「ミイラ取りがミイラになる」という表現は、日本語のことわざの一つで、比喩的に使われる言葉です。相手を助けに行った人が逆に同じ状況に陥ってしまう様子を表しています。本記事では、その意味や由来、具体的な使用例についてわかりやすく解説します。

1. ミイラ取りがミイラになるの基本的な意味

「ミイラ取りがミイラになる」とは、人を助けたり、連れ戻したりするために出かけた人物が、逆に相手と同じ立場になって戻れなくなることを意味します。転じて、他人を救おうとしていたのに、自分も同じ問題や失敗に巻き込まれてしまう状況を表すことわざです。

2. 由来

この表現の由来は江戸時代にさかのぼります。当時、病死した人の遺体を乾燥させて「ミイラ」とする風習が一部にあり、ミイラを探しに山中に入った人が、遭難して自らも帰らぬ人となることがありました。ここから「ミイラ取りがミイラになる」という言葉が生まれたとされています。

3. 使い方の例

3-1. 日常会話での例

・「あの人を注意しに行ったら、逆に一緒に遊んでしまった。まさにミイラ取りがミイラになるだね。」
・「飲みすぎの友達を迎えに行ったのに、自分もつられて飲みすぎてしまった。」

3-2. ビジネスでの例

・部下の失敗を正すために関わった上司が、結局同じ問題に巻き込まれる。
・不正を調査する立場だった人が、自らも不正に加担してしまう。

4. 類似のことわざ・表現

・虻蜂取らず(両方を狙って結局何も得られない)
・同病相憐れむ(同じ立場の人同士が共感する)
・共倒れ(助けようとした結果、両者ともに失敗する)

5. 注意点

「ミイラ取りがミイラになる」はユーモラスな響きを持つため、日常会話や軽い冗談としても使われます。ただし、深刻な場面や失敗の責任が重いときに使うと、軽んじている印象を与えることがあるため注意が必要です。

6. まとめ

「ミイラ取りがミイラになる」とは、人を助けたり注意したりするつもりが、逆に自分も同じ失敗に陥ることを意味することわざです。日常会話からビジネスまで幅広く使われますが、ユーモアを含む表現であるため、場面に応じて使い分けることが大切です。

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