ビジネスでも日常でもよく耳にする「ヒアリング」という言葉。
「顧客ヒアリング」「社員ヒアリング」など、会話の中で使われますが、
英語の「hearing」とは少し違った意味で日本語化されています。
この記事では、「ヒアリング」の意味や使い方、類似語・英語表現を詳しく解説します。

1. 「ヒアリング」とは?

「ヒアリング(hearing)」とは、人の話を聞き取り、内容を理解することを意味するカタカナ語です。
特にビジネスの場面では、相手から情報を集めたり、意見を聞いたりすることを指します。

ヒアリング:相手の意見・要望・状況などを聞き出し、理解すること。
(出典:現代用語辞典)

  • 例文1:クライアントへのヒアリングを実施する。
  • 例文2:社員へのヒアリングで課題を洗い出す。
  • 例文3:新商品の開発前に消費者ヒアリングを行う。

つまり、ヒアリングは「話を聞く」+「情報を引き出す」という能動的な行為を表します。

2. 英語「hearing」との違い

英語の hearing は、もともと「聴力」や「聞くこと」を意味する言葉で、
日本語で使われる「ヒアリング(聞き取り調査)」とはニュアンスが異なります。

言葉 意味(英語圏) 意味(日本語での使われ方)
hearing 聴覚・聴力、または公聴会・審問 話を聞いて情報を得ること、聞き取り調査
listen / listening 意識的に耳を傾ける 「リスニングテスト」など、聞いて理解する行為

したがって、英語で「顧客ヒアリングを行う」と言いたい場合は、
conduct an interview with customersgather feedback のように言い換えるのが自然です。

3. 「ヒアリング」の使い方

3-1. ビジネスの場面で

  • 顧客ヒアリング(顧客の要望や課題を聞き取る)
  • 社員ヒアリング(職場の悩み・意見を把握する)
  • 面談ヒアリング(採用・評価などで意見を聞く)

企業では、プロジェクトの企画や改善にあたって、
関係者から直接話を聞くプロセスとして「ヒアリング」を行います。

3-2. 行政・研究・教育分野で

  • 被災地ヒアリング(現場の声を聞く)
  • 政策ヒアリング(関係者の意見を聴取する)
  • 学生ヒアリング(進路や悩みを聞き取る)

このように、ヒアリングは単なる聞き取りではなく、
現場の声を集めて分析・改善に活かすための調査行為という意味合いがあります。

4. 「リスニング」との違い

言葉 意味 使われ方
ヒアリング 相手の話を聞いて情報を得る(双方向) ビジネス・調査・面談など
リスニング 音声や英語を理解する(片方向) 英語学習、テストなど

たとえば、英語の授業で「リスニング力を鍛える」と言うのは、
音声を理解する能力のことですが、
ビジネスで「ヒアリングを行う」と言う場合は、相手から話を聞き出す力を指します。

5. 「ヒアリング」を使った表現

  • ヒアリングを行う:conduct a hearing / interview
  • ヒアリングシート:interview sheet(聞き取り内容をまとめた書類)
  • ヒアリング結果:hearing results / findings
  • ヒアリング調査:interview survey / oral survey

6. 類語との違い

言葉 意味 違い
聞き取り 話を聞いて内容を理解すること より日本語的で一般的な表現
面談 対面で話を聞くこと 形式的・目的が明確な場で使う
インタビュー 質問形式で話を聞き出すこと ヒアリングよりも公的・報道的な印象

7. 英語での「ヒアリング」表現

英語表現 意味・用法 例文
conduct an interview 聞き取り・面談を行う We conducted interviews with customers.(顧客へのヒアリングを行った。)
gather feedback 意見・感想を集める We gathered feedback from employees.(社員の意見をヒアリングした。)
hold a hearing 公聴会・審問を開く The government held a public hearing.(政府は公聴会を開いた。)

8. まとめ

「ヒアリング」とは、相手の話を聞いて情報を引き出すことを意味する言葉です。
ビジネスでは「顧客ヒアリング」「社員ヒアリング」など、
課題把握や改善のための聞き取り調査という意味で使われます。
英語では「hearing」よりも「interview」「feedback」「listening」などを文脈に応じて使い分けるのが自然です。

おすすめの記事