問い合わせさせていただきました」は、ビジネスシーンでよく使われる丁寧な表現です。しかし、その意味や正しい使い方を誤解している人も少なくありません。また、場面に応じた言い換え表現や、よりフォーマルな言い回しを知っておくことで、相手への印象をより良くすることができます。この記事では、「問い合わせさせていただきました」の意味・使い方・言い換え表現を丁寧に解説します。
1. 「問い合わせさせていただきました」の意味とは
1-1. 「問い合わせる」の謙譲語
「問い合わせさせていただきました」は、「問い合わせる」という動作をへりくだって表現した謙譲語です。「〜させていただく」という形にすることで、自分が主体でありながらも、相手に敬意を表しています。
1-2. 「済んだ行為」を表す過去形
「問い合わせさせていただきました」は過去形のため、「すでに問い合わせを行ったこと」を相手に伝える表現です。「しました」とだけ言うよりも、控えめで丁寧な印象を与えることができます。
2. 使用シーン別の例文
2-1. メールでの問い合わせ後
「本日、〇〇の件につきまして、担当部署に問い合わせさせていただきました。」
2-2. お客様対応での報告
「ご案内の前に、製造元へ問い合わせさせていただきましたところ、下記の情報を確認いたしました。」
2-3. 社内の報告メール
「お客様からのご質問について、担当部門へ問い合わせさせていただきました。」
3. 「問い合わせさせていただきました」の敬語としての妥当性
3-1. 二重敬語ではないか?
一部では「させていただきました」は二重敬語に当たるのではないかと誤解されることがあります。しかし、これは謙譲語+丁寧語の組み合わせであり、ビジネス敬語として一般的に使用されています。
3-2. ビジネス文書でも問題なく使用可能
「問い合わせさせていただきました」は社外文書・ビジネスメールともに違和感なく使える表現です。ただし、頻用するとくどく感じられるため、文脈に応じて使い分けることが重要です。
4. 言い換え表現とその例文
4-1. 「確認をとりました」
例:「本件については、すでに製造元に確認をとりました。」
4-2. 「伺いました」
例:「詳細については、担当部署に伺いました。」
4-3. 「連絡をとりました」
例:「先方と連絡をとりましたので、以下の通りご報告いたします。」
4-4. 「確認いたしました」
例:「お問合せの件、該当部署に確認いたしました。」
4-5. 「照会しました」
例:「過去のデータに照会しましたところ、以下の内容が判明しました。」
5. 丁寧で自然な言い回しにするコツ
5-1. 主語を省略する
「私が問い合わせさせていただきました」とは言わず、「問い合わせさせていただきました」と主語を抜くことで、よりフォーマルな印象になります。
5-2. 文末は簡潔に
「〜問い合わせさせていただきましたことをご報告いたします」と長くせず、「〜問い合わせさせていただきました」で締めると自然です。
5-3. 謙虚な姿勢を崩さない
内容に自信があっても、語調は一貫して控えめに保つのがビジネスマナーです。
6. 「問い合わせさせていただきました」が不適切な場面
6-1. カジュアルな社内チャット
カジュアルなツールでは、「問い合わせ済みです」や「確認とりました」といったシンプルな表現が適しています。
6-2. 同じ文章内での重複
同じメールで何度も「〜させていただきました」が出てくると、読みにくくなるため注意しましょう。
7. より丁寧に伝えたい場合の例
7-1. クッション言葉を加える
「恐れ入りますが、本件につきましては、先ほど担当部署に問い合わせさせていただきました。」
7-2. お詫びの意図を込める
「ご迷惑をおかけし、誠に申し訳ございません。至急、問い合わせさせていただきました。」
8. 敬語としての注意点とまとめ
8-1. 過剰敬語にしない
「ご問い合わせさせていただきました」などの表現は誤りです。「問い合わせ」は単体で使い、「ご」は不要です。
8-2. 表現の多様性を意識する
毎回同じ表現ばかり使わず、前述の言い換え表現を組み合わせることで、文章に柔らかさが生まれます。
5-4. クッション言葉を添えることで柔らかく伝える
「問い合わせさせていただきました」という表現をより丁寧でやわらかく伝えたい場合は、クッション言葉を前後に添えることが効果的です。たとえば、「恐れ入りますが」「お忙しいところ恐縮ですが」といったフレーズを先頭に加えることで、相手への配慮を表現できます。
例:
「恐れ入りますが、先ほど○○の件について問い合わせさせていただきました。」
「お忙しいところ恐縮ですが、問い合わせさせていただいた内容についてご確認いただけますと幸いです。」
このように一言を添えるだけで、より丁寧で謙虚な印象を与えることができます。とくにビジネスメールや初対面の相手に対しては、こうした配慮が信頼構築にもつながります。