「取りまとめました」「取りまとめをお願いいたします」など、ビジネス文書や社内メールで頻繁に使われる「取りまとめ」という表現。しかし、状況によっては別の言い方の方が丁寧に伝わる場合や、語感を柔らかくしたいときもあります。本記事では、「取りまとめ」の意味を確認しつつ、目的や相手に応じた自然な言い換え表現と活用例を紹介します。

1. 「取りまとめ」の意味と使いどころ

1.1 「取りまとめ」の基本的な意味

「取りまとめ」は、情報・意見・書類・人員などを整理・集約し、ひとつにまとめることを意味します。ビジネスでは以下のような文脈で使われます。

- 会議の議事録を取りまとめる
- 社内の意見を取りまとめる
- プロジェクト進行の責任を取りまとめ役が担う

1.2 使用される主な場面

- 報告書・提案書の最終確認
- チーム内の意見収集
- プロジェクトやタスクの進捗集約

2. 「取りまとめ」のビジネスにおける言い換え表現

2.1 「集約」

複数の情報やデータを一つにまとめる意味で、文書や報告で使いやすい表現です。

例:
「アンケート結果を集約し、報告書に反映しました。」

2.2 「とりまとめ役」→「調整役」「統括担当」

役割の呼称としての「取りまとめ」を丁寧に置き換える表現です。

例:
「今回のプロジェクトでは、統括担当として進行管理を行います。」

2.3 「取りまとめる」→「整理・調整する」

「情報を整える・整える」ニュアンスを強調した柔らかい表現です。

例:
「皆さまのご意見を整理・調整し、次回の資料に反映させていただきます。」

2.4 「ご担当いただく」

依頼や役割分担の際に「取りまとめ」をやわらかく依頼する際に使えます。

例:
「恐れ入りますが、本件の調整をご担当いただけますと幸いです。」

2.5 「統合」

資料や方針などを一つに集約する場面に適したフォーマルな言い換えです。

例:
「複数部署の提案を統合し、最終案として提出いたしました。」

3. メールで使える例文と言い換えの実例

3.1 依頼メールでの言い換え

×「会議資料の取りまとめをお願いします。」
〇「会議資料の調整とご確認をお願い申し上げます。」

3.2 報告メールでの言い換え

×「各部門からの報告を取りまとめましたのでご確認ください。」
〇「各部門からの報告を集約いたしましたので、ご確認のほどお願いいたします。」

3.3 役割を伝える場面での言い換え

×「私は取りまとめ役を担当しています。」
〇「私は今回の進行管理および全体調整を担当しております。」

4. 場面別の適切な言い換えパターン

4.1 会議・プロジェクトの場面

- 「取りまとめ」→「調整」または「進行管理」
- 「取りまとめ役」→「ファシリテーター」「進行担当」「統括」

4.2 資料作成や社内連絡

- 「取りまとめた資料」→「集約済みの資料」
- 「意見の取りまとめ」→「フィードバックの集約」または「内容の整理」

4.3 クライアントや上司への連絡

- 「取りまとめました」→「整理いたしました」「集約いたしました」
- 「取りまとめをお願いします」→「ご対応をお願い申し上げます」

5. 使用時の注意点

5.1 「取りまとめ」はやや曖昧な表現になりやすい

「取りまとめ」と一言で言っても、「集計」「調整」「進行」「作成」など、作業内容は多岐にわたります。状況に応じて、より具体的な言葉に置き換えたほうが伝わりやすくなります。

5.2 誰が何をするのか明確に

「〇〇の取りまとめをお願いします」では、何をどこまで行えばよいのか曖昧です。
→「資料の内容確認とスケジュール調整をご担当ください」のように具体化することが重要です。

5.3 役割を丁寧に伝えることが信頼につながる

依頼や連携を依頼する際、「取りまとめ」という一言で済ませず、相手の負担や責任範囲を明確にしつつ配慮ある表現を心がけましょう。

6. まとめ

「取りまとめ」は、ビジネスで非常によく使われる表現ですが、場面によっては「集約」「調整」「整理」「統合」など、より具体的で丁寧な言い換えが効果的です。依頼する内容や報告のトーンに合わせて言い換えを使い分けることで、伝達力が高まり、相手への配慮も感じられる文章になります。文書やメールをより洗練されたものにするために、状況に応じた適切な表現選びを心がけましょう。

おすすめの記事