「この件の可否を検討します」といった表現を見かけたことはありませんか?「可否」という言葉はビジネス文書や公的な通知、議論の場などで頻繁に使われる日本語です。一見すると難しそうな言葉ですが、基本を押さえれば誰でも正しく使える便利な表現です。本記事では、「可否」の意味、語源、用法、使われる場面までわかりやすく解説します。

1. 可否とは?基本の意味

1.1 「可否」の読み方と意味

「可否」は「かひ」と読みます。意味は、「賛成か反対か」「良いか悪いか」「許可するか否か」など、ある事柄についての可(=よい、認める)か否(=悪い、認めない)かという判断を示す言葉です。

1.2 判断や決定に関する言葉

「可否」は何かを「してよいか・いけないか」、「進めるべきか・やめるべきか」といった判断の可決・否決を表す場面で用いられます。

2. 可否の語源と構成

2.1 「可」の意味

「可」は「可能」「可決」「可愛」といった言葉にも含まれ、「認める」「受け入れる」といった肯定的な意味を持っています。

2.2 「否」の意味

「否」は「否定」「否認」などの言葉に見られるように、「認めない」「受け入れない」という否定の意味があります。

2.3 対の概念を一語に

「可否」はこの二つの意味を合わせ、「ある行為や事柄についての判断」という意味を一語で簡潔に表すことができる便利な熟語です。

3. 可否の使い方と例文

3.1 よく使われる文脈

「可否」は、意思決定が求められる文脈、例えばビジネス文書、行政通知、報告書、メールなどで使われます。

3.2 例文

- ご提案いただいた案件の可否について、社内で検討中です。
- 会議でプロジェクトの実施可否を決定します。
- 面接の可否は後日メールで通知いたします。
- 参加可否を今週中にご連絡ください。

4. 類義語・関連語との違い

4.1 「可否」と「許可・不許可」

「許可・不許可」は行政や法的な場面で使われることが多く、ややフォーマルです。「可否」はより一般的で、広い判断全般に使える柔軟な表現です。

4.2 「可否」と「是非」

「是非(ぜひ)」も「良いか悪いか」という判断を示しますが、より道徳的・倫理的な側面を含むことが多く、「可否」はもう少し実務的な判断に使われる傾向があります。

5. 可否が使われる具体的な場面

5.1 ビジネスメール

- 「参加可否」「出欠可否」など、イベントや会議への出席の確認に。
- 提案や稟議書の結果について「承認可否の通知」として使われる。

5.2 行政・法律関連

- 許認可の申請時に「手続きの可否」
- 裁判や公的判断における「法的可否の検討」

5.3 学術・研究

- 研究の妥当性を問う際に「研究実施の可否」
- 倫理委員会での「調査の実施可否」

6. 丁寧な言い回しでの可否の使い方

6.1 ビジネス文書での表現例

- 「〜の可否について、上司の判断を仰ぎたく存じます」
- 「〜の可否を検討の上、ご返信いただけますと幸いです」
- 「先日ご提案いただいた内容の可否につき、以下の通り回答いたします」

6.2 回答を求める表現

- 「ご出席の可否を〇月〇日までにご連絡ください」
- 「本提案の実施可否をご判断いただきたく、よろしくお願いいたします」

7. まとめ

「可否(かひ)」は、「良いか悪いか」「認めるか認めないか」といった判断を簡潔に表す言葉であり、ビジネスや公的なやり取りの中で非常に重宝される表現です。語源は「可=よし」「否=あし」といった古典的な漢語に由来し、現在では文章を引き締める表現としてもよく使われます。

正しく理解し、状況に応じて丁寧に使いこなせば、より洗練されたやり取りが可能になります。日常のややフォーマルな場面や文書の中で、自信を持って「可否」という言葉を使ってみましょう。

おすすめの記事