「完全(かんぜん)」という言葉は、「完璧」「全てがそろっている」「欠けるところがない」といった意味で、日常からビジネス、学問まで幅広く使われます。この記事では、「完全」の意味や使い方、類語との違い、英語表現などを詳しく解説します。

1. 「完全」とは

「完全(かんぜん)」とは、不足や欠点がなく、すべてが整っている状態を意味します。
言い換えれば、「理想的に仕上がっている」「何も足す必要がない」ということです。

(読み方)

  • 完全(かんぜん)
  • 英語:perfect / complete / entire

(基本の意味)

  • 欠ける部分がない
  • 全体として整っている
  • 理想的で申し分がない

2. 「完全」の語源

「完全」は、「完」と「全」という二つの漢字で成り立っています。

  • 完:仕上げる、成し遂げる、終える
  • 全:すべて、全体、欠けがない

つまり「完全」とは、“全てを成し遂げて欠けるところがない”という意味になります。
古くから「完全無欠」という四字熟語でも使われ、理想的で完璧な状態を表す言葉として定着しました。

3. 「完全」の使い方

「完全」は名詞・形容動詞として使われます。「完全な〜」「完全に〜する」といった形で、物事の状態や行為の程度を表します。

(例文)

  • この計画は完全に成功した。
  • 彼は完全な勝利を収めた。
  • 準備はもう完全だ。
  • そのシステムは完全に自動化されている。
  • 完全を求めすぎると柔軟性を失うこともある。

(文法上の使い方)

  • 名詞:完全を目指す/完全を期す
  • 形容動詞:完全な状態/完全な人間
  • 副詞的用法:完全に理解する/完全に一致する

4. 「完全」の類語と使い分け

言葉 意味 使い方・違い
完璧(かんぺき) 少しの欠点もない 「完全」よりも仕上がりや精度に重点がある(例:完璧な演技)
全(ぜん) 全て・全体 数量や範囲を表す(例:全員・全体・全面)
充実 中身がしっかりしている 質の高さや内容の豊かさを強調(例:充実した生活)
無欠 欠点がない やや古風・硬い表現(例:完全無欠の人)

「完璧」は「見た目や出来栄えの精度」に焦点があり、「完全」は「全体の欠けがない状態」を指す点が異なります。

5. 「完全」を使った慣用句・四字熟語

  • 完全無欠(かんぜんむけつ): 欠点や不足が全くないこと。
  • 完全燃焼(かんぜんねんしょう): 力を出し切って悔いがないこと。
  • 完全主義(かんぜんしゅぎ): 何事にも完璧を求める考え方。
  • 完全体(かんぜんたい): 理想的・完成された形や存在。
  • 完全犯罪(かんぜんはんざい): 痕跡を残さず成功する犯罪(比喩的にも使用)。

6. 「完全」の英語表現

英語では文脈によっていくつかの言い方があります。

英語表現 意味・使い方 例文
perfect 完璧・理想的 The result was perfect.(結果は完全だった。)
complete 全体がそろっている The project is now complete.(プロジェクトは完全に終わった。)
entire 全体の・全ての The entire system was rebuilt.(システム全体が再構築された。)
absolute 絶対的な・完全な He has absolute control.(彼は完全な支配権を持っている。)

7. 「完全」の対義語

言葉 意味
不完全(ふかんぜん) まだ整っていない・欠けている部分があること。
未完成(みかんせい) まだ完成していない状態。
未熟(みじゅく) 能力や内容が十分でない。

8. まとめ

「完全(かんぜん)」とは、欠けるところがなく、理想的に整った状態を意味する言葉です。
ビジネスでも日常でも使われる基本語であり、「完全な成功」「完全な体制」「完全に理解する」など幅広い場面で用いられます。
類語の「完璧」とは微妙に異なり、「完全」は全体の整合性、「完璧」は仕上がりの精密さを強調します。
つまり「完全」とは、何ひとつ不足のない“全体としての完成”を表す日本語なのです。

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