インフルエンサーマーケティングとは? 初心者も3分で理解できる入門から応用まで

インフルエンサーマーケティングとは、SNSで大きな影響力を持つ個人である「インフルエンサー」に商品やサービスの宣伝を依頼するマーケティング手法のことです。この記事では、インフルエンサーマーケティングに興味があるものの何から始めたらよいのかわからないという企業のマーケティング担当者向けに、概論から詳細な方法論まで要点を絞ってみんなでPR編集部が解説していきます。

インフルエンサーとは?

まず、そもそも「インフルエンサー」とは何か、というところから解説していきたいと思います。かつての国民的アイドルが現在はYouTubeやInstagramへ軸足を移していたり、有名ファッション誌の有名モデルがブログ購読者をInstagramに誘導してインスタグラマーになったりと、様々なケースがあります。そこで、現在一般的にマーケティング領域で使用されることが多い、下記のような「影響力」による区分方法でインフルエンサーを分類してみます。

・トップインフルエンサー(フォロワー100万人~)
もはや「個人」の域を超えた有名人。元芸能人の割合も高く、YouTuberやインスタグラマーの出身でもテレビCMに起用されるほど。

・マクロインフルエンサー(フォロワー数十万人程度)
いわゆる「インフルエンサー」の中では代表格。美容やファッションといったジャンルに特化しているケースが多く、その場合には有名ブランドとタイアップ商品を出していることも多い。

・マイクロインフルエンサー(フォロワー数万人程度)
固定のファンが一定数ついており、企業案件の依頼も増えてくる。また、「トップインフルエンサー」や「マクロインフルエンサー」と比べてコアなファンの比率が高く、エンゲージメント率も高い。PR施策の効果が出やすいと言われている。

・ナノインフルエンサー(フォロワー数千人程度)
人によってはインフルエンサーの自覚がなく、趣味で写真を投稿したり動画を上げたりしていたら予想外に伸びたケースも多い。ファン以外の目にとまる確率も小さいため、炎上リスクが低いのが特徴。

インフルエンサーマーケティングのメリット

メリット1: 広告臭が少ない

テレビCMやYouTubeの広告、タクシーCMなどと異なり、見ている人が「広告」として意識しにくいという特徴があります。
特に、Z世代を中心とした若い世代は「広告」によってモノを買わせられることを毛嫌いし、親や友人・自分が応援するインフルエンサーからの口コミから購買に結びつくケースが多いと言われています。

メリット2: 少額から試せる

TV CMを打つ場合には広告代理店や制作会社にお願いして有名な女優などをキャスティングすることが多く、数千万円は予算を見ておく必要があります。一方、インフルエンサーに依頼する場合には、1SNSアカウントからPRをすることができるため、数万円から効果を検証することが可能となります。

メリット3: ターゲティングがしやすい

各SNSとインフルエンサーマーケティングプラットフォームをAPI連携させることによって、チャンネル登録者やフォロワーの年代比や男女比などのデータを取得することができます。例えば、家事や育児を中心とした動画を上げている「主婦系」YouTuberの場合には、チャンネル登録者数の9割以上が女性である場合も多く、家電のPRを行った際にファンに非常に刺さる場合もあります。

メリット4: オンライン販売・D2Cブランドと相性が良い

特にInstagramなどで、商品・サービスの宣伝と一緒にブランドのSNSアカウントを掲載することによってブランドのSNSアカウントにPRしたインフルエンサーのファンを取り込むことが可能です。最近流行のD2Cブランドは実店舗を持たないでSNSをメインで自社商品を販売する場合が多いので非常に相性が良く、インフルエンサーマーケティングを有効活用して短期間で爆発的な成長を遂げたものも多く存在します。

メリット5: 製品をイメージしやすくなる

数十秒程度のTV CMなどと異なり、YouTubeでインフルエンサーにタイアップをお願いする場合には最大30分程度の商品紹介動画を作成してもらうことができるので視聴者はより多くの情報を得ることができることでしょう。特に、訪問型の掃除サービスのような、実際に一部始終を見てみないと良し悪しの判断をしにくい「無形」のサービスと非常に相性が良いと言われています。

インフルエンサーマーケティングのデメリット

デメリット1: インフルエンサーのコントロールが難しい

インフルエンサーマーケティングを行う場合、仕事を依頼するインフルエンサーとは雇用関係にないため、不真面目なインフルエンサーの場合にはその時の忙しさや気分によってPR案件をキャンセルしてしまうケースがあります。また、最悪なケースではPRのために高額な商品を提供したのに結局投稿されなかったという例も。

デメリット2: ステマ扱いされるリスク

「広告臭が小さい」というメリットの裏返しではあるが、企業案件であることを隠して商品の商品を行うと、「ステマ」と見なされて批判されてしまうリスクもあります。対策としては、投稿に「PR」表記をつけたり商品提供があったことを記載することなどが挙げられます。

デメリット3: インフルエンサーが炎上した場合のブランド毀損リスク

インフルエンサーマーケティングで最も有名なデメリットがこちらです。実際、あるトップインフルエンサーが女性用の下着をプロモーションしていた際に、そのインフルエンサーが豊胸手術していたことが暴露されて炎上。その後処理として販売した数億円分の商品について全て回収・返金対応を行うこととなりました。

デメリット4: 効果測定がしにくい

これは、TV CMなどにも当てはまることですが、複数のメディアを使ってプロモーション施策を行った場合に、仮に商品が多く売れたとしてもインフルエンサーのPRが成功したのか、TV CMの効果が良かったのかといった定量的な分析がしにくいとされています。

デメリット5: 正しいノウハウなどがあまり出回っていない

インフルエンサーマーケティングは比較的新しい手法なので、インターネット上に正しいノウハウがあまり出回っておらず、一部の広告代理店やPR会社などが独占的に知見を蓄積していることが多い印象です。特に、TikTokのような急に普及したサービスの場合には、有効な施策が見つかるまで時間がかかることもあります。

インフルエンサーマーケティングで用いられるSNS

Instagram

インフルエンサーマーケティングでInstagramが利用される場合には、コスメや衣服をインスタグラマーに提供して写真を投稿してもらうケースが一般的です。インフルエンサーマーケティングを専門にしている会社にキャスティングをお願いした場合の案件相場はフォロワー数×2~4円となることが多いです。

YouTube

美容・ファッション系のインフルエンサーの比率が大きいInstagramと違って、YouTubeでは多種多様なジャンルのインフルエンサーが存在するため、幅広いジャンルのインフルエンサーPRが行われています。長編のPR動画を作れるのが強みとなっており、主婦系YouTuberのお掃除ルーティーン内でロボット掃除機が実際に動いている様子をPRした案件動画は予想を遥かに上回る再生回数を記録した例もありました。

TikTok

TikTokはYouTubeと同様に、インフルエンサーに動画内でPRしてもらうことになりますが、こちらは短編の動画で、若年層にリーチしやすいのが特徴です。例えば、シャンプーのPRの場合にはYouTubeではナイトルーティーンなどの中で使っているところを紹介するような見せ方が多い一方で、TikTokの場合には30秒ほどでテンポよくPRしたいポイントを伝えることができるのでインフルエンサー側も案件を受注しやすいというメリットがあります。

Twitter

現在、Twitterは他の主要なSNSと比較するとインフルエンサーマーケティングで利用されるケースは稀であると言えるでしょう。しかし、Twitterは現在でもコスメブランドなどの「キャンペーン」で非常に多く用いられている他、マーケティング施策としての有効性も確認されているためSNSマーケティングの括りでは今後も用いられていくことが期待されます。

インフルエンサーマーケティングの実践方法

ここまではインフルエンサーマーケティングのメリット・デメリットや、各SNSの特徴などについて紹介してきました。

一方ここからは、広告主としてインフルエンサーマーケティングを実践するための方法について紹介したいと思います。

インフルエンサーマーケティングを行う目的

まず初めに、自社がどのような目的でインフルエンサーマーティングを検討しているのかを明確化する必要があります。主なものだと、次のような目的があるのではないでしょうか?

1. デジタル広告と同じように、とにかく商品を売りたい(≒誘導先LPからのコンバージョンが欲しい)
2. 広く認知を獲得したい
3. 自社で運用しているSNSアカウントのフォロワーを増やし、中長期的に情報発信してファンになってもらいたい
4. とりあえず試してみたい

このそれぞれについて、詳しく解説していきます。

デジタル広告と同じように、とにかく商品を売りたい

もしマーケティングの担当者がCPA(顧客獲得単価)に強いこだわりがある場合、インフルエンサーマーケティングが必ずしもベストな選択肢ではない可能性があります。理由としては、PR投稿に記載されているURLから直接コンバージョンに結び付くケースがほとんどない商材も多く存在するためです(具体的には、一台数十万円する高額の電化製品など)。

一方で、多くのインフルエンサーを起用して大規模なPRを行った結果、商品やサービスの指名検索数が大幅に増加したというケースも存在するため、商品・サービスを認知したユーザーが別チャネルから購買に至っているケースも検討の上、費用対効果についてはしっかりと見極める必要があります。

広く認知を獲得したい

このケースでは、インフルエンサーマーケティングは当然検討するべき選択肢になると思われます。特に、化粧品やコスメなどの美容系商材やファッションブランドなどは多くのインスタグラマーがPRしやすい商材のため、フォロワー単価1.5円程度で大量のインフルエンサーに商品紹介をお願いすることができます。

リスティング広告といった従来型のPPC広告の費用対効果が落ちているといわれる中、to C系商材であればインフルエンサーマーケティングは認知獲得施策としては多くのケースで有効性を確認できると考えられます。

反対に、to B系の商材(SaaS型の会計ソフトなど)のPRを行いたい場合には、一部のビジネス系インフルエンサーしかPRに対応できない他、フォロワー単価も高くなることが予想されるため、PPC広告やデジタルマーケティング会社が展開しているリード獲得用の資料掲載サイトなどの活用も併せて検討する必要があるでしょう。

自社運用のSNSアカウントのフォロワーを増やしたい

このケースも、インフルエンサーマーケティングが非常に有効な施策になる可能性が高いと言えるでしょう。美容系商材を中心としたD2Cブランドのマーケティングに強みを持つ広告代理店にヒアリングを行ったところ、最近の購買プロセスとしては広告やPRから直接コンバージョンするケースは稀であり、まずは興味を持ってくれたユーザーにSNSアカウントをフォローしてもらうことが重要なのだそうです。すなわち、一旦認知を獲得した層に対してSNSで繰り返し情報を発信し、ファンになってもらってから購買につなげてもらうことが有効とされています。

ここで効力を発揮できるのがインスタグラムにおけるインフルエンサー投稿です。多くのPR施策では、インフルエンサーに商品画像を提供するだけでなくブランドのインスタグラムアカウントも併せて記載することが多いため、興味を持ったユーザーがブランドのインスタアカウントをフォローしてくれることが多いと言われています。

とりあえず試してみたい

もし「インフルエンサーマーケティングに漠然とした興味がある」場合においても、施策として検討する価値は十分にあると考えられます。インフルエンサーに投稿PRを依頼する場合、フォロワー単価×2,3円ほどが一般的な商材の相場となるため、フォロワー数一万人のインスタグラマーであれば2,3万円の予算と商品提供でPRを試すことができるためです。

一方、テレビCMなどの場合には、一般的に数千万円、少なくとも数百万円ほどの予算が前提となるため、インフルエンサーマーケティングと比較すると多くの企業にとってはハードルが高いと言わざるを得ないかもしれません。

インフルエンサーの選び方

ここまでインフルエンサーマーケティングの「マーケティング的側面」に焦点を絞って説明してきましたが、実際はどのようにインフルエンサーを選べばよいのでしょうか? YouTuber事務所のような「キャスティング会社」に依頼するのも手ですが、ここではマーケティング担当者が自分で選ぶケースを想定して解説します。

一般的に、PR案件を依頼するインフルエンサーを選ぶ場合、
・フォロワー単価
・フォロワーの属性
の二点が最重要となってきます。

フォロワー単価については、Web広告でいうところのインプレッション単価に近いところがあるのでイメージがつきやすいと思います。一方、厳密にいえばインフルエンサーによってエンゲージメント率は変わってくるので、必ずしもフォロワー単価が安いインフルエンサーがおすすめとは限らないため注意が必要です。

また、フォロワーの属性については非常に重要になっています。インフルエンサーマーケティングでよく例に挙げられるケースですが、綺麗でスタイルもよいインフルエンサーに女性向けの商材をPRしてもらったものの、ファン層(≒フォロワー)の90%以上が男性であったためほとんど購買に結び付かなかったという話も業界でしばしば耳にすることがあります。

そこで、例えばコスメや化粧品といった商材をインフルエンサーにPRしてもらう場合には、「美容」に関する情報を中心に発信している「美容インフルエンサー」にお願いすることによって、他のインフルエンサーに依頼するよりもずっと大きな反響が得られる可能性があります。この場合には、必ずしも前述のフォロワー単価に固執することは正しくないことがお分かりいただけるかと思います。

インフルエンサーへの依頼方法

インフルエンサーの選び方が分かったところで、次のステップとして「インフルエンサーへの依頼方法」について解説していきます。大きく分けて、下記の3種類の方法が主な選択肢となってくるでしょう。

・インフルエンサーキャスティング会社に依頼する
・インフルエンサーマッチングプラットフォームで募集をかける
・SNSなどでインフルエンサーに直接依頼をする

最初の二つの選択肢に関しては、インフルエンサー会社のカスタマーサポート担当者に相談すれば詳細なプロセスを教えてもらえるものと思われますので、三つ目の「インフルエンサーに直接依頼する」ケースをより深く検討してみたいと思います。

このケースでは、Instagram、YouTube、TikTokといった各SNSで、自社の商品・サービスにあったインフルエンサーにDM(ダイレクトメッセージ)を送信していく方法が一般的です。ここでは特に例文は記載しませんが、インフルエンサーは「メディア」ではなく、「人」ですので、十分に礼儀正しく交渉を行うことが重要となってきます。

また、インフルエンサーマーケティングはGoogleやYahoo!のリスティング広告のように機械的に価格が決まる仕組みではないので、インフルエンサーの方と信頼関係を構築することで、「熱意あるPR」を中長期的に相談することも可能になってきます。

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