「通算50本目のホームラン」「勤務年数は通算で10年になる」などで使われる「通算(つうさん)」という言葉。日常会話やニュース、ビジネス文書でも頻繁に使われますが、具体的な意味や類語との違いを意識して使っている人は意外と少ないかもしれません。この記事では、「通算」の意味や使い方、関連語についてわかりやすく解説します。
1. 「通算」の基本的な意味
1-1. 定義
「通算」とは、何かの数量や期間などを複数回分まとめて合計することを意味します。英語で言えば「total」や「cumulative」に相当します。
1-2. 漢字の構成
・「通」=すべて、通して ・「算」=数える、計算する → つまり「通じて数える」、つまり「合計する」という意味になります。
2. 「通算」の使い方と例文
2-1. スポーツでの使用例
・「彼はプロ通算200勝を達成した」 ・「通算本塁打数で歴代3位に浮上した」
2-2. ビジネスや経歴に関する例
・「通算勤務年数は15年にのぼる」 ・「通算売上が1億円を突破した」
2-3. 学業・生活の中で
・「通算して6回の引っ越しを経験している」 ・「通算8回目の受験で合格した」
3. 「通算」の類語とニュアンスの違い
3-1. 合計
→ 単純に数を足し合わせた総数 例:「合計金額は5万円です」 → 数字に焦点があり、やや事務的
3-2. 総計
→ 全体を集計した結果 例:「売上の総計は3,000万円」 → ビジネス文書でよく使われる
3-3. 累計
→ 時間を追って積み上げた合計 例:「ダウンロード数は累計100万回を超えた」 → 時系列が重要なときに適する
3-4. 延べ
→ 同じ人が複数回含まれる人数や回数 例:「延べ人数500人が参加」 → 人数・回数の表現に限定されることが多い
4. 「通算」を使う際の注意点
4-1. 一時的な合計でなく「歴史全体の積み上げ」に使う
「通算」は基本的に長いスパンでの記録や実績に使われるため、短期的なものには適さない。
4-2. 正確な記録・数値とセットで使うと効果的
・「通算◯回」「通算◯年」「通算◯件」など、具体的な数値と一緒に使うことで信頼性や説得力が増す
5. まとめ:「通算」は成果や記録の積み重ねを表す便利な言葉
「通算」は、これまでの合計や積み上げた実績を強調する表現として非常に便利な言葉です。スポーツや経歴、数字を扱うビジネスの場面でも多用されます。「累計」「合計」「延べ」などの類語と使い分けることで、より正確に自分の意図を伝えることができます。文章や会話の中で自然に使えるよう、場面ごとの違いを理解しておくと役立ちます。