日本語には、ひとつの漢字が複数の読み方を持つ言葉が多くあります。その中でも「被る」は、日常生活でよく見かける漢字ですが、正しい読み方や意味を理解している人は意外と少ないです。本記事では「被る」の読み方を中心に、意味や使い方、漢字のニュアンス、慣用表現まで詳しく解説します。
1. 被るの基本的な読み方
「被る」の読み方は文脈によって異なります。代表的な読みは以下の通りです。
・かぶる
・こうむる
日常生活で最も多く使われるのは「かぶる」で、フォーマルな文章や法律・公文書では「こうむる」が使われることがあります。
1-1. 「かぶる」の読み方
「かぶる」は、帽子や頭に何かを置く動作を表す際に使います。また、比喩的に責任や被害を受ける意味でも使用されます。
例:
・帽子をかぶる
・恥をかぶる
1-2. 「こうむる」の読み方
「こうむる」は、主に文語的・硬い表現で使われます。損害や恩恵、災害などを受ける場合に用いられることが多いです。
例:
・被害をこうむる
・恩恵をこうむる
2. 被るの意味
「被る」は状況や文脈によって複数の意味があります。
2-1. 物理的に上から覆う
最も基本的な意味は、上から覆うことです。帽子や布など、頭や物体にかける動作を表します。
例:
・布団を被る
・日よけの帽子を被る
2-2. 責任や損害を受ける
比喩的な意味として、損害や責任、被害を受けるというニュアンスがあります。
例:
・失敗の責任を被る
・台風で被害を被る
2-3. 恩恵や利益を受ける
まれに、良いことや恩恵を受ける意味でも使われます。
例:
・助力を被る
・恩恵を被る
3. 漢字「被」の意味と成り立ち
「被」という漢字は、単独でも「かぶる」「こうむる」の意味を持ちます。象形や会意からも意味を理解できます。
3-1. 漢字の成り立ち
「被」は「衣」と「皮」の組み合わせからできています。
衣:服や覆うもの
皮:皮膚や外側を覆うもの
この組み合わせにより、「覆う」「身に受ける」という意味が生まれました。
3-2. 漢字のニュアンス
漢字自体に**「上から覆われる」感覚**があるため、物理的にも抽象的にも自然に使えます。
4. 被るの使い方
「被る」は、日常語から文語まで幅広く使われます。
4-1. 日常生活での使用例
物理的な行動に対して「かぶる」がよく使われます。
例:
・雨で頭を濡らさないよう帽子を被る
・布団を被って寝る
4-2. 社会的・比喩的な使用例
責任や損害を受ける場合は「かぶる」「こうむる」が使用されます。
例:
・プロジェクトの失敗の責任をかぶる
・自然災害の被害をこうむる
4-3. 恩恵や利益を受ける使用例
「こうむる」を使うことで、恩恵や利益を受けるニュアンスも出せます。
例:
・政府の支援をこうむる
・先人の知恵の恩恵を被る
5. 被るの慣用表現
「被る」はさまざまな慣用表現としても使われます。
5-1. 恥を被る
失敗や恥ずかしい出来事の責任を負う意味。
5-2. 災難を被る
自然災害や事故などで損害を受ける意味。
5-3. 後光を被る
比喩的に、恩恵や利益を受けること。尊敬される立場にある人からの利益を受ける場合にも使われます。
6. 「かぶる」と「こうむる」の使い分け
混同しやすい2つの読み方ですが、状況に応じて使い分けることが重要です。
6-1. 「かぶる」の使い方
日常会話やカジュアルな文章で使う
物理的な動作や軽度の責任に使われる
例:
・雪で頭が濡れないよう帽子をかぶる
・小さな失敗の責任をかぶる
6-2. 「こうむる」の使い方
文語的・正式文書で使う
大きな損害や公式の責任、恩恵に使われる
例:
・自然災害による被害をこうむる
・政府から支援の恩恵をこうむる
7. 被るの関連語
「被る」と意味が関連する言葉も知っておくと理解が深まります。
7-1. 受ける
最も近い意味で、「損害や恩恵を受ける」場合に置き換え可能です。
7-2. 担う
責任や義務を「背負う」ニュアンスで使われます。
7-3. かぶせる
他動詞で「上から覆う」動作を表す場合に使います。「被る」は自動詞で、自分が覆われることを表す点が異なります。
8. 被るの理解のポイント
正しい使い方を覚えるためには、以下のポイントを押さえると便利です。
8-1. 誰が主体かを意識する
自分が受ける場合 → 被る(かぶる/こうむる)
他人に何かをさせる場合 → かぶせる
8-2. 文脈で読み方を判断する
日常的な行動 → かぶる
公式・文語・重大な事象 → こうむる
8-3. 漢字のニュアンスを意識する
「上から覆われる」という感覚を意識すると、比喩的表現にも自然に応用できます。
9. まとめ
「被る」は、「かぶる」と「こうむる」の二つの読み方があり、意味は物理的に覆うことから、責任や損害、恩恵を受けることまで幅広く使われます。文脈に応じて読み方と意味を使い分けることが重要です。また、漢字「被」自体が持つ「上から覆われる」というニュアンスを理解すると、表現の幅も広がります。日常生活から文書・文学作品まで幅広く使われる言葉として、正しい読み方と使い方を覚えておくことが大切です。
