ビジネス文書やフォーマルな手紙を書く際、「拝啓」と「敬具」はよく使われる表現です。適切に使用することで、文章がより丁寧で格式のあるものになります。しかし、どのような場面で使うのが適切か、どのような文例があるのか悩む方も多いでしょう。本記事では、「拝啓」と「敬具」の正しい使い方を解説し、ビジネスシーンで役立つ例文を紹介します。
1. 「拝啓」と「敬具」とは？
「拝啓」と「敬具」は、フォーマルな手紙で使われる頭語と結語の組み合わせです。適切に使用することで、相手に丁寧な印象を与えます。
1-1. 「拝啓」とは？
「拝啓」は、手紙の冒頭に使う頭語で、「相手に敬意を表して申し上げる」という意味があります。一般的なビジネスレターや目上の方に送る手紙で使用されます。
1-2. 「敬具」とは？
「敬具」は、手紙の最後に使う結語で、「敬意を表して申し上げました」という意味を持ちます。「拝啓」とセットで使用するのが基本です。
1-3. 「拝啓」と「敬具」のルール
「拝啓」と「敬具」を使用する際には、以下のルールを守りましょう。
- 「拝啓」は手紙の冒頭に置く
- 「敬具」は手紙の結びとして最後に記載する
- 「拝啓」と「敬具」はセットで使う（単独使用は不可）
2. 「拝啓」と「敬具」を使う際の基本構成
フォーマルな手紙は、以下の構成で書くのが一般的です。
2-1. 頭語（拝啓）
冒頭に「拝啓」を記載し、続いて季節の挨拶や相手を気遣う言葉を添えます。
2-2. 本文
伝えたい内容を簡潔に述べます。要点を押さえ、読みやすい文章にすることが重要です。
2-3. 結びの言葉
手紙の締めくくりとして、相手の健康や今後の関係について一言添えます。
2-4. 結語（敬具）
最後に「敬具」を記載して、文章を締めくくります。
3. シチュエーション別 「拝啓」と「敬具」を使った例文
実際のビジネスシーンで活用できる例文を紹介します。
3-1. 一般的なビジネスレター
拝啓 貴社ますますご発展のこととお慶び申し上げます。
さて、○○の件につきまして、ご案内申し上げます。
詳細は別紙にてご確認いただけますと幸いです。
今後とも何卒よろしくお願い申し上げます。
敬具
3-2. お礼状
拝啓 平素より格別のご高配を賜り、誠にありがとうございます。
先日はご多忙の中、貴重なお時間をいただき、誠にありがとうございました。
今後とも何卒よろしくお願い申し上げます。
敬具
3-3. 依頼文
拝啓 時下ますますご清栄のこととお喜び申し上げます。
このたび、弊社の新商品につきまして、ご意見をいただきたく、ご案内をお送りいたしました。
お忙しいところ恐れ入りますが、ご確認のほどお願い申し上げます。
敬具
3-4. 謝罪文
拝啓 このたびは、弊社の不手際によりご迷惑をおかけしましたことを、深くお詫び申し上げます。
今後は再発防止に努め、誠心誠意対応してまいります。
何卒ご容赦いただけますようお願い申し上げます。
敬具
3-5. 案内状
拝啓 春暖の候、貴社ますますご隆盛のこととお喜び申し上げます。
さて、弊社では○○セミナーを開催する運びとなりました。
ぜひご参加くださいますようお願い申し上げます。
敬具
4. 「拝啓」と「敬具」を使う際の注意点
「拝啓」と「敬具」を正しく使うための注意点を押さえておきましょう。
4-1. 「拝啓」と「敬具」をセットで使う
「拝啓」だけ、または「敬具」だけを使うのは誤りです。必ずセットで使用しましょう。
4-2. 文体を統一する
フォーマルな文章では、敬語を適切に使い、砕けた表現を避けることが大切です。
4-3. 季節の挨拶を入れる
「拝啓」の後に季節の挨拶を添えることで、より洗練された文章になります。
5. まとめ
「拝啓」と「敬具」は、ビジネス文書やフォーマルな手紙で重要な役割を果たします。本記事で紹介した使い方や例文を参考に、適切な表現を身につけましょう。正しいマナーを守ることで、相手に良い印象を与えることができます。
