。多くのユーザーが普段から慣れ親しんでいるツールを通してコミュニケーションを図れるため、集客効果の向上が期待できます。
LINE公式アカウントの基本機能
LINE公式アカウントで利用できる主な機能は、以下のとおりです。
〇 個別チャット
〇 セグメント配信
〇 ステップ配信
〇 自動返信
〇 回答フォーム
〇 リマインド配信
〇 クーポン配布
〇 ショップカード配布
〇 流通経路分析
〇 タグ管理
LINEはリアルタイム性のあるコミュニケーションツールであり、メールマガジンよりも開封率が高くなる傾向があります。さらに上記のような便利な機能が利用できるため、顧客ごとの個別フォローやアプローチがしやすくなるでしょう。
ShopifyをLINE公式アカウント連携する5つのメリット
ShopifyとLINE公式アカウントを連携することで得られるメリットは、主に次の5つです。
1. 幅広いターゲットにアプローチできる
2. 問い合わせ窓口の管理が容易になる
3. メッセージ配信を効果的におこなえる
4. 各種データを収集できる
5. 顧客情報の管理がしやすくなる
コストをかけずにこれだけのメリットを得られるLINE公式アカウント、Shopifyの集客対策として活用しない手はないでしょう。各ポイントを詳しくご紹介します。
1.幅広いターゲットにアプローチできる
LINEは数あるSNSやコミュニケーションツールのなかでも、バランスよく幅広いユーザーを獲得しているのが特徴的です。どのようなターゲット層を設定しているECサイトであっても、LINEであれば目当てのユーザーにアプローチをかけられるでしょう。
また、LINEの月間利用者数は8,000万人を超えるとされており、毎日積極的に利用しているユーザーも8割以上と高い水準を誇っています。これまで他の集客方法では接点がなかった層に対しても、LINEであれば集客をかけられる可能性が高まります。
2.問い合わせ窓口の管理が容易になる
ユーザーの購入意欲を高めるためには、問い合わせに対するスムーズで好感の持たれる対応が必須です。ShopifyにLINE公式アカウントを連携すれば、問い合わせ窓口として一括管理が可能になります。
LINE公式アカウントでは、よくある質問や簡単な案内に関しては、自動応答メッセージを設定しておけます。担当者が一つひとつメッセージを確認する手間が省け、作業効率を上げる効果も期待できるでしょう。
顧客の立場としても時間を合わせて電話をかける必要がなくなり、いつでも手軽にLINEで問い合わせができるメリットは大きいはずです。
3.メッセージ配信を効果的におこなえる
LINE公式アカウントを使ったメッセージ配信には、いくつかの便利な機能が搭載されています。具体的には、タグで管理している顧客情報を使ったセグメント配信や、顧客のアクションに対して適切なメッセージを送信できるステップ配信などが挙げられます。
Shopifyの顧客情報と連携をさせるからこそ、その時顧客が必要としている情報やサポートを提供できるようになるのがメリットです。タイミングよくメッセージ配信をおこなうことができれば、顧客の購買意欲を高め最終的には売上向上やファンの獲得など、プラスの効果が期待できるでしょう。
4.各種データを収集できる
ShopifyとLINE公式アカウントを連携することで、顧客情報に関するさまざまなデータを収集しやすくなります。例えば、次のようなデータもLINE公式アカウントから確認可能です。
〇 メッセージ配信数や送受信数
〇 アンケート結果
〇 友達増減数やブロック数
〇 タイムライン投稿の閲覧数
〇 クーポンやショップカードの利用状況
集客施策を実施し、どれほどの効果が出ているのかを正しく把握することは、その後の戦略を立てるために欠かせない工程です。無料でも利用できるLINE公式アカウントを上手く活用すれば、より効果的なアプローチ方法を検討しやすくなるでしょう。
5.顧客情報の管理がしやすくなる
Shopify上でのデータをLINE公式アカウントと連携できるため、顧客情報の管理がしやすくなるのもメリットです。顧客情報をタグで管理することによって、すでに購入を済ませている顧客のみに向けたフォローメッセージの送信も簡単におこなえます。
どの程度購入意欲が高まっているのかなどの指標で顧客をタグ分けしておけば、どのタイミングで次のフォローを入れるべきかが把握しやすくなり、次のマーケティング施策を打ち出しやすくなるでしょう。
本来であればECサイトとメッセージツール上で別々におこなわなければならない顧客情報管理を、ShopifyとLINE公式アカウントの連携によって一括で済ませられます。
ShopifyとLINE公式アカウントを利用した集客の流れ
ShopifyとLINE公式アカウントを利用した主な集客の流れは、次のとおりです。
1. 新規顧客の獲得
2. 顧客との関係性構築
3. ECサイトへの誘導
4. アフターフォロー
全体的な集客の流れを押さえておくことで、LINE公式アカウントを活用するイメージが湧きやすくなります。新規顧客の獲得から、サービス利用後のアフターフォローにまで幅広く利用できる、LINE公式アカウントの活用方法をご紹介します。
1.新規顧客の獲得
LINE公式アカウントを活用した集客の第1段階は、新規顧客の獲得です。日々LINEを利用しているユーザーは数多くいますが、そのなかでも自社サービスや商品に興味を持ってくれそうな層を獲得する必要があります。
Shopifyで開設したサイトのお問い合わせ窓口として連携させておくのはもちろん、SNSアカウントやWeb広告などの流入経路を準備しておくとよいでしょう。LINE公式アカウント内でも「友だち追加広告」などの広告運用サービスがあり、アカウントを開設して間もない頃は知名度向上のために利用を検討してみるのも手です。
2.顧客との関係性構築
ある程度の数の見込み客が獲得出来たら、次は顧客とのコミュニケーションを図り、良好な関係性を構築していく段階です。効果的に購買意欲を高めていけるように、友達登録をしてくれたユーザーに対してタイミングを逃さず情報を提供していくようにしましょう。
顧客との関係構築に欠かせないのが、LINE公式アカウントの自動応答機能とステップ配信機能です。自動応答機能を使えば、ユーザーが入力したチャット内容に対して、あらかじめ設定していたメッセージを返信できます。
自社のECサイトに興味を持ってくれたユーザーを逃さないためにも、自動応答機能で簡単な質問には時間を問わず案内が出来るようにしておきましょう。ステップ配信機能は、友達登録後や注文後、サービス利用後などユーザーのアクションに合わせてメッセージを配信できる機能です。
タイミング良くユーザーが求めている情報を提供できれば、よりお店や商品に対する興味が高まり、ECサイトの利用を前向きに検討してもらえるはずです。
3.ECサイトへの誘導
自社商品やサイトへの興味が高まったユーザーには、実際にECサイトを訪問してもらえるよう誘導します。サイトの説明などをLINEチャットからも確認できるようにし、設置したリンクからすぐに閲覧できる形に動線を確保しておきましょう。
LINE公式アカウントには、チャットルームの下部分にオリジナルのメニューを設置できる機能が搭載されています。オンラインストアの利用方法や注文の流れ、配送に関するお知らせ、キャンセルに関するルールなどのメニューを用意しておけば、利用を検討しているユーザーを自然な流れでECサイトに誘導可能です。
Shopifyの集客にLINE公式アカウントを活用する場合は、常に両者の連携を意識したサービス構造を作り上げる必要があります。
4.アフターフォロー
自社のECサイトで商品を購入してくれた顧客に対しては、アフターフォローとしてLINE公式アカウントを活用します。ECサイトの安定的な集客のためには、新規顧客獲得とあわせてリピーターを増やすことも欠かせません。
消耗品を扱っている場合は、購入した数か月後に新たな注文を促すクーポンを配布するなど、LINE公式アカウントを活用するならではの戦略を取りましょう。ショップカードを導入すれば、購入するたびにポイントが付くため、リピーターへの動機づけとして有効です。
また、万が一商品や発送に不備があった場合、問い合わせがLINEを通して入ってくるケースもあるでしょう。せっかくサービスを利用してくれた顧客の期待に応えるために、できるだけ迅速に誠意のある対応を心掛けます。
LINEは電話のように時と場所を選ばないため、スムーズなコミュニケーションが必要な際にも役立ちます。
ShopifyとLINE公式アカウントの連携に使えるサービス
ShopifyとLINE公式アカウントの連携に利用できるサービスは数多く登場していますが、今回は以下の3つをご紹介します。
〇 CRM PLUS on LINE
〇 Kisuke
〇 BuyButton
サービスごとの特徴を理解して、自社に合った機能が搭載されたものを検討するようにしましょう。
CRM PLUS on LINE
LINE株式会社の正規代理店として認定されている株式会社ソーシャルPLUSが提供しているのが、CRM PLUS on LINEです。顧客情報のID連携を軸としたサービスで、ECサイトでの購買状況に応じた適切なメッセージの送り分けが可能になります。
また、LINEのIDを利用してECサイトのログインが可能になるなど、サービス導入により利用者側の利便性向上にも期待ができるでしょう。連携するIDが100個までであれば、無料プランでの利用もできます。
しかし、本格的にビジネスとしてShopifyとLINE公式アカウントの連携を検討している場合には、有料プランの検討が必要となるでしょう。
Kisuke
Kisukeはトランスコスモス技術研究所が運営する、ShopifyとLINE公式アカウントを可能にするアプリです。LINE上でユーザーに表示するカスタマイズ式のリッチメニューを、商品の購入有無などユーザーの状態に合わせて設定できるなど、個々に合わせたアプローチを可能にしてくれます。
Shopifyで販売している商品を、LINEから購入できるようにすることもでき、ユーザーのニーズを逃さず集客をおこなえるでしょう。ユーザーの使いやすさも考慮されたサービスとして、今後の利用拡大が期待されています。
BuyButton
BuyButtonは、Shopifyが公式提供しているサービスで、チャット上にカートと決済画面へのショートカット機能を埋め込めます。Shopifyの管理画面から簡単に機能を追加できるうえに、費用もかからないのがメリットです。
搭載したいボタンを作成して、埋め込みに必要なコードを記載するだけで準備が完了します。LINE公式アカウントとShopifyをより便利にグレードアップするために、無料で利用できるBuyButtonを活用してみましょう。
ShopifyとLINE公式アカウントを利用した成功事例
ShopifyとLINE公式アカウントを上手く活用して成果を出した成功事例として、以下の2つのECサイト事例をご紹介します。
LINE限定のお得感を強調してユーザーを獲得した化粧品サイト
画像を有効活用したメッセージで効果を出したシューズサイト
多くの便利な機能が利用できるLINE公式アカウントは、他社の成功事例を参考にさまざまな使い方を知っておくことが大事です。自社ならではの活用方法を見つけて、集客効果を向上させましょう。
LINE限定のお得感を強調してユーザーを獲得した化粧品サイト
2015年6月にLINE公式アカウントの運営を開始した同社では、LINE限定のキャンペーン実施やお得情報の提供によって、確実に友達登録数を増やしてきました。2021年度時点ではすでに450万人を超える友達登録数を誇り、新たな集客チャンネルとしてLINE公式アカウントを確立させた事例です。
従来利用していたメールマガジンと比べて、ユーザーのクリック率が2.3倍になるなど、確実な成果を上げています。自社の商品に興味を持ってくれているユーザーへの宣伝がおこなえる場所を確保したことで、リピーターの獲得や新商品の紹介など継続したマーケティング施策が実施しやすくなりました。
画像を有効活用したメッセージで効果を出したシューズサイト
従来のコミュニケーション手段であったメ―マガジンに代わって、LINE公式アカウントを採用して成果を上げたシューズサイトの事例です。インパクトが強く記憶に残りやすい画像を上手く活用して、メールマガジン利用時の2.81倍の総客数獲得に成功しました。
また、かつての同社の女性向けシューズ販売サイトの客層は、主にパソコンからのアクセスがメインでした。集客方法を変更しLINE公式アカウントを導入したことによって、スマホを利用する若い世代のユーザー増加というプラスの効果が得られたそうです。
LINEメッセージでは、お店・ブランドのコンセプトやイメージが伝わりやすい画像コンテンツを上手く利用することが、成功の秘訣だといえるでしょう。