「ご提示いただいた」は、相手が何かを提示してくれたことに対して敬意を示しつつ、それを受け取った(教示された)自分の立場を表す言葉です。ビジネスシーンや公的な場面で「提示する」を敬語に変換した表現のひとつと言えます。上司や取引先など、目上の相手から何かを見せてもらったり案内してもらったりした際に使われることが多く、丁寧さを保ちながら感謝や理解を示せるのが特徴です。本記事では「ご提示いただいた」の具体的な意味や使い方、ビジネスでの例文を紹介します。

1. 「ご提示いただいた」の意味

「ご提示いただいた」は、「提示する」を敬語に変換した表現です。
- 「提示する」…資料や案、プランなどを相手に示す、見せる
- 「ご〜いただく」…相手の行為に対して敬意と感謝を示す謙譲表現

つまり「ご提示いただいた」は、「相手が示してくれた情報や物事を受け取った」ことを、敬意を持って伝えているというニュアンスがあります。

2. 使う場面・シチュエーション

1. 上司や取引先から提案資料、見積書、スケジュール案などを受け取ったとき
2. クライアントや顧客が要望や仕様を示してくれた場合
3. セミナーや会議などで具体的なデータやプランを見せられ、それを言及するとき

相手が何かを「提示」してくれた、その事実を指し示す言い回しとして「ご提示いただいた」を使うことで、ビジネス上の丁寧さやリスペクトを表すことができます。

3. 例文

3-1. メールや文書での例

件名: 新プランに関する確認事項
本文:
〇〇株式会社 〇〇部 〇〇様
いつもお世話になっております。△△部の□□です。
先ほどご提示いただいた新プランの詳細を拝見いたしました。非常に興味深く、ぜひ検討を進めたいと考えております。
つきましては、以下の点について追加で確認したく存じますので、お手数をおかけしますが、ご回答のほどよろしくお願いいたします。
1. プロジェクト開始時期
2. 必要リソースと予算
以上、ご多用のところ恐縮ですが、何卒よろしくお願い申し上げます。

3-2. 口頭での例

「先ほどご提示いただいたスケジュール案ですが、社内で確認したところ問題なく進められそうです。次は詳細を詰めるミーティングを設定しようと思いますので、改めて日程調整をお願いできますでしょうか。」

「ご提示いただいた見積書に関しまして、いくつかお伺いしたい点がございます。よろしければ、本日中にお時間を頂戴できないでしょうか。」

4. 他の言い回しとの比較・使い分け

「ご提示いただいた」は、少しフォーマルな表現です。同じような意味を持つフレーズでも、場面や相手との距離感によって使い分けると良いでしょう。

1. 「いただいた資料」「いただいたご提案」
- ややカジュアルで相手との距離が近い場合や社内向けメモなどで使いやすい
2. 「お示しいただいた」
- 「ご提示いただいた」と非常に似た意味だが、やや柔らかい印象
3. 「ご提案いただいた」
- 相手が提案してくれた、という意味を強調するときに便利

それぞれに微妙なニュアンスの違いがあるため、相手や状況に合った言い回しを選ぶのがポイントです。

5. 注意点

1. 乱用しない
「ご提示いただいた」を文章中で何度も繰り返すと、くどい印象を与えかねません。一つの文書やメールの中では、適度に他の言い回し(ご提案いただいた、示してくださった)などと切り替えると自然です。
2. 相手が明示的に何かを提示した場合に使う
「提示」とは、具体的な資料や案、証拠などを見せることです。漠然と「話をした」だけなら「ご提示いただいた」の表現は合わないことがあります。「お知らせいただいた」「ご連絡いただいた」など別の敬語を選びましょう。
3. 相手との立場や関係性を考慮する
社内の気心知れた同僚相手に「ご提示いただいた」を連発すると、逆に堅苦しい印象を持たれる場合もあります。相手が取引先や上司の場合に使う方が自然です。

6. まとめ

「ご提示いただいた」は、相手から提示された資料や情報について感謝や敬意を示しながら受け取る表現です。ビジネスメールや打ち合わせ時など、多くのシーンで活用できる丁寧な言い回しですが、適切なタイミングと相手の立場を考慮して使うことが大切です。

- 相手が実際に資料や案などを提示してくれた場合
- 敬意を示したい相手やフォーマルな場面
- 代わりに「ご提案いただいた」「お示しいただいた」なども状況に合わせて検討

上手に使い分けることで、よりスムーズで好印象なコミュニケーションを図ることができます。

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