「誹り（そしり）」は日常会話ではあまり使われないものの、文章やフォーマルな場面で見かけることがある言葉です。人や行為に対する批判や非難を意味しますが、そのニュアンスや適切な言い換えを理解していないと誤解を招くこともあります。この記事では、「誹り」の意味、使い方、言い換え表現、類義語の違い、さらに例文を交えて詳しく解説します。
1. 「誹り（そしり）」の基本的な意味
1.1 「誹り」とは？
「誹り」とは、人や物事に対する悪い評判や非難、批判を意味する名詞です。漢字では「誹り」と書き、読みは「そしり」です。英語では "criticism", "reproach", "censure" にあたります。
1.2 「誹り」の語源と成り立ち
「誹」は「そしる」という動詞の漢字で、「悪く言う」「批判する」という意味を持ちます。そこに名詞形の「り」がついて「誹り」となり、「非難や批判の言葉」を指すようになりました。
2. 「誹り」の使い方と例文
2.1 「誹り」の使い方
「誹り」は主に「誹りを受ける」「誹りを免れない」「誹りを買う」などの形で使われます。 例：「彼の行動は周囲から誹りを受けた」 「その決定は誹りを免れない」
2.2 例文集
- 彼の発言は多くの誹りを招いた。 - その会社は品質問題で誹りを受けている。 - 誹りを恐れずに真実を伝えるべきだ。 - 不正行為が明るみに出て誹りを買った。
3. 「誹り」の言い換え表現・類義語
3.1 非難（ひなん）
「非難」は「悪い点を指摘して責めること」で、誹りとほぼ同義。 例：「非難の声が上がる」「非難を浴びる」
3.2 批判（ひはん）
「批判」は事実や行為を評価して悪い点を指摘すること。論理的な評価も含みます。 例：「批判を受ける」「批判的な意見」
3.3 咎め（とがめ）
「咎め」は責める、非難すること。やや古風な表現。 例：「咎められる」「咎めの声」
3.4 酷評（こくひょう）
「酷評」は非常に厳しく批判すること。強い非難のニュアンスがある。 例：「映画が酷評された」「酷評を受ける」
3.5 罵倒（ばとう）
「罵倒」は暴言やののしりを浴びせること。口汚く罵る意味合いが強い。 例：「罵倒される」「罵倒の声」
3.6 誹謗（ひぼう）
「誹謗」は「誹」と同様に悪く言うこと、悪口を言う意味。 例：「誹謗中傷」「誹謗を受ける」
4. 「誹り」と類義語の違いと使い分け
4.1 「誹り」と「非難」の違い
「誹り」は主に悪い評判や噂を含みやすく、やや間接的なニュアンスがあります。 「非難」は直接的に責めることを意味し、強い批判に使われます。
4.2 「誹り」と「批判」の違い
「批判」は論理的、客観的な評価も含むことが多く、建設的な意味合いもある場合があります。 「誹り」は感情的・否定的な非難や悪口に近いイメージです。
4.3 「誹り」と「誹謗」の違い
「誹謗」は「誹」と「謗（そしる）」の両方が含まれ、悪口や中傷を指します。法律用語などで「誹謗中傷」とセットで使われることが多いです。 「誹り」は単独で悪い評判や非難の意味に使われます。
5. 「誹り」を使う際の注意点
5.1 場面を選ぶ言葉であること
「誹り」はフォーマルや文学的な文章で使われることが多く、日常会話ではあまり使いません。使う際は場面を考慮しましょう。
5.2 強い否定的なニュアンス
「誹り」は悪評や非難を強く含むため、相手を攻撃したり傷つけたりする可能性があります。使用は慎重に。
5.3 法的リスクに注意
「誹謗中傷」などと絡めて使われる場合、名誉毀損や侮辱罪の問題が関わることもあるため、軽率な言動は避けましょう。
6. 「誹り」を使った表現例
6.1 ビジネス文書や報告での例
- 不祥事により企業は誹りを免れなかった。 - その対応は誹りを招く恐れがあるため改善が必要だ。
6.2 文学・評論文での例
- 作家はその作品で誹りを受けることもあったが、評価も高かった。 - 歴史上の人物は時に誹りにさらされることがある。
6.3 日常会話での例（やや格式高い表現）
- そんな噂を信じて誹りを真に受けるな。 - 彼の行動は誹りを免れない。
7. 「誹り」に関連する表現・慣用句
7.1 「誹りを受ける」
批判や悪評を浴びること。頻繁に使われる表現。 例：「あの事件で彼は誹りを受けた」
7.2 「誹りを免れない」
非難や悪評を避けることができないこと。 例：「その行為は誹りを免れない」
7.3 「誹りを買う」
悪評や非難を自分で招くこと。 例：「無責任な発言で誹りを買った」
8. まとめ
「誹り（そしり）」は、人や行為に対する悪評や非難を意味する重要な言葉です。類義語と比較するとやや間接的で文学的な表現であり、日常会話よりも書き言葉やフォーマルな場面で多用されます。使い方や意味を正しく理解し、適切に言い換えを活用することで、伝えたいニュアンスを正確に表現できます。この記事で紹介したポイントや例文を参考に、「誹り」を上手に使いこなしてください。
