新年を迎えるために、家やお店に飾る「正月飾り」。その華やかで縁起の良い飾りは、日本の伝統的な文化の一部として欠かせないものです。しかし、正月飾りを飾るタイミングには、一般的に決まりごとがあります。正月飾りを飾り始める日や片付けるタイミングについて、正しい知識を持っていることは、年神様を迎える大切な準備の一環となります。

この記事では、「正月飾りはいつからいつまで飾るべきか?」という疑問に対して、飾る時期やその意味について詳しく解説します。さらに、正月飾りの種類や、地域ごとの違いについても触れていきます。

正月飾りはいつから飾るのが適切?

1. 正月飾りは「12月13日」から

正月飾りを飾り始める日として、最も一般的な目安は 12月13日 です。この日を「正月事始め(しょうがつことはじめ)」と言い、正月の準備を始める日として広く認識されています。12月13日以降に正月飾りを飾ることで、年神様を迎える準備が整うという考え方が根底にあります。

2. なぜ12月13日が目安なのか?

「12月13日」という日付が特別な理由は、昔の日本の暦に基づいています。この日から、年神様を迎えるための準備を始めるとされており、地域によっては大掃除や門松を設置するなど、年末の行事を本格的に始めるタイミングでもあります。また、12月13日という日を「事始め」とすることで、1年の終わりを迎える準備が整い、良い運気を迎える準備が整います。

3. 12月28日までには飾る

正月飾りは 12月28日 までに飾るのが一般的です。12月28日は、「二十八日(にじゅうはちにち)」とも呼ばれ、正月の準備を終える日として重要な日です。この日に正月飾りを飾り終えることが推奨されています。
逆に、12月29日や30日は避けるべき日とされています。これは、29日が「苦(く)」を連想させ、30日が「三十日=越年(おおねん)」とされており、正月飾りを飾るには縁起が良くないとされています。

正月飾りはいつまで飾るべきか?

1. 正月飾りは「1月7日」までが基本

正月飾りは 1月7日 までに飾っておくのが基本です。これは、年神様が家に滞在している期間が1月7日までとされているためです。1月7日は「七草粥(ななくさがゆ)」を食べる日でもあり、正月を終える日とされています。この日を過ぎると、年神様は次の家に移るため、正月飾りも片付けるべきだと考えられています。

2. 地域による違い:松の内

地域によっては、「松の内」という期間が異なる場合があります。松の内とは、正月飾りを飾る期間を指し、一般的には1月7日までとされますが、関西地方では 1月15日 まで飾る習慣が残っているところもあります。このため、関西地方では「松の内」を15日までとすることが多く、その期間に正月飾りを片付けるのが一般的です。

3. 片付けるタイミング

正月飾りを片付けるタイミングについても地域差がありますが、1月7日が過ぎると基本的に片付けるのが望ましいとされています。これは年神様が家を去る日を意味しており、その後に飾りを残しておくことは「神聖なものを無駄にする」と考えられ、避けられています。

正月飾りの種類とその意味

正月飾りにはさまざまな種類があり、それぞれに深い意味があります。以下に代表的なものを紹介します。

1. しめ縄(注連縄)

しめ縄は、神様が家に入るための目印として飾られます。しめ縄は、家庭を清め、邪気を払い、神様を迎え入れる役割を持っています。また、しめ縄には「悪運を避ける」「家内安全」を祈願する意味も込められています。

2. 鏡餅

鏡餅は、年神様が宿る場所を示すために飾られます。鏡餅を飾ることで、神様を迎え、家族の繁栄と幸福を願う意味があります。鏡餅には「鏡のように光り輝く未来」を願う意味も込められており、縁起が良いとされています。

3. 松飾り

松は「不老長寿の木」として知られ、松飾りは家族の健康や長寿を願う意味があります。松飾りを飾ることで、新年の無病息災や長寿を祈願することができます。

4. 破魔矢(はまや)

破魔矢は、邪気を払うために使われる守りのアイテムです。家の玄関や神棚に飾ることで、厄除けや家の守りを固めるとされています。

正月飾りを飾る際の注意点

1. 早すぎないように

正月飾りを飾るタイミングとしては、12月13日以降 が理想的です。それ以前に飾ると、年神様がまだ家に来ていないため、神聖な準備をする意味が薄れてしまいます。また、12月1日など早すぎるタイミングで飾ることも避けるべきです。

2. 片付けを忘れない

正月飾りを飾ったら、忘れずに片付けることが大切です。1月7日を過ぎると、年神様が去ると考えられており、飾りが残っていると神聖な意味を失い、悪運を呼び寄せると言われています。

3. 綺麗に飾る

正月飾りは、家族全員が健康で幸せな一年を送るための準備です。飾りつけが雑であったり、汚れていたりすると、年神様を迎える準備が不十分だと考えられることもあります。飾り付けは丁寧に行い、清潔感を保ちましょう。

【まとめ】正月飾りは「12月13日」から飾り始め、1月7日まで飾る

正月飾りは、年神様を迎えるために欠かせない重要なアイテムです。飾り始めのタイミングは 12月13日 以降が最適で、遅くとも 12月28日 までには飾るようにしましょう。また、飾る期間は 1月7日 までが基本ですが、地域によっては 1月15日 まで飾ることもあります。
正月飾りを正しいタイミングで飾ることで、神様を迎え、家族や親しい人々の健康と繁栄を願いながら、新しい一年を迎える準備が整います。ぜひ、今年の正月には、伝統を大切にした飾りつけを行い、素晴らしい一年のスタートを切りましょう。

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