「庶務」という言葉を見聞きしたことはあっても、正しい読み方が分からないという方は意外と多いのではないでしょうか。会社や役所などで目にする機会も多いこの言葉には、どのような意味や使い方があるのでしょうか?この記事では「庶務」の読み方から意味、仕事内容、関連語までを詳しく解説します。
1. 「庶務」の正しい読み方
1.1 読み方は「しょむ」
「庶務」は【しょむ】と読みます。
訓読みではなく音読みで、「庶(しょ)」+「務(む)」と読みます。読み間違いされやすい言葉のひとつで、「もろむ」や「しゅむ」などと誤読されることもありますが、正式な読み方は「しょむ」です。
1.2 読み間違いが多い理由
「庶」という漢字は日常生活ではあまり使われず、読み方もピンとこない人が多い漢字です。「庶民(しょみん)」などの熟語で知っていても、「庶務」となると読みにくく感じるのが原因と考えられます。また、「事務」「総務」といった似た単語と混同してしまうことも誤読の要因です。
2. 「庶務」の意味と役割
2.1 庶務とは「さまざまな業務を担当する仕事」
「庶務」とは、特定の専門業務に限定されない雑多な事務業務全般を指す言葉です。会社や団体などの組織内で、経理、総務、人事、広報などの専門分野以外の、全般的な事務的サポートを行う仕事が庶務の役割です。
2.2 漢字から意味を読み解く
「庶」=多くの、さまざまな、一般的な
「務」=つとめる、仕事をする
つまり「庶務」は「さまざまな業務に従事する」という意味合いになります。
2.3 会社組織での位置づけ
企業や役所などでは、庶務課や庶務係などの部署が存在します。以下のような業務を担うことが多いです:
備品管理
来客対応
社内文書の整理
郵便物の仕分け
社員の出張手配
会議室の管理
慶弔関係の対応
一見地味に思えるかもしれませんが、組織運営には欠かせない、非常に重要な役割を果たしています。
3. 「庶務」の使い方と例文
3.1 ビジネスでの使い方
ビジネスシーンでは、以下のような形で使われます:
「庶務担当として採用されました」
「庶務課から連絡がありました」
「庶務業務も兼任しています」
専門職ではない事務職や総務職の一部として、「庶務担当」という言い方が用いられることも多いです。
3.2 会話や文書での例文
「庶務として社員全員の健康診断の手配を行いました」
「この件は庶務課に確認してください」
「備品が足りない場合は、庶務担当まで申し出てください」
これらはすべて、庶務が組織全体の調整やサポートに関わっていることを示しています。
4. 「庶務」と「総務」の違い
4.1 総務の方が上位概念
「庶務」と「総務」は似たような意味で使われがちですが、一般的に「総務」のほうが上位概念です。総務は会社全体の管理や制度運用を担当し、庶務はその中の一部、もしくはより日常的な業務を担います。
4.2 役割の具体的な違い
項目 総務 庶務
主な役割 社内規定の整備、労務管理など 備品管理、郵便対応、文書整理など
戦略性 中〜高 低〜中
担当範囲 管理部門全体の調整 実務ベースの補助業務
とはいえ、小規模企業では総務と庶務の業務が重なることも少なくありません。
5. 庶務のやりがいと求められるスキル
5.1 裏方で組織を支えるやりがい
庶務は直接売上に関与することは少ないですが、社内の業務が円滑に進むようにサポートする非常に重要な役割です。地味ながらも、**「縁の下の力持ち」**的な存在として、感謝されることも多いです。
5.2 必要なスキル・資質
コミュニケーション能力
丁寧さ・正確さ
時間管理能力
臨機応変な対応力
基本的なパソコンスキル(Word、Excelなど)
特に、庶務業務は多岐にわたるため、柔軟性とマルチタスク能力が求められます。
6. 「庶務」に関する他の読み間違いや誤用
6.1 「庶務=しょうむ」や「しゅむ」は誤り
「庶務」を「しょうむ」や「しゅむ」と読む誤りは非常に多いですが、これは正しくありません。公式文書や履歴書などで誤って使用すると、教養の有無を疑われることにもつながります。
6.2 似た言葉との混同に注意
総務(そうむ):全社的な管理業務
事務(じむ):事務処理全般
庶務(しょむ):上記に属さない事務的雑務
混同しやすいため、それぞれの違いを理解しておくとビジネスでの信頼感も増します。
7. まとめ:「庶務」は読み方も意味も覚えておこう
「庶務(しょむ)」という言葉は、漢字の印象や響きから読み間違いやすい言葉の一つですが、社会人としては正しく読めて意味を理解しておくことが求められます。意味としては、特定分野に属さない事務作業を幅広く担当する業務であり、組織全体を下支えする重要なポジションです。
日常的には表に出にくい仕事ですが、庶務業務の正確さと丁寧さが、会社の円滑な運営に大きく貢献していることを忘れてはいけません。正しい読み方とともに、その意味と役割をしっかり押さえておきましょう。