連用修飾語とは、動詞・形容詞・副詞などを修飾して、動作の様子や程度、理由、時間などを詳しく説明する語です。文章をより豊かにし、伝えたい情報を明確にするために必須の要素です。本記事では、連用修飾語の意味、種類、例文、使い方のコツをわかりやすく解説します。国語文法が苦手な方でも理解できる内容です。
1. 連用修飾語とは
連用修飾語とは、主に動詞・形容詞・副詞・文全体を修飾し、動作の様子や程度、理由、時間などを説明する語のことです。
文章中で働きかける対象が「名詞」なら連体修飾語に、「動作や状態」なら連用修飾語に分類されます。
例
ゆっくり歩く
突然雨が降った
とてもきれいだ
これらの例では、「ゆっくり」「突然」「とても」が連用修飾語です。どれも「歩く」「降った」「きれいだ」といった動作や状態を詳しく説明しています。
連用修飾語があることで、伝えたい内容がより具体的になります。
2. 連用修飾語で修飾できる対象
2-1. 動詞を修飾する
連用修飾語の最も典型的な働きが、動詞を説明することです。
例
早く走る
静かに話す
一気に飲む
「どうする?」という動作に対して「どんなふうに?」を追加しているのがポイントです。
2-2. 形容詞・形容動詞を修飾する
状態をより詳しく説明します。
例
とても寒い
すごく大事だ
少し不安だ
2-3. 副詞を修飾する
副詞同士が重なり、さらに意味を強めるケースです。
例
かなりとても珍しい
ほんの少しだけ早く
2-4. 文全体を修飾する
「実は」「もし」「しかし」などの語が文の前に来ることで、文全体の意味や方向性を調整します。
例
しかし、雨は止まなかった。
もし、明日晴れたら出かけよう。
3. 連用修飾語のタイプ(意味ごとの分類)
3-1. 程度を表す
例 とても かなり 少し
程度を説明し、強弱を調整できます。
例文
とても嬉しい
少し疲れた
3-2. 様子・状態を表す
例 ゆっくり 急に 静かに
例文
ゆっくり歩く
急に笑い出した
3-3. 時間を表す
例 今 昨日 すぐに
例文
昨日雨が降った
すぐに向かいます
3-4. 頻度を表す
例 たまに しばしば よく
例文
よく映画を見る
たまに外食する
3-5. 否定や判断を表す
例 全く 決して 必ずしも
例文
全く思わない
決して許されない
3-6. 文章全体を修飾する語
例 しかし ただ つまり もし
例文
つまり、結論はこうなる。
4. 連用修飾語の作り方
4-1. 連体修飾語を連用修飾語に変える方法
名詞を副詞化することで、連用修飾語にできます。
例
静かな声 → 静かに話す
簡単な説明 → 簡単に説明する
形容動詞なら「に」、形容詞なら「く」に変化させることが多いです。
形容詞
楽しい → 楽しく
暑い → 暑く
形容動詞
きれいだ → きれいに
明確だ → 明確に
4-2. 助詞を使って連用修飾語にする
名詞+助詞により、連用修飾語として機能させることもできます。
例
朝に走る
日本で学ぶ
毎日勉強する
5. 連用修飾語の見分け方
5-1. 名詞を修飾していなければ連用修飾語
例 静かに歩く → 動詞を修飾(連用) 静かな部屋 → 名詞を修飾(連体)
どの語を説明しているかが判断ポイントです。
5-2. 消して意味が変わるか試す
例 とても寒い 寒い でも意味は通る → とても = 修飾語
5-3. 文全体の意味を変える語は連用修飾語
例 しかし、雨は止まなかった。
「しかし」がなくなると文章の印象が大きく変わります。
6. よくある間違いと注意点
6-1. 連体修飾語と混同する
例 静かな部屋 → 名詞を修飾(連体) 静かに話す → 動作を修飾(連用)
6-2. 副詞を多用して読みづらくなる
副詞を入れすぎると冗長になります。必要な場面を選びましょう。
7. 連用修飾語を使いこなすコツ
7-1. 具体的な語を選ぶ
例 よく走る より 毎朝5km走る の方が明確
7-2. 修飾する語から近くに置く
修飾語が遠いと読みにくくなります。
例
悪い例
私は昨日図書館に本を返しに急いで行った。
良い例
私は昨日、急いで図書館に本を返した。
7-3. 目的を意識する
動作を詳しく説明したいのか、感情を強めたいのかによって語を使い分けます。
8. まとめ
連用修飾語とは、動詞・形容詞・副詞などを修飾し、動作の様子や状態を詳しく説明する語です。程度、時間、頻度など、さまざまな情報を追加できます。
ポイントは以下の通りです。
動詞・形容詞・副詞を説明する
文章を自然にするために使いすぎない
修飾する語の近くに置く
連用修飾語を理解すると、文章が読みやすく、豊かになり、伝えたいことを明確に表現できます。
