「配架」という言葉は図書館や資料管理の現場で使われますが、一般にはあまり馴染みがないかもしれません。本記事では配架の基本的な意味、図書館での実践方法、整理のポイントまで詳しく解説します。
1. 配架の基本的な意味
配架とは、図書館や書庫で本や資料を適切な順序に並べることを指す専門用語です。単に「置く」という意味だけでなく、利用者が資料を探しやすいように秩序を保つ行為を含みます。
1-1. 配架の語源
配架は「配」と「架」という漢字で構成されます。「配」は割り当てる、分配するの意味があり、「架」は棚や置き場所を示します。つまり配架は「棚に割り当てて置く」という意味を持ちます。
1-2. 配架と整理の違い
配架は整理の一部ですが、整理全体とは異なります。整理は資料の分類や不要資料の整理、修復なども含みますが、配架は分類が決まった後に資料を棚に並べる具体的な作業を指します。
2. 図書館での配架方法
図書館での配架は利用者が効率的に資料を見つけられるように工夫されています。分類方法やラベル管理など、配架にはいくつかの基本ルールがあります。
2-1. 日本十進分類法(NDC)に基づく配架
多くの図書館では日本十進分類法(NDC)を使用して本を配架しています。NDCは10進法を使った体系的な分類で、社会科学、自然科学、文学など分野ごとに番号が振られています。
2-2. 配架の順序
配架の基本は番号順に並べることです。例えばNDC番号が「001」「002」「003」の順で並ぶようにし、同じ番号内では著者名や出版年などの補助情報で順序を決定します。
2-3. 目録やラベル管理
配架する際はラベルやバーコードを確認し、目録情報と一致していることを確認する必要があります。誤配架を防ぎ、資料の所在を正確に保つためです。
3. 配架作業の手順
配架作業は単純に棚に置くだけではありません。正確な手順を踏むことで効率的に作業を進められます。
3-1. 資料の準備
まず資料を整理・分類し、配架する順番に並べます。傷んだ本や修理が必要な資料は配架前に別に管理します。
3-2. 棚の確認
配架する棚が空いているか、ラベルや番号が正確に貼られているかを確認します。棚のスペースや順序が正しいかも重要です。
3-3. 配架作業
番号や分類に従って資料を順番に並べます。同じ分類の中では著者名や出版年順でさらに整列させることがあります。作業後は必ず目録と照合して間違いがないか確認します。
4. 配架の注意点
配架作業では正確性や効率性が求められます。注意点を押さえることで利用者にとって利便性の高い図書館運営が可能です。
4-1. 順序の徹底
番号順や分類順を守らないと、利用者が資料を見つけられなくなります。配架時は細かい順序まで確認することが重要です。
4-2. 資料の破損防止
資料を無理に押し込むと破損の原因になります。棚に余裕を持たせ、取り出しやすい配置を心掛けることが大切です。
4-3. 定期的な見直し
利用状況や新規資料の追加に応じて、配架の順序や棚の配置を見直すことが必要です。これにより図書館全体の利便性を維持できます。
5. 配架と関連する図書館業務
配架は図書館業務の一部であり、他の作業と密接に関わっています。
5-1. 受入と分類
新しい資料を受け入れ、適切な分類を行うことが配架の前提です。分類が正確でなければ配架の順序も崩れます。
5-2. 棚卸と管理
配架後も定期的な棚卸で資料の所在を確認し、紛失や誤配架を防ぎます。正確な棚管理は利用者サービスに直結します。
5-3. 返却・再配架
利用者が資料を返却した後も、元の位置に正確に再配架することが重要です。これにより資料の利便性が保たれます。
6. まとめ
配架とは、資料を分類に従って棚に並べる作業で、図書館運営に欠かせない業務です。正確な配架は利用者が資料をスムーズに利用できる環境を作ります。分類方法や順序、棚管理を徹底することで、図書館全体の利便性を高めることが可能です。
