「お願いをむげにするなんて」「むげに断られた」など、少し古風で丁寧な印象を与える「むげにする」という表現。人の気持ちを無視したり、冷たくあしらう様子を表す日本語ですが、正確な意味や使い方を知っている人は意外と少ないかもしれません。この記事では、「むげにする」の意味、使い方、例文、類語までわかりやすく解説します。

1. 「むげにする」とは?意味と語源

1-1. 意味

「むげにする」とは、**相手の気持ちや事情を考えずに、冷たく断ったり無視したりすること**を意味します。 → 思いやりがなく、無情・無慈悲な対応をするというニュアンスです。

1-2. 語源

「無下(むげ)」=「無にする」「下に見る」という意味から来ており、「価値を認めない」「取り合わない」といった意味合いを含んでいます。

2. 「むげにする」の使い方と例文

2-1. 相手の申し出や願いを冷たく断るとき

・「彼の頼みをむげにすることはできなかった」 ・「こんなにも懇願しているのに、むげにされてしまった」

2-2. 人の思いや気持ちを軽んじるような対応

・「せっかくの厚意をむげにするとは、失礼な人だ」 ・「恋心を打ち明けたが、むげにあしらわれた」

2-3. 丁寧ながらも断る場面での用法

・「むげに断るのも心苦しいが、今回はお引き受けできない」 → 丁寧な文脈でも、**相手に申し訳ないという気持ち**を込めて使われることがあります。

3. 「むげにする」と似た表現との違い

3-1. 断る

→ 中立的で事実を伝える語。「むげにする」は**冷たさ・思いやりのなさ**を伴う。

3-2. あしらう

→ 軽く扱う意味で、「むげにする」ほど冷酷な印象ではないが、**ぞんざいさ**は感じられる。

3-3. 突き放す

→ 強く拒絶する語。「むげにする」は**距離を置くニュアンスも含むが、より日常的**

4. 類語・言い換え表現

  • 冷たくする
  • そっけなくする
  • 無視する
  • 拒絶する
  • 聞く耳を持たない

5. 「むげにする」を使う場面と注意点

5-1. 丁寧な印象を与えるが、やや古風

→ 文語的・文学的な響きがあるため、**小説や手紙、スピーチなど**で使われることが多いです。

5-2. 相手の気持ちへの配慮を示すニュアンスがある

→ 「むげにしないでほしい」という使い方は、**感情的な訴えや願い**をやわらかく伝えます。

6. まとめ:「むげにする」は冷たさと丁寧さが同居する日本語

「むげにする」は、相手の気持ちや申し出を無情に断ることを意味する、やや古風で丁寧な日本語表現です。感情を抑えながらも、冷たい対応への皮肉や非難を含めることができる表現として、小説やビジネスでも効果的に使われます。適切な場面で活用することで、言葉に品位と感情の深みを持たせることができるでしょう。

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