「出来次第（できしだい）」は、「何かが完了したタイミングで直ちに行う」という意味で使われる便利な言い回しです。ビジネスメールや会話でもよく用いられますが、相手や場面に応じて、より丁寧な表現に言い換えることで、印象をより柔らかく、上品に伝えることができます。この記事では、「出来次第」の意味と使い方、シーン別の言い換え例、注意点について詳しく解説します。
1. 「出来次第」の意味とは
1-1. 基本の意味
「出来次第」とは、物事が完了した直後に、それに続けて行動を起こすという意味を持つ表現です。ビジネスでは、「準備が整い次第」「確認が終わり次第」など、スピード感を強調したい場面で使われます。
1-2. 使用される場面
・資料や書類の完成後に連絡や送付をする際
・返信や報告を催促することなく、やんわりと伝えたいとき
・準備が整ったことを受けて次の行動を取るとき
2. 「出来次第」の言い換え表現一覧
2-1. ビジネスで使える丁寧な言い換え
・完了次第
・準備が整い次第
・確認が取れ次第
・〜が済み次第
・整い次第
・〜いたしましたらすぐに
・できあがりましたら速やかに
・完了いたしました段階で
2-2. 柔らかく婉曲的な表現
・〜が済みましたら、追ってご連絡いたします
・完了を確認次第、対応させていただきます
・準備が整い次第、改めてご案内申し上げます
・手配が完了いたしました後、順次ご対応いたします
3. 使用シーン別の言い換え例文
3-1. メールで資料送付を伝える場合
・資料が出来次第、お送りいたします。
→ 資料が準備でき次第、お送り申し上げます。
→ 資料の確認が取れ次第、送付させていただきます。
3-2. 返信・対応を伝える場合
・担当者より折り返し出来次第、ご連絡差し上げます。
→ 担当者の確認が取れ次第、ご連絡いたします。
→ 担当よりの回答がまとまりましたら、速やかにご連絡いたします。
3-3. 社内連絡や報告のタイミングを伝える場合
・修正が出来次第、再提出いたします。
→ 修正が完了次第、再度お送りいたします。
→ 修正作業が済みましたら、改めてご提出いたします。
4. 表現を選ぶ際のポイント
4-1. 相手の立場に応じて柔らかさを調整
「出来次第」はフラットな表現であるため、目上の方や取引先には「〜次第、対応させていただきます」「〜いたしましたら速やかに」といった丁寧表現にすると好印象です。
4-2. 動作の内容を具体的にする
ただ「出来次第」では何が終わるのか分かりづらくなることがあります。例：「確認が取れ次第」「調整が整い次第」など、何をもって「出来た」とするのかを明確にすると、相手にも伝わりやすくなります。
4-3. 曖昧さを避けるフォローの言葉を添える
「〜次第」として終わらせると少し強い印象になる場合があるため、
・「〜いたしましたら、追ってご連絡差し上げます」
・「〜いたしました際には、何卒よろしくお願いいたします」
など、文末に配慮やフォローの言葉を加えると自然な印象に。
5. よくある質問
5-1. 「出来次第」はメールで使っても問題ない？
問題ありません。ただし、ビジネスではやや口語的に感じられることもあるため、文体に合わせて「完了次第」「整い次第」などと使い分けるのが理想です。
5-2. 会話でも使える？
会話でもよく使われます。
例：「準備出来次第、お声かけしますね」
ビジネスでも違和感はありませんが、フォーマルな場では「〜が整いましたらすぐに」と言い換えるとより丁寧です。
5-3. 「出来次第」は敬語？
「出来次第」自体は敬語ではなく中立的な表現です。丁寧にしたい場合は「〜でき次第ご連絡差し上げます」「〜いたしましたら」などと補足する必要があります。
まとめ
「出来次第」は、何かが完了したらすぐに行動を起こすという意味を持つ、日常からビジネスまで広く使える便利な表現です。ただし、丁寧さが求められる場面では「完了次第」「準備が整いましたら」などに言い換えることが望ましく、文脈に応じた調整が必要です。相手の立場や場面に合わせて柔軟に使い分けることで、より丁寧で伝わりやすいコミュニケーションが実現します。
