文章やプレゼン資料、スピーチなどでよく聞く「起承転結」という言葉。何となく使っているものの、実はその意味や正確な使い方をよく理解していない方も多いのではないでしょうか?この記事では、起承転結の意味から具体的な使い方、文章作成への活用方法まで、詳しく解説していきます。

1. 起承転結とは何か?その意味と成り立ち

1.1 起承転結の意味

「起承転結(きしょうてんけつ)」とは、文章や物語を構成する4つの基本的な段階を示す言葉です。

起:物語や話の出発点。テーマや状況の提示。

承:「起」を受けて話を発展させる段階。

転:話に変化や意外性を持たせる部分。読者の関心を引く重要なポイント。

結:全体のまとめや結論。

この4つの流れに沿って構成された文章は、読み手にとって分かりやすく、印象に残りやすくなります。

1.2 漢詩から生まれた構成法

起承転結の起源は中国の漢詩にあります。四句構成の詩において、最初の一行で状況を提示し、次の行でそれを受け、三行目で視点を変え、最後の一行でまとめる。この構成が、日本の文章術にも応用されるようになりました。

2. 起承転結が使われる場面と効果

2.1 日常的な文章やスピーチでの使用

起承転結は、ブログ記事、エッセイ、スピーチ、商品紹介、自己紹介など、あらゆる文章に応用できます。構成に迷ったときにこの流れを使えば、読みやすく理解されやすい文章が書けます。

2.2 ビジネス文書やプレゼンにも有効

ビジネスシーンでは、企画書やプレゼンテーションでもこの構成が役立ちます。単に事実を並べるのではなく、展開に工夫を加えることで、より説得力のある説明が可能になります。

3. 各パートの役割と注意点

3.1 起:導入で興味を引く

ここでは話のテーマを提示します。聞き手・読み手の関心を引きつけることが目的です。漠然とした説明ではなく、具体的な状況やエピソードから始めると効果的です。

3.2 承:情報を展開して背景を深める

「起」で提示した内容をさらに詳しく説明します。背景や状況、関係者の立場などを掘り下げ、読み手に文脈を理解してもらう段階です。

3.3 転:視点の変化や問題提起

最も重要なのがこの部分です。意外な事実、逆転、対比、問題の発生などによって、読み手に新たな視点を提供します。ここで文章に動きが生まれ、印象が強くなります。

3.4 結:まとめと主張の提示

文章全体を締めくくるまとめの部分です。ここでは自分の意見や今後への提案を示し、文章の目的を明確にします。冗長にならないよう、簡潔に結論を述べるのがポイントです。

4. 起承転結を使った文章作成のコツ

4.1 目的を意識して構成を決める

文章を書く前に「何を伝えたいのか」「どのような順番が最も伝わりやすいか」を考えることが重要です。内容によっては、順番を多少アレンジしても問題ありません。

4.2 書く前に4つの項目を箇条書きする

構成を考える際は、起・承・転・結のそれぞれに何を書くかを事前にメモしておくと、流れが自然になります。迷わずに書き進められるうえ、全体の一貫性も保てます。

4.3 「転」を疎かにしない

最も効果を発揮するのが「転」の部分です。読者の印象に残るような展開や視点の転換を意識することで、文章全体の質が大きく向上します。

5. 起承転結の応用と柔軟な使い方

5.1 時には三部構成や逆構成も有効

起承転結は便利な枠組みですが、内容によっては「結論→理由→具体例」といった構成のほうが効果的な場合もあります。目的に応じて柔軟に使い分けることが大切です。

5.2 SNSや短文でも応用できる

X(旧Twitter)やInstagramなどの短文でも、ミニマルな形で起承転結の考え方は活用可能です。投稿に起伏をつけることで、読み手の関心を惹きつけやすくなります。

5.3 動画・漫画・CMにも用いられる

起承転結は文章だけでなく、映像や物語、広告にも広く使われています。ドラマの構成やCMの展開など、感情の起伏を生む基本構造としても非常に重要です。

6. まとめ:起承転結を理解して伝わる文章を書く

起承転結は、読みやすく伝わる文章を書くための基本構造です。「起」でテーマを示し、「承」で情報を深め、「転」で視点を変え、「結」で結論をまとめる。この流れを意識することで、誰でもわかりやすく説得力のある文章が書けるようになります。

一度この型を身につければ、様々なジャンルの表現に応用できるようになります。まずは身近な文章から意識して取り入れてみましょう。

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