「繰入金(くりいれきん)」という言葉は、会計や財務の文脈でよく使われます。特に企業会計や地方自治体の財務資料に登場し、資金の移動を表す専門用語です。しかし、具体的にどのような意味を持ち、どの場面で使われるのかを理解している人は少なくありません。本記事では、繰入金の意味や使い方、関連する会計処理まで詳しく解説します。
1. 繰入金の基本的な意味
繰入金とは、ある会計区分や基金から別の会計区分へ資金を移す際に用いられるお金のことを指します。簡単に言えば「特定の目的や勘定から別の勘定に移すお金」のことです。
例文
* 一般会計から特別会計へ繰入金が行われた。
* 退職給付引当金に繰入金を計上する。
2. 繰入金の使い方
2-1. 企業会計での繰入金
企業の財務管理では、各種引当金や積立金に対して繰入金を行います。
例文
- 減価償却費を計上し、修繕引当金に繰入金する。
- 退職給付引当金に繰入金を行った。
2-2. 自治体会計での繰入金
地方自治体の財務では、一般会計から特別会計や基金に資金を移す際に「繰入金」という言葉が使われます。
例文
- 国民健康保険特別会計に一般会計から繰入金を行った。
- 財政調整基金への繰入金が増額された。
2-3. 個人・日常的な文脈ではあまり使われない
繰入金は会計用語のため、個人の日常会話ではほとんど登場しません。主に企業や行政の財務報告で使われる言葉です。
3. 繰入金と関連する会計用語
- 引当金:将来の支出に備えて計上する会計上の負債
- 積立金:特定の目的のために準備する資金
- 繰越金:翌年度に持ち越す資金
- 繰出金:ある会計から他の会計に出す資金(繰入金の反対側の表現)
4. 繰入金の会計上の位置づけ
繰入金は、費用として扱われる場合と資金移動として扱われる場合があります。企業では主に「引当金繰入額」として損益計算書に計上され、自治体では「会計間の資金移動」として財務書類に記載されます。
5. 繰入金を使った表現例
- 退職給付引当金への繰入金を増額する。
- 医療特別会計への繰入金が財政を圧迫している。
- 基金への繰入金を通じて将来の支出に備える。
- 修繕引当金に繰入金を行うことで、設備更新に備える。
6. 繰入金を理解するポイント
- 読み方は「くりいれきん」
- 会計上、ある区分から別の区分へ移すお金を指す
- 企業会計では引当金や積立金に対する処理
- 自治体会計では会計間・基金への資金移動
- 繰出金とは表裏の関係
7. まとめ
繰入金とは、企業や自治体の会計において、ある区分や基金から別の区分に資金を移すお金のことを意味します。企業会計では引当金や積立金への繰入として、自治体では一般会計から特別会計・基金への移動として用いられます。繰入金の概念を理解することで、財務諸表や予算資料をより深く読み解けるようになります。
ご希望であれば、企業会計と自治体会計での繰入金の仕訳例も具体的に紹介できますが、追加しますか?