ビジネスメールで頻出する表現のひとつに「確認しましたところ」があります。丁寧で事実を伝える言い回しとして重宝されますが、誤った使い方をすると誤解や印象の悪化につながることも。本記事では、「確認しましたところ」の正しい意味や使い方、類語との違い、そして実際のビジネスメール例まで詳しく解説します。

1. 「確認しましたところ」の意味と基本的な使い方

「確認しましたところ」は、「調べた結果」「確認した結果、〜だった」という意味合いを持つ敬語表現です。丁寧に状況や事実を報告する際に使われ、相手に対する礼儀と正確な情報伝達の両方を満たす言い回しです。

この表現は、次のような場面でよく使われます:

問い合わせへの回答
調査結果の報告
トラブル原因の共有
例文:
「確認しましたところ、システムに一時的な障害が発生していたことが判明いたしました。」

2. ビジネスメールにおける使いどころ

2-1. お問い合わせへの回答

顧客や社外関係者からの問い合わせに対し、確認結果を伝える際に便利です。

例文:
「ご指摘の件につきまして確認しましたところ、該当商品はすでに出荷済みであることが確認できました。」

2-2. 社内報告や連絡

上司やチームメンバーに対し、事実を明確に報告する際にも使われます。

例文:
「お送りいただいた資料について確認しましたところ、一部記載内容に誤りがございました。」

3. 丁寧な印象を与える文の組み立て方

3-1. 主語を省略しすぎない

ビジネスメールでは、丁寧さとわかりやすさのバランスが重要です。「確認しましたところ」だけでは主語が曖昧になるため、以下のようにするとより丁寧になります。

NG例:
「確認しましたところ、間違っていました。」

OK例:
「弊社で確認しましたところ、〜」

3-2. 結論を明確に述べる

確認結果をただ述べるのではなく、相手が知りたい「結論」を端的に示すことが重要です。

例文:
「お問い合わせの件につきまして、担当部署にて確認しましたところ、A案の採用が決定しておりました。」

4. 類似表現との違いと使い分け

4-1. 「調査しましたところ」との違い

「調査しましたところ」は、より深く時間をかけた調査や分析を意味するため、軽微な確認作業には不向きです。

違いのニュアンス:

確認しましたところ → 軽度な確認や事実の確認
調査しましたところ → より詳細で踏み込んだ調査を行った結果

4-2. 「伺ったところ」との違い

「伺ったところ」は、人からの情報取得が主目的です。一方「確認しましたところ」は、自ら確認した結果である点が異なります。

例文:

伺ったところ → 「◯◯様に伺ったところ」
確認しましたところ → 「社内にて確認しましたところ」

5. 実践的なメール文例集

5-1. クレーム対応の文例

例文:
「このたびはご不便をおかけし申し訳ございません。該当の件につきまして確認しましたところ、発送先に誤りがあったことが判明いたしました。」

5-2. 日程調整に関する文例

例文:
「日程につきまして確認しましたところ、◯月◯日午後にて調整可能とのことでございました。」

5-3. 請求・支払いに関する文例

例文:
「お支払い状況について確認しましたところ、◯月分のご入金がまだのようでございます。」

6. 使いすぎに注意:誤解を生まない表現の工夫

6-1. 冷たい印象にならないようにする

「確認しましたところ」は事実を述べるだけの表現でもあるため、文章全体のトーンによっては冷たく事務的な印象を与えてしまいます。

例:
「確認しましたところ、そちらの手違いでございます。」

→ 改善案:
「確認しましたところ、こちらの説明が不十分だった可能性がございます。」

6-2. 必要に応じて謝罪や共感を添える

特にトラブルやクレームへの返答の場合は、共感やお詫びの言葉を添えることで印象が大きく変わります。

例:
「ご迷惑をおかけしておりますこと、深くお詫び申し上げます。確認しましたところ…」

7. 他の丁寧表現との組み合わせ例

「確認しましたところ」は、他の丁寧表現と組み合わせることでさらに礼儀正しい印象を与えることができます。

例文セット:

「恐れ入りますが、確認しましたところ…」
「お手数をおかけいたしますが、念のため確認しましたところ…」
「念のため再度確認しましたところ…」
このようにクッション言葉を活用すると、より洗練されたビジネスメールになります。

8. まとめ:「確認しましたところ」は信頼のある報告表現

「確認しましたところ」は、ビジネスシーンで非常に汎用性の高い表現です。ただし、使いすぎたり文脈を誤ると冷たく感じられたり、言い訳のように受け取られることもあります。大切なのは、確認の目的や相手との関係性に応じた柔軟な表現の工夫です。

本記事で紹介した使い方や例文を参考に、相手に配慮を示しつつ、正確で丁寧なやり取りを心がけましょう。

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