会議や打ち合わせの場で使われる「議題にあげる」という表現は、ビジネスシーンでよく登場します。しかし、繰り返し使うと表現が単調になってしまいがちです。本記事では、「議題にあげる」の意味や言い換え表現、類義語について解説し、状況に応じた適切な使い方を紹介します。

1. 「議題にあげる」の基本的な意味と使い方

1.1 「議題にあげる」とは何か

「議題にあげる」とは、会議や打ち合わせなどの場で、あるテーマや問題を正式に取り上げることを意味します。意思決定や議論を行う対象として、その内容を参加者に示す役割を持ちます。
ビジネスメールや社内文書でも頻出する表現で、「今後の課題を議題にあげる」「提案事項を議題にあげる」などと使われます。

1.2 「議題にする」「取り上げる」との違い

「議題にあげる」は比較的フォーマルな印象がありますが、「議題にする」はややカジュアルな表現です。「取り上げる」は対象が必ずしも議題である必要はなく、広く物事を話題にする際に使われます。

2. 「議題にあげる」の言い換え・類義語一覧

2.1 ビジネス文書で使える言い換え表現

ビジネスの現場では、以下のような表現が「議題にあげる」と同じ意味で使われることがあります。
取り上げる

提案する

協議する

討議する

挙げる

扱う

取り扱う

これらは会議や資料の中で、自然かつスムーズに言い換えることができる表現です。

2.2 フォーマルな文書向けの表現

より格式の高い文章や、公的文書で使う場合には以下のような表現が適しています。
議案として提示する

協議事項とする

審議対象とする

会議項目に加える

検討事項として設定する

これらの表現は、文章に堅さや信頼性を持たせたいときに有効です。

2.3 口語やカジュアルな場面での言い換え

会話や非公式な場では、以下のような柔らかい言い換えがよく使われます。
話題にする

触れる

出す

話す

取り出す

例えば、「その話、次の会議で出そう」や「この件、触れておきたい」といった使い方が可能です。

3. 言い換え語の選び方と使い分けのコツ

3.1 会議の目的に応じた表現を選ぶ

「議題にあげる」は、単にテーマを話すのではなく、それを検討・決定する対象として提示するニュアンスがあります。単なる情報共有であれば「話題にする」や「取り上げる」が適しており、意思決定を伴う場合は「協議する」「審議する」などがより明確です。

3.2 文章のトーンに合わせる

提案書や議事録などの公式文書では、「協議事項とする」や「議案として提示する」のように、やや堅めの表現を選ぶと文書全体が引き締まります。一方、社内チャットや雑談では「出してみよう」「取り上げてみる」など、くだけた表現でも問題ありません。

3.3 主語と動詞の組み合わせに注意

「議題にあげる」は他動詞表現なので、「○○を議題にあげる」のように目的語が必要です。言い換えた場合も、「○○を扱う」「○○を提案する」など、主語と動詞のバランスが崩れないように注意しましょう。

4. シーン別「議題にあげる」の適切な言い換え例

4.1 ビジネスメールでの言い換え

例文:来週の会議でこの件を議題にあげたいと考えております。 言い換え:来週の会議でこの件を協議事項としてご提案いたします。
例文:新制度導入の案を議題にあげたい。
言い換え:新制度導入の案を取り上げたいと考えております。

4.2 会議での発言や進行

例文:次に、この議題をあげます。 言い換え:次に、この件について協議を進めます。
例文:その内容は次回の会議で議題にあげます。
言い換え:その内容は次回の会議で検討事項として扱います。

4.3 資料や報告書での言い換え

例文:以下の内容を議題にあげました。 言い換え:以下の内容を議案として提示いたしました。
例文:次回の会議で議題にあげる予定です。
言い換え:次回の会議で取り扱う予定です。

4.4 日常的な会話やチャット

例文:この話、次回会議で議題にあげたいな。 言い換え:この話、次回会議で出したいな。
例文:それ、議題にあがってた?
言い換え:それ、話題に出てた?

5. 類義語を使って自然な文章を作るポイント

5.1 同じ表現の繰り返しを避ける

報告書や議事録で「議題にあげる」が繰り返されると、文章に単調さが出てしまいます。適度に「協議する」「提案する」「扱う」などを混ぜて表現を変えることで、読みやすさが向上します。

5.2 丁寧さと明確さのバランスを意識する

フォーマルな場では「議案として提示する」などの言い回しが望ましいですが、やや堅苦しくなりすぎることもあります。読み手や状況に応じて、多少柔らかい表現に切り替えることも検討しましょう。

5.3 文全体のトーンを統一する

カジュアルな表現とフォーマルな表現が混在すると、文章全体が不安定な印象になります。文章のトーンに合わせて、「議題にあげる」の言い換え語も一貫性を保ちましょう。

6. まとめ:言い換えを活用して表現の幅を広げよう

「議題にあげる」という表現は、会議やビジネスコミュニケーションにおいて非常に有用ですが、繰り返し使うことで文章が硬直してしまうこともあります。適切な類義語や言い換え表現を選ぶことで、文章に柔軟さと伝わりやすさを加えることができます。

提案する、取り上げる、協議する、扱うなど、文脈や場面に応じて最適な表現を選びましょう。言葉の選び方ひとつで、伝えたい内容の印象が大きく変わることを意識しながら、効果的なコミュニケーションを目指しましょう。

おすすめの記事