ビジネスメールや商談の場面でよく耳にする「そうしましたら」。一見丁寧に聞こえますが、実は使用場面を間違えると失礼になることもあります。本記事では、「そうしましたら」の意味や正しい使い方、言い換え表現を詳しく解説し、自然かつ丁寧なやり取りを実現する方法を紹介します。
1. 「そうしましたら」の意味とは？
「そうしましたら」は、「それを行った場合には」という意味の接続詞的表現です。具体的には、相手の提案や行動を受けて、次に自分がどう対応するかを示すときに使われます。
例文：
「そうしましたら、こちらで手配いたします。」
このように、相手の発言や指示を受けて行動を起こす意図を示す、フォーマルな言い回しとして利用されます。
1.1 「そうしましたら」は敬語？
「そうしましたら」自体は丁寧語に分類される言葉で、ビジネスシーンで広く使用されています。ただし、尊敬語や謙譲語ではないため、目上の相手に対しては注意が必要です。
1.2 使用シーンの例
- 上司からの指示を受けて行動を起こす場面
- 顧客とのやり取りで、相手の意向に応じる時
- 会議中に相手の意見を踏まえて提案する場合
これらのシチュエーションでは、相手の発言を受け入れたうえで自分の対応を述べる流れに自然に組み込まれます。
2. 「そうしましたら」が失礼になる場合
「そうしましたら」は便利な表現ですが、相手との関係や文脈によっては不適切になることもあります。たとえば、以下のような場合には注意が必要です。
2.1 指示を軽く受け流す印象を与える
「そうしましたら」は、「じゃあそうする」という軽い受け答えの印象を持つことがあり、特に目上の人や取引先とのやり取りでは、誠意が感じられないと思われる可能性があります。
2.2 曖昧な返答に見える
「そうしましたら」だけでは、何をするのかが明確に伝わらないこともあります。相手にとっては不親切に感じられる場合があるため、後に具体的な行動や指示を添えることが求められます。
例：
✕「そうしましたら。」（何をするのか不明）
〇「そうしましたら、〇〇をご提出いたします。」
3. 「そうしましたら」のビジネスメールでの例文
ここでは、「そうしましたら」を使った自然なメール表現をご紹介します。
3.1 依頼を受けた際の返答
「ご依頼いただきありがとうございます。そうしましたら、明日中に資料をお送りいたします。」
3.2 提案に対する返答
「ご提案ありがとうございます。そうしましたら、来週の会議で議題として取り上げさせていただきます。」
3.3 調整後の連絡
「日程の調整ありがとうございます。そうしましたら、〇月〇日14時にお伺いいたします。」
これらの例のように、「そうしましたら」の後に具体的な行動を明記することで、相手への配慮が感じられる文面になります。
4. 「そうしましたら」の言い換え表現
場面や相手によって、「そうしましたら」ではなく、より丁寧な表現に置き換えるのも有効です。
4.1 「承知いたしました」
「承知いたしました」は、相手の発言をきちんと受け止めた丁寧な敬語表現です。
例：
「ご連絡ありがとうございます。承知いたしました。〇〇の件、進めてまいります。」
4.2 「かしこまりました」
さらに丁寧な敬語として「かしこまりました」も好印象です。特に顧客対応ではよく使われます。
4.3 「では、そのようにさせていただきます」
やや長くなりますが、フォーマル度の高い丁寧な言い回しです。
例：
「ご確認ありがとうございます。では、そのようにさせていただきます。」
5. 「そうしましたら」をより自然に使うコツ
「そうしましたら」は便利ですが、毎回使っていると文章が単調になります。ここでは自然に見えるコツを紹介します。
5.1 前後の文脈を意識する
「そうしましたら」の直前に相手の提案や意見を引用したり、感謝を述べたりすると、より自然に繋がります。
例：
「ご提案ありがとうございます。そうしましたら、〜」
5.2 丁寧さを保ちつつ言い換えも活用
すべての文で「そうしましたら」を使うのではなく、「それでは」「承知しました」などと使い分けることで、文章のトーンに変化がつき、読みやすくなります。
6. まとめ
「そうしましたら」は、ビジネスシーンで広く使われる便利な表現ですが、状況によっては誤解や軽さを与える可能性もあります。相手との関係や文脈を踏まえて、適切な敬語や言い換え表現を使い分けることで、より丁寧かつ誠実な印象を与えることができます。メールや会話の中での細かな言い回しに気を配ることで、信頼されるビジネスパーソンを目指しましょう。
