「諸々了解しました」というフレーズは、ビジネスや日常会話で頻繁に使われる表現の一つです。しかし、正しい使い方や適切なシーンを理解していないと、誤解を招く可能性もあります。本記事では、「諸々了解しました」の意味、ビジネスシーンでの適切な使用方法、類似表現との違いについて詳しく解説します。

1. 「諸々了解しました」の意味とは?

「諸々了解しました」の基本的な意味

「諸々了解しました」は、「さまざまな事項を理解し、承知しました」という意味を持つ表現です。「諸々」は「いろいろな事柄」を指し、「了解しました」は「理解して承諾した」ことを示します。ビジネスメールや会話で、複数の事柄をまとめて承認・理解したことを伝える際に使われます。

「了解しました」との違い

「了解しました」だけの場合、一つの事柄を理解したことを示すのに対し、「諸々了解しました」は、複数の情報や要件をまとめて承諾したことを強調します。

「承知しました」との違い

「承知しました」は「目上の人に対して使う敬語」として適していますが、「了解しました」はややカジュアルな表現です。上司や取引先には「諸々承知しました」と言い換えるほうが無難です。

2. 「諸々了解しました」の使い方と例文

ビジネスメールでの使い方

ビジネスメールでは、取引先や社内のやり取りで「諸々了解しました」を使うことがあります。ただし、目上の相手には「承知しました」の方が適切な場合もあります。

【メール例文】
件名: ご依頼事項について
本文:
〇〇株式会社 △△様

お世話になっております。〇〇株式会社の□□です。

ご連絡いただきました件、諸々了解しました。
引き続き、何卒よろしくお願い申し上げます。

□□

口頭での使い方

口頭で「諸々了解しました」を使う場合は、シチュエーションに応じて適切な表現を選びましょう。

【使用例】
・上司「このプロジェクト、期限は来週末までだから頼むよ。」
 あなた「諸々了解しました。進捗があり次第ご報告します。」
・取引先「来週の会議ですが、資料を事前に共有いただけますか?」
 あなた「諸々了解しました。早めに送付いたします。」

注意点

「了解しました」は目上の人には適さないため、取引先や上司には「諸々承知しました」や「かしこまりました」に言い換えるのがベターです。

3. 「諸々了解しました」と類似表現の違い

ビジネスシーンでは、相手との関係性や場面に応じて適切な表現を使い分けることが求められます。「諸々了解しました」と似た表現は多数ありますが、それぞれの意味や使い方には微妙な違いがあります。このセクションでは、「承知しました」「かしこまりました」「理解しました」との違いを詳しく解説します。

「承知しました」との違い

「承知しました」は、「了解しました」よりも丁寧な表現であり、特に目上の人や取引先に対して使用されることが多い言葉です。

・「諸々了解しました」 → 同等または目下の相手に対して使う表現であり、カジュアルな印象が強い。例えば、社内の同僚や部下とのやり取り、あるいはフランクな関係のビジネスパートナーとの会話で使用するのが適切です。
・「諸々承知しました」 → 目上の人や取引先に使う敬語表現であり、よりフォーマルな場面に適しています。例えば、上司や顧客、取引先からの依頼を受けた際に、「諸々承知しました」と伝えることで、失礼のない対応ができます。

「かしこまりました」との違い

「かしこまりました」は、「承知しました」よりもさらに敬意を含んだ表現であり、接客業やサービス業などで頻繁に使われます。

・「諸々了解しました」 → 比較的カジュアルな表現であり、社内でのやり取りやフランクな関係性の取引先とのコミュニケーションで用いられることが多い。例えば、社内のSlackやLINE WORKSなどのチャットツールで「諸々了解しました!」と送るのは自然です。
・「かしこまりました」 → 敬語として、よりフォーマルな場面で使用される。特に接客業では、顧客からの依頼に対して「かしこまりました」と返すのが一般的です。また、ビジネスメールや電話対応でも、取引先や顧客に対して「かしこまりました。後ほど詳細をご連絡いたします」といった形で使われることが多く、より丁寧な印象を与えます。

「理解しました」との違い

「理解しました」は、単に情報を認識したことを意味し、必ずしも承諾のニュアンスを含むわけではありません。そのため、状況によっては「諸々了解しました」と使い分ける必要があります。

・「諸々了解しました」 → 理解しただけでなく、依頼や指示を受け入れる意味合いが強い表現です。そのため、ビジネスシーンでは、上司や同僚からの指示に対して「諸々了解しました。進めておきます」と返答することで、対応の意思を明確に伝えることができます。
・「理解しました」 → 文字通り、内容を把握したことを示しますが、それを実行する意思があるとは限りません。例えば、「今回のプロジェクトの目的は理解しました」と言う場合、それは単に情報を認識したことを意味し、具体的な対応や承諾のニュアンスは含まれていません。したがって、業務の依頼や指示に対して「理解しました」と返すと、場合によっては曖昧な印象を与える可能性があります。

このように、それぞれの表現には微妙なニュアンスの違いがあり、相手や状況に応じて適切に使い分けることが重要です。

4. 「諸々了解しました」の適切な使い分けと注意点

使ってはいけないシチュエーション

・上司や取引先との会話: 「諸々承知しました」や「かしこまりました」の方が適切
・フォーマルな場面: かしこまった言い回しが求められる場面では避ける

使っても問題ないシチュエーション

・同僚や部下との会話
・カジュアルなビジネスメール
・社内のチャットやメッセージツール

5. まとめ

「諸々了解しました」は、複数の事柄をまとめて理解し、承認したことを伝える表現ですが、ビジネスシーンでは使い方に注意が必要です。特に、上司や取引先には「諸々承知しました」や「かしこまりました」など、より丁寧な表現を使うことをおすすめします。適切な表現を選ぶことで、円滑なコミュニケーションを図ることができるでしょう。

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