ビジネスや日常のやりとりで、「ありがとうございます」という感謝の気持ちは欠かせません。その中でも、「重ね重ねありがとうございます」という表現は、相手に対してより深い感謝の念や、繰り返しお世話になったことへのお礼を伝えたいときに使えます。しかしながら、使うタイミングや言い回しによっては、相手に違和感を与えてしまうケースもあります。本記事では、「重ね重ねありがとうございます」の正しい使い方とビジネスでの活用ポイントを解説します。

「重ね重ねありがとうございます」とは?

「重ね重ねありがとうございます」は、相手から何度も助けやサポートを受けている状況や、継続的に恩恵を受けている場面で使われます。
- “重ね重ね”は「たびたび繰り返す様子」を表す言葉
- 複数回のやりとりやサポートに感謝するときに便利

「ありがとうございます」という言葉に「重ね重ね」をプラスすることで、より強い謝意を伝えられる表現となります。

日常会話との違い

- 日常会話では「何度もありがとう」のようにカジュアルに伝えられますが、ビジネスシーンでは「重ね重ねありがとうございます」のほうが丁寧かつ正式感があります。
- ただし、過剰に使いすぎるとやや仰々しく感じられる恐れもあるため、状況を見極めて自然に使うことが大切です。

ビジネスシーンでの「重ね重ねありがとうございます」の使い方

ビジネスメールや電話対応など、さまざまな場面で使えるフレーズですが、以下のポイントを押さえておくと、失礼なく円滑なコミュニケーションを図ることができます。

1. 二重・三重の手間をかけさせた場合

- 例:取引先に資料の修正を依頼し、その後何度も確認や追加の要望を出してもらったとき
- 使い方:
「たびたび修正をお願いしてしまい、重ね重ねありがとうございます。大変助かりました。」

相手に手間や時間をかけさせた場合、丁寧にお礼を伝えることで、相手の負担に配慮している姿勢を示すことができます。

2. 継続的にサポートを受けている場合

- 例:上司や同僚が何度もフォローしてくれているとき
- 使い方:
「プロジェクト中、何度もアドバイスをいただき重ね重ねありがとうございます。おかげさまで順調に進められています。」

複数回にわたって世話になっていることを強調するとき、「重ね重ね」を使うと感謝の深さが伝わりやすくなります。

3. 追加のお礼を述べるとき

- 例:すでに「ありがとうございました」と伝えた後、再度別件のお礼をしたい場面
- 使い方:
「先日のご対応に加えて、今回の件も迅速にご対応いただき、重ね重ねありがとうございます。」

一度お礼を伝えた後でも、新たなことに対する感謝を追加で伝えたいときに有効です。

具体的なメール文例

シーン別に「重ね重ねありがとうございます」を取り入れたビジネスメールの文例を紹介します。自社の業務内容ややり取りする相手との関係性に合わせて、一部文章をアレンジしましょう。

取引先へのお礼メール例

件名:ご協力に対するお礼(株式会社○○・山田)

○○株式会社 営業部 佐藤様

いつも大変お世話になっております。株式会社○○の山田です。
先日はサンプル品のご手配をいただき、誠にありがとうございました。おかげさまで比較検討がスムーズに進んでおります。さらに、追加で仕様の確認までしていただき、重ね重ねありがとうございます。
ご多忙のところ恐縮ですが、引き続きご協力のほどよろしくお願いいたします。ご不明点がございましたら、遠慮なくお知らせください。

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株式会社○○ 商品企画部
山田 太郎
TEL:000-0000-0000
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社内での感謝メール例

件名:昨日のミーティングについてのお礼(企画部・鈴木)

企画部 各位

お疲れさまです。企画部の鈴木です。
昨日のミーティングでは、急な連絡にもかかわらずご参加いただきありがとうございました。お忙しい中、追加の資料作成や意見出しまでしていただき、重ね重ねありがとうございます。皆さまのおかげで、プロジェクトの方向性がより明確になりました。
今後とも何かございましたらお気軽にご相談ください。引き続きよろしくお願いいたします。

―――――――――――――――――――――
企画部
鈴木 花子
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使う際の注意点

「重ね重ねありがとうございます」は、相手に重ねて感謝したいときに有効ですが、乱用すると逆効果になる場合があります。以下のポイントに注意してください。

1. 過度に使いすぎない

- あまり頻繁に使うと、かえって仰々しい印象を与えてしまう恐れがある
- 相手が「そんなに何度も謝意を示さなくても…」と負担に感じる可能性も

2. シチュエーションに合った言葉選びを

- 一度きりの案件でも「重ね重ね」と使ってしまうと不自然
- 相手が本当に何度も手間をかけてくれた、サポートしてくれた場合に使うと効果的

3. 他の感謝表現と組み合わせる

- 「大変助かりました」「心より感謝申し上げます」など、別の感謝表現を添えるとより丁寧
- 文面のバリエーションを増やし、単調な印象を避ける

「重ね重ねありがとうございます」以外の感謝フレーズ

状況によっては、以下のようなフレーズを使い分けることで、感謝の気持ちをより自然に伝えることができます。

- 「心より感謝いたします」
- 「何度もご足労をおかけし申し訳ありません」
- 「いつもご協力くださり、本当に助かっています」
- 「度重なるお願いにも関わらず、快くお引き受けいただき感謝申し上げます」

複数の表現を織り交ぜることで、メールや会話が硬くなりすぎず、相手に対して毎回新鮮な印象を与えられます。

まとめ

「重ね重ねありがとうございます」は、相手に繰り返しお世話になったときや追加の依頼・サポートをしてもらった際に、その恩恵に対してしっかりと感謝を伝えたい場面で非常に有効なフレーズです。とはいえ、丁寧すぎる表現ゆえに使いすぎると仰々しい印象にもなり得るため、適切なタイミングと頻度を見極めることが大切です。

ビジネスシーンでは、メールや会話を通じていかにスムーズかつ誠実なやり取りができるかがポイントになります。ぜひ本記事のポイントを押さえつつ、「重ね重ねありがとうございます」を上手に活用してみてください。そうすることで、相手への感謝の気持ちがより強く伝わり、円滑な関係構築につながるでしょう。

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