ニュースやビジネスの文章などでよく見かける「例年」という言葉。「例年より暑い夏になりそうです」「例年通りの行事が行われました」など、季節や出来事を表す際に使われます。この記事では、「例年」の正しい意味、使い方、そして似た言葉との違いを丁寧に解説します。

1. 「例年」とは?

「例年(れいねん)」とは、これまでの年々・毎年の例を意味する言葉です。
簡単に言うと、「過去の普通の年」「いつも通りの年」を指します。

つまり「例年」は、「特別な年ではなく、通常の年」や「これまでの傾向に沿った年」を表す表現です。

  • 例文1:例年より早く桜が開花した。
  • 例文2:例年通り、入学式は4月に行われる。
  • 例文3:今年の気温は例年に比べて高い。

2. 「例年」の語源と成り立ち

「例年」は「例(れい)+年(ねん)」から成る熟語です。
ここでの「例」は「いつもの場合」「慣例」という意味で、「年々の例」=「これまでの年の傾向」を表しています。

つまり、「例年」とは「通常見られる年ごとのあり方」という意味で、気象、行事、業績などの比較対象として使われます。

3. 「例年」の使い方と例文

「例年」は主に、他の年との比較や、習慣的な行事・傾向を述べるときに使います。
フォーマルな文書やニュース記事などでもよく用いられる表現です。

3-1. 比較の文で使う場合

「例年より〜」「例年に比べて〜」などの形で、今年の特徴を説明する言い方です。

  • 例年より気温が高い。
  • 例年に比べて観光客が多い。
  • 例年にないほどの大雪となった。

3-2. 慣例・行事を述べる場合

毎年行われる行事や恒例のイベントを表すときにも使われます。

  • 例年通り、卒業式は3月に開催される。
  • 例年になく多くの人が参加した。
  • このお祭りは例年7月に行われる。

3-3. ビジネスや公式文書での使用例

  • 当社では例年、年末に納会を実施しております。
  • 例年の傾向から、売上は第3四半期に増加します。
  • 例年同様、本年も安全第一で業務を進めてまいります。

4. 「例年」を使うときの注意点

「例年」はあくまで「これまでの平均的な年」「過去の通常の傾向」を表す言葉です。
したがって、「今年初めて行う」「前例がない」ことに対しては使えません。

誤用例:

  • × 今年は初開催だが、例年に比べて盛り上がった。
     →「初開催」なら過去との比較ができないため誤り。

5. 「例年」と似た言葉の違い

言葉 意味 使い方
例年 これまでの平均的な年・通常の年 例年より暖かい冬
平年 気象学で使う統計上の平均年 平年より気温が高い
毎年 年ごとに・毎年繰り返されること 毎年花見を楽しむ
恒例 長く続いてきた習慣・決まり事 恒例の新年会

特に「平年」との違いに注意が必要です。「平年」は気象庁などで使われる統計上の平均値を示す専門的な用語であり、「例年」は日常的な比較表現として使われます。

6. 「例年」の英語表現

英語では文脈に応じて次のように表現できます。

英語表現 意味 例文
as usual いつも通り The festival was held as usual.(例年通り祭りが行われた。)
every year 毎年 We visit Kyoto every year.(例年、京都を訪れる。)
compared to previous years 例年に比べて This summer is hotter compared to previous years.(例年に比べて暑い夏だ。)

7. まとめ

「例年(れいねん)」とは、これまでの普通の年や平均的な年を指す言葉です。
「例年より〜」「例年通りに〜」といった形で使われ、主に行事や気象、傾向などを述べるときに使われます。
似た言葉の「平年」や「毎年」との違いを理解することで、より自然で正確な日本語表現ができるようになります。

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