「go through」は英語学習者にとってよく出てくるフレーズですが、その意味や使い方は多岐にわたり、文脈によって異なります。単に「通り抜ける」だけでなく、「経験する」「詳しく調べる」など様々なニュアンスがあります。この記事では「go through」の基本的な意味、使い方のパターン、例文、ビジネスシーンでの活用法、類似表現との違いなどをわかりやすく解説します。
1. 「go through」の基本的な意味
1.1 物理的に「通り抜ける」
最も基本的な意味は「何かを通り抜ける」「通過する」です。例えば「トンネルを通り抜ける」などの場面で使われます。
例:
We went through the tunnel.(私たちはトンネルを通り抜けた。)
1.2 「経験する・体験する」
「go through」は困難や試練、手続きなどを経験する、体験するという意味でもよく使われます。
例:
She went through a difficult time last year.(彼女は去年つらい時期を経験した。)
1.3 「詳しく調べる・確認する」
書類やリスト、データなどを細かく調べたり、確認したりする意味もあります。
例:
I need to go through these documents before the meeting.(会議の前にこれらの書類を詳しく確認する必要がある。)
2. 「go through」の多様な使い方と例文
2.1 手続きや段階を「経る」
「go through」は何かの手続きや過程を通過する、完了する時にも使われます。
例:
The project went through several phases.(プロジェクトはいくつかの段階を経た。)
The proposal went through the approval process.(提案は承認プロセスを通過した。)
2.2 困難や試練を「乗り越える」
個人が困難や問題を経験し、それを乗り越える時にも使います。
例:
He went through a lot during his childhood.(彼は子どもの頃、多くの苦労を経験した。)
We are going through tough times right now.(今、私たちは厳しい時期を過ごしている。)
2.3 審査・検査を受ける
書類や製品などが検査や審査を経るという意味で使うこともあります。
例:
The product must go through quality control.(その製品は品質管理の検査を受けなければならない。)
3. 「go through」の構文と文法
3.1 他動詞としての使い方
「go through」は目的語を必要とする他動詞句です。必ず「go through + 名詞(物・経験)」の形で使います。
例:
go through a procedure(手続きを経る)
go through hardship(困難を経験する)
3.2 時制による使い分け
過去形「went through」や現在進行形「going through」もよく使われ、経験や進行中の状態を表します。
例:
I went through a tough exam last week.(先週厳しい試験を受けた。)
She is going through a divorce now.(彼女は今、離婚の過程にある。)
4. ビジネスシーンでの「go through」の使い方
4.1 手続きや承認の過程を表す
ビジネスの現場では「go through」が契約や提案が承認される過程を指すことが多いです。
例:
The contract went through all the necessary approvals.(契約は必要なすべての承認を得た。)
Our budget request needs to go through the finance department.(予算申請は財務部門の承認を受ける必要がある。)
4.2 仕事のレビューや確認
会議やプロジェクトの進行で資料やデータを「go through」することは非常に一般的です。
例:
Let’s go through the agenda before the meeting.(会議の前に議題を確認しましょう。)
We need to go through the sales report carefully.(売上報告書を慎重にチェックする必要がある。)
5. 類似表現と使い分け
5.1 「look through」との違い
「look through」も書類などをざっと見る意味ですが、「go through」はより詳細に調べたり、一つ一つ確認するニュアンスがあります。
5.2 「pass through」との違い
「pass through」は「通り抜ける」という物理的な意味が強いですが、「go through」は経験や手続きを含む場合が多いです。
5.3 「undergo」との違い
「undergo」は「(医療処置や変化など)経験する」という意味で、フォーマルな文脈でよく使われます。「go through」よりも堅い印象です。
6. 日常会話でよく使われる「go through」の表現例
6.1 感情や経験に関する表現
- I’m going through a tough period right now.(今、つらい時期を過ごしている。) - She went through a lot after losing her job.(彼女は仕事を失った後、多くの苦労をした。)
6.2 書類や資料のチェック
- Could you go through this report and give me your feedback?(この報告書をチェックしてフィードバックをください。) - We need to go through the contract before signing.(署名前に契約書を詳しく確認する必要がある。)
7. 「go through」の注意点と間違えやすいポイント
7.1 自動詞としては使わない
「go through」は必ず目的語を取る他動詞句なので、「go through」だけで使うのは不完全です。必ず「go through something」の形で使いましょう。
7.2 ネガティブな意味が強く出る場合もある
困難やトラブルを経験する意味が強い場合、聞き手に重たい印象を与えることがあります。文脈に応じて使い方を調整しましょう。
8. まとめ
「go through」は「通り抜ける」「経験する」「詳しく調べる」など多彩な意味を持つ重要なフレーズです。日常会話やビジネスシーンで頻繁に使われ、正確に理解し使い分けることが英語力アップの鍵となります。文脈に応じて柔軟に使いこなし、多様なニュアンスを覚えておきましょう。