「内親王(ないしんのう)」という言葉は、皇室に関するニュースや歴史の授業などで耳にすることがあります。しかし、その正確な意味や立場、似た言葉である「女王」との違いを理解している人は多くありません。この記事では、「内親王」の意味や由来、現代での使われ方を詳しく解説します。

1. 「内親王」の意味とは

「内親王」とは、天皇の娘、または天皇の孫である皇太子・親王の娘のことを指す称号です。つまり、皇族の女性のうち、血統的に特に天皇に近い地位にある人に与えられる称号です。

男性皇族が「親王」と呼ばれるのに対し、その女性版が「内親王」です。「内」は「天皇の内(うち)」、つまり「直系の血筋に近い」ことを示しています。

(例)

  • 愛子内親王(天皇陛下の第一皇女)
  • 清子内親王(上皇明仁の第一皇女、現・黒田清子さん)

このように、現在も「内親王」の称号を持つ方が皇室にいらっしゃいます。

2. 「内親王」と「女王」の違い

皇室の女性には「内親王」と「女王」という二種類の称号があります。両者は血筋によって明確に区別されています。

称号 対象者
内親王 天皇の娘、または天皇の孫(親王・皇太子の娘) 愛子内親王、清子内親王
女王 親王・王の娘(天皇のひ孫以降) 彬子女王、瑶子女王など

つまり、天皇の直系にあたる女性が「内親王」やや世代が下がる皇族の女性が「女王」と呼ばれます。

3. 「内親王」の呼び方と敬称

「内親王」は非常に尊い身分であるため、敬称の使い方にも特徴があります。

  • 正式な呼び方:〇〇内親王殿下
  • 口語・報道など:〇〇さま

たとえば、愛子さまの場合、正式には「愛子内親王殿下」となりますが、日常的な報道や一般的な会話では「愛子さま」と呼ばれます。

4. 歴史的な由来

「内親王」という称号は、奈良時代から平安時代にかけて成立したとされています。もともと「親王」は天皇の息子に限られていましたが、後に娘にも対応する称号が必要となり「内親王」という語が生まれました。

平安時代には、内親王が斎宮(さいぐう)や斎院(さいいん)として神に仕える役割を担うこともあり、宗教的・政治的にも重要な立場でした。

5. 現代の皇室における「内親王」

現在の皇室典範(こうしつてんぱん)では、「内親王」「女王」などの称号は法律で定められています。女性皇族は結婚によって一般の家に入ると皇籍を離れ、称号も失います。

例:
清子内親王 → ご結婚後、黒田清子さん(民間人)

つまり、「内親王」は皇族としての地位を表す称号であり、結婚後は使用されなくなります。

6. 「内親王」と関連する言葉

  • 親王: 天皇の息子、または孫にあたる男性皇族
  • 王: 親王の子である男性皇族(天皇のひ孫にあたる)
  • 女王: 親王または王の娘にあたる女性皇族

これらの称号は、皇族の血筋の近さに応じて決められています。天皇に最も近いのが「親王」と「内親王」であり、世代が下るごとに「王」「女王」となります。

7. まとめ

「内親王」とは、天皇の娘や孫にあたる女性皇族に与えられる称号です。男性の「親王」に相当する立場であり、天皇に極めて近い血筋を持つことを示しています。似た称号である「女王」とは、代数によって区別されます。現代でも愛子内親王や清子内親王などの呼称が使われており、皇室の伝統と格式を象徴する重要な称号です。

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