「提示(ていじ)」という言葉は、ビジネス文書や日常会話でよく使われます。「資料を提示する」「身分証を提示してください」などのように、正式な印象を与える表現です。この記事では、「提示」の意味、使い方、類義語との違い、そしてビジネスでの適切な使い方をわかりやすく解説します。

1. 提示とは

「提示」とは、相手に見せる・差し出す・明示するという意味を持つ言葉です。
単に「見せる」だけでなく、相手に理解・確認してもらうために見せる・示すという意図が含まれています。

辞書的な定義:

  • 提示: 相手に見せたり差し出したりして、内容を明らかにすること。

つまり、「提示する」とは「見せる+説明する」の両方の意味を持つ、ややフォーマルな表現です。

2. 読み方と品詞

  • 読み方:ていじ
  • 品詞:名詞(動詞は「提示する」)

3. 「提示」の使い方と例文

3-1. 一般的な使い方

「提示」は、書類・証明書・資料などを相手に示すときに使われます。

  • 受付で身分証の提示をお願いします。
  • 契約の際には、本人確認書類を提示してください。
  • 会議で新しい提案を提示する。
  • 相手に納得してもらうため、根拠資料を提示した。

このように、「提示」は証拠や資料を見せる行為を指します。

3-2. ビジネスでの使い方

ビジネスシーンでは、提案や計画、契約内容などを正式に示す場面で使われます。

  • 取引先に見積書を提示する。
  • 新しいプロジェクト案を提示した。
  • 上司から課題解決の方法を提示された。
  • 次回の会議で方針案を提示します。

「提示する」は、「提案する」や「示す」よりもやや公的で明確な印象を与える言葉です。

4. 「提示」と「提出」「提案」の違い

言葉 意味 使い分け
提示 見せる・示して理解させる。 相手に内容を伝えたり確認してもらうときに使う。
提出 書類などを相手に渡す。 「見せる」よりも「渡す」行為が中心。
提案 意見や考えを述べる。 アイデアや方針などを提起するときに使う。

たとえば:

  • 履歴書を提出する(=相手に渡す)。
  • 身分証を提示する(=相手に見せる)。
  • 改善案を提案する(=意見を述べる)。

このように、目的や行為の性質によって使い分けます。

5. 「提示」を使ったよくある表現

表現 意味
提示する 何かを見せて明らかにする。
提示を求める 相手に資料や証明などを見せるように要求する。
提示を受ける 相手から提案や資料を示される。
提示義務 法的に、ある書類を見せる義務。

ビジネスでは「身分証の提示」「見積書の提示」「方針案の提示」など、名詞の形で使われることが多いです。

6. フォーマルな表現とカジュアルな言い換え

フォーマル カジュアルな言い換え
提示する 見せる・示す・見せて説明する
提示を求める 見せてもらう・確認する
提示する資料 見せるための資料

たとえば、友人同士の会話では「資料を見せて」や「提案を出す」で十分ですが、
会議や契約の場では「資料を提示する」と言う方が自然で丁寧です。

7. 英語での「提示」

英語では、文脈によって次のように訳されます。

  • present: 提示する、示す(例:Please present your ID.=身分証を提示してください)
  • show: 見せる(カジュアル)
  • offer: 提案・提示する(例:We offered a new plan.)
  • submit: 提出する(書類を渡すとき)

「提示する」は最も一般的に “present” を使います。

8. 類義語と対義語

分類 言葉 意味
類義語 示す 広い意味で見せる・説明する。
提案 意見・方針を示す。
提出 書類を渡す。
公開 広く見せる。
対義語 隠す 見せないこと。
非公開 情報を明らかにしないこと。

9. 「提示」の使い方の注意点

  • 「提示する」はフォーマルな表現なので、ビジネスや公的な文書で使うのが適切。
  • 口語では「見せる」や「見せて説明する」と言い換えると自然。
  • 「提示する」対象(何を見せるのか)を明確にすることが重要。

10. まとめ

「提示(ていじ)」とは、相手に見せて内容を明らかにすることを意味する言葉です。
書類・証明書・提案・資料など、公式な文脈でよく使われ、「提出」よりも“見せる・説明する”ニュアンスが強いのが特徴です。
ビジネスでは「資料を提示する」「方針を提示する」「提示を求める」などの形で使うと、丁寧で正確な表現になります。

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