「ご知見をお借りしたく存じます」といった表現は、ビジネスメールで相手の専門的な知識や経験に頼る意図を丁寧に伝えるフレーズです。とても敬意のある言い方ですが、「少しかたすぎる?」「どう返すべき?」と感じる方もいるかもしれません。本記事では、「ご知見をお借りしたく」の意味、使い方、言い換え、具体的なメール例文までわかりやすく解説します。

1. 「ご知見をお借りしたく」の意味とは

1.1 「ご知見」の意味

「知見」は、「知識」や「見識(けんしき)」の丁寧な言い方で、特定分野における専門的な理解や経験を指します。ビジネスでは、相手のスキルや専門性を敬意を込めて表現するときに使います。

1.2 「お借りしたく」の意味

「お借りする」は謙譲語で、「使わせていただきたい」「頼らせていただきたい」というへりくだった表現です。「〜したく」は願望・依頼を表す形です。

1.3 合わせた意味

「ご知見をお借りしたく」は、「あなたの専門的な知識を頼らせていただきたい」といった意味になり、非常に丁寧で配慮ある依頼表現となります。

2. 使用される主な場面

- 専門知識のある相手に相談・意見を求めるとき
- 企画やプロジェクトに対してフィードバックをお願いしたいとき
- 自分の知識だけでは判断が難しいときにアドバイスを仰ぐ場面

2.1 使用例

- 「本件につきまして、是非ご知見をお借りしたく存じます。」
- 「貴重なご知見を賜れましたら幸いです。」
- 「〇〇分野におけるご知見をもとに、ご助言いただけますと幸いです。」

3. 丁寧な言い換え表現

3.1 「ご意見を賜りたく」

一般的なフィードバック依頼に。知識というより意見を求めるときに適しています。

例:
「資料内容について、ご意見を賜れますと幸いです。」

3.2 「ご教示いただきたく」

特定の事実やノウハウを丁寧に教えてほしいときに使う表現です。

例:
「この点についてご教示いただきたく存じます。」

3.3 「ご助言をいただきたく」

アドバイスを求めたいときの柔らかい表現です。

例:
「今後の進め方につきまして、ご助言をいただければと存じます。」

3.4 「ご協力をお願い申し上げます」

知見提供を依頼する一環として「協力」という形でまとめる場合もあります。

4. ビジネスメールでの使用例

4.1 ご相談のお願いメール

件名:〇〇に関するご相談のお願い
本文:
〇〇様
お世話になっております。△△株式会社の□□と申します。
現在進行中の〇〇プロジェクトにおきまして、ご専門の立場からご助言をいただきたく、
ご知見をお借りできればと存じ、ご連絡差し上げました。
お忙しいところ誠に恐縮ではございますが、一度お時間を頂戴できますと幸いです。
何卒よろしくお願い申し上げます。

4.2 資料レビューの依頼

件名:資料レビューのお願い
本文:
〇〇様
いつも大変お世話になっております。
現在作成中の企画書につきまして、ご多忙の中誠に恐縮ですが、
貴重なご知見をお借りし、フィードバックを頂戴できればと考えております。
添付資料をご確認のうえ、ご指摘やご助言をいただけますと幸いです。

4.3 会議や打ち合わせの依頼文中

「本件について、後日お時間をいただき、ご知見をお借りできればと存じます。」

5. 使用時の注意点

5.1 自分の立場をへりくだって伝えること

「お借りする」は謙譲語なので、相手が明確に目上である必要があります。
同僚や対等の立場に使うとやや大げさに感じられることもあります。

5.2 頻用しすぎるとやや堅苦しい印象に

「ご知見をお借りしたく」は丁寧すぎることもあるため、カジュアルな社内やチャットでは
「意見をもらえたら嬉しいです」など自然な表現に切り替えると好印象です。

5.3 具体的に「何を知りたいのか」を添える

漠然と「ご知見をお借りしたく」では伝わりづらいため、
「〜についてご助言を賜れますと幸いです」など、要点を明確にすることが重要です。

6. まとめ

「ご知見をお借りしたく」は、ビジネスシーンで相手の専門的な知識や経験に敬意を払いながら助言や協力をお願いする丁寧な表現です。「ご教示いただきたく」「ご助言を賜りたく」などの言い換えを適切に使い分けることで、相手に配慮した誠実な依頼が可能になります。場面や相手との関係性に応じて適切な言葉を選び、信頼されるビジネスコミュニケーションを心がけましょう。

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