「もとより」は文章や会話でよく目にする表現ですが、いざ自分で使おうとすると少し難しく感じる人も多い言葉です。この記事では「もとより」の意味や使い方、豊富な例文を通して、ビジネスや日常で自然に使えるよう徹底的に解説します。

1. 「もとより」とはどんな意味?

1-1. 基本的な意味

「もとより」は大きく分けて2つの意味があります。 1つ目は「もちろん」「言うまでもなく」という意味で、強く肯定する表現です。 2つ目は「初めから」「最初から」という意味で、時間の起点を示します。

1-2. 辞書的な定義

国語辞典などでは「もとより」は以下のように説明されています。 - 言うまでもなく当然。もちろん。 - そもそも。初めから。
この2つの用法があるため、文章の文脈でどちらの意味かを判断する必要があります。

2. 「もとより」の使い方と例文

2-1. 「もちろん」の意味で使う場合

もっともよく使われるのが「もちろん」「言うまでもなく」の意味です。 例文: - 彼の優秀さは、もとより疑う余地がない。 - このプロジェクトは、顧客の満足をもとより最優先に進めています。 - 環境保護は、もとより大切な課題です。

2-2. 「初めから」の意味で使う場合

もう一つの使い方は「初めから」「そもそも」という意味。 例文: - その話は、もとより実現不可能だった。 - もとより興味がなかったので、誘いを断った。 - 彼はもとより政治には無関心だった。

2-3. ビジネス文書やスピーチでの例文

ビジネスや改まった場でも「もとより」はよく使われます。 例文: - 当社は、顧客満足をもとより、社会貢献にも積極的に取り組んでおります。 - この計画には、コスト削減をもとより、品質向上の目的も含まれています。 - 取引先との信頼関係は、もとより事業継続の基盤です。

3. 「もとより」の類語や似た表現

3-1. 当然・言うまでもなく

「当然」「言うまでもなく」も「もとより」と近い意味です。ただ「もとより」の方がやや書き言葉的で格式があります。

3-2. 初めから・そもそも

「そもそも」「最初から」は「もとより」の時間的意味に近い言葉です。 会話では「そもそも」のほうが自然で柔らかい印象があります。

3-3. いわずもがな

やや古風ですが「いわずもがな」も「言うまでもなく」と似た意味です。文章に格調を出したいときに使われます。

4. 「もとより」を使うときの注意点

4-1. 話し言葉では少しかたい印象

「もとより」は話し言葉で使うと、少しかしこまった、または古風な印象を与えます。 カジュアルな会話なら「もちろん」「そもそも」に置き換える方が自然です。

4-2. ビジネス文書には最適

一方、ビジネスメールや提案書、挨拶文など改まった文章では「もとより」は非常に使いやすい表現です。 「当然」という言葉より上品にまとまり、文章の格を上げる効果があります。

5. 「もとより」をさらに自然に使いこなすコツ

5-1. 「言うまでもなく」の意味で使うと便利

「もとより」は多くの場合「もちろん」と言い換えが可能です。 置き換えて不自然にならない場合は「もとより」を使うと、文章がきちんとした印象になります。

5-2. 最初から=もとより、の感覚を持つ

「そもそも」「最初から」と同じ感覚で使うのもコツです。 「もとより不可能」「もとより予定になかった」といったフレーズは非常に自然です。

6. 「もとより」の例文まとめ

6-1. 改まった場面での例文

- このプロジェクトは、もとより地域社会への貢献を目指しています。 - 信頼関係は、もとよりビジネスの基本です。

6-2. 日常の文章やSNSでの例文

- その提案は、もとより賛成です。 - 旅行はもとより、普段の生活も楽しみたい。

6-3. 否定文で使う例文

- もとより興味がなかったので、参加しなかった。 - その話には、もとより期待していなかった。

7. まとめ

「もとより」は「もちろん」「そもそも」という2つの意味を持ち、文章に格調を与える便利な言葉です。
ビジネスメールやスピーチに取り入れることで、文が一段と丁寧に響きます。
ぜひ例文を参考にして、自然に使いこなせるようにしてみてください。

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