「この度」という言葉は、ビジネスや冠婚葬祭の場面でよく使われる丁寧な表現ですが、正確な意味や使い方を知らない方も多いのではないでしょうか。本記事では「この度」の意味や使い方、敬語表現との違いを詳しく解説します。

1. 「この度」とは何か?

1.1 「この度」の基本的な意味

「この度(このたび)」は、最近のある時期や出来事を指す丁寧な表現です。手紙やメール、ビジネス文書で多用され、話し手が何か新しい出来事や状況の変化を知らせる際に使われます。

1.2 「この度」と「今回」の違い

「この度」と似た言葉に「今回」がありますが、「今回」は一般的かつ幅広い状況で使えるのに対し、「この度」はややかしこまった場面や敬語表現で使われることが多いです。よりフォーマルな印象を与えたい時に「この度」を使います。

2. 「この度」の使い方と例文

2.1 ビジネス文書での使い方

ビジネスの案内文や謝罪文、報告書などで「この度」がよく使われます。新たな取引開始やイベント開催、役職の変更などを報告する際に適しています。

例文:
「この度、弊社は新商品を発売する運びとなりました。」
「この度の不手際につきまして、深くお詫び申し上げます。」

2.2 日常会話やメールでの使い方

日常でもやや丁寧に報告や連絡をしたい場合、「この度」を使うことがあります。特に目上の人や取引先とのコミュニケーションで効果的です。

例文:
「この度はお世話になりました。」
「この度、引っ越しをすることになりました。」

2.3 手紙文・挨拶状での使い方

冠婚葬祭の案内やお礼状にもよく使われます。正式な印象を与えるため、文章全体を丁寧にまとめる際に最適です。

例文:
「この度はご結婚おめでとうございます。」
「この度のご厚情に心より感謝申し上げます。」

3. 「この度」の敬語表現と類語

3.1 「この度」の敬語表現

「この度」自体は丁寧語に分類され、目上の人にも使えます。ただし、文脈によっては「今回」「今回のたび」と言い換えられることもありますが、「この度」はよりフォーマルです。

3.2 類語との違い

「今回」:一般的な言葉でカジュアルにも使われる。
「今度」:未来のことにも使えるが口語的。
「当度」:やや硬い言葉で、特に取引先への通知で使われることが多い。

これらの中で、「この度」は適度にかしこまりつつも使いやすい表現です。

4. 「この度」を使う際の注意点

4.1 過剰な敬語にならないようにする

「この度」は十分に丁寧な表現ですが、文中で過剰に敬語を重ねるとくどく感じられます。シンプルかつ明確な文章構成が好ましいです。

4.2 適切な場面で使う

親しい間柄やカジュアルな場面で使うと違和感があります。特にメールや会話では相手や状況を考慮しましょう。

4.3 文章の冒頭や導入部分で使う

「この度」は文章の最初に置いて、報告や感謝の主題を示す役割が大きいです。文章の締めに使うと不自然になることがあるため注意しましょう。

5. 「この度」を使ったビジネスメールの例文

5.1 新商品案内メールでの例文

拝啓
この度、弊社は新商品を発売する運びとなりました。つきましては、詳細資料を同封いたしますのでご査収ください。今後とも変わらぬご愛顧のほどよろしくお願い申し上げます。
敬具

5.2 謝罪メールでの例文

拝啓
この度は弊社の不手際によりご迷惑をおかけし、誠に申し訳ございませんでした。深く反省し、再発防止に努めてまいります。何卒ご容赦賜りますようお願い申し上げます。
敬具

6. 「この度」と関連する表現の使い分け

6.1 「この度」と「今度」の違い

「今度」は話し言葉やカジュアルな場面で未来の出来事にも使いますが、「この度」は特定の出来事を指すフォーマルな表現です。したがって、公式文書や礼儀を要する場面では「この度」が適切です。

6.2 「この度」と「今回」の使い分け

「今回」は「この度」と似ていますが、ややカジュアルで、日常会話にも使いやすい言葉です。ビジネス文書では「この度」のほうが丁寧で好まれます。

7. まとめ

「この度」はビジネスや冠婚葬祭など、フォーマルな場面で使われる丁寧な表現です。意味は「今回」「最近の出来事」を示し、使い方を間違えなければ文章に品格を加えることができます。日常会話ではやや堅い印象を与えるため、状況に応じて使い分けることが大切です。今回解説した例文や使い方を参考に、「この度」を適切に活用してください。

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