会話の中でよく使われる「オフレコでお願いします」という表現は、ビジネスや報道の場面だけでなく、日常のやりとりでも見聞きする機会が増えています。しかし、その正確な意味や使い方、注意すべきマナーについて理解が曖昧なまま使用されることもあります。本記事では、「オフレコでお願いします」の正しい意味、使い方、言い換え表現、実例、注意点について丁寧に解説します。
1. 「オフレコでお願いします」の基本的な意味
1. オフレコとは
「オフレコ」は「オフ・ザ・レコード(off the record)」の略語で、「記録に残さない」「公にしないでほしい」という意味を持ちます。ビジネスや報道の場では、「ここだけの話」「外部には漏らさないでほしい情報」を共有するときに使われます。
2. 「オフレコでお願いします」の意味
「今から話す内容は内密にしてほしい」という意図を、丁寧に伝える表現です。正式な発表や記録の対象外として扱ってほしいとき、あるいは軽い雑談であっても外に出したくない話題に使われます。
2. 「オフレコでお願いします」が使われる場面
1. 会議や打ち合わせでの非公式発言
発表前の企画や方針について触れる際、「オフレコでお願いしますが、実は〜」という形で前置きされることがあります。
2. 人事や組織変更の噂話
確定していない情報を伝えるときにも、「あくまでオフレコです」として話すことで、誤解や拡散を防ぐ意図が込められます。
3. メディアや報道関係の場面
記者や関係者に対し、「この部分はオフレコでお願いします」と念押しすることで、記事や報道に載せないよう求めるケースがあります。
3. 「オフレコでお願いします」の使い方と例文
1. 会話の中での前置きとして使う
例:
「オフレコでお願いしますが、来月から新しいサービスを検討しています。」
2. 信頼関係がある相手に伝える場合
例:
「この件、オフレコでの話ですが、役員会ではすでに議題に上がっているそうです。」
3. 確定前の情報に使う場合
例:
「正式発表前なので、オフレコでお願いしますが、新しい人事体制の概要を共有します。」
4. 「オフレコでお願いします」の言い換え表現
1. ここだけの話ですが
親しい関係やカジュアルな会話でよく使われる言い換えです。
例:「ここだけの話ですが、次の企画はかなり革新的な内容です。」
2. 内密にお願いできますか
ビジネスシーンでややフォーマルに使える表現です。
例:「まだ社内でも限られた人しか知りませんので、内密にお願いできますか。」
3. この情報は外部には伏せておいてください
関係者外への情報漏洩を防ぐ明確な言い方です。
例:「この件については外部には伏せておいていただけますと助かります。」
4. 非公開情報ですのでご注意ください
やや公的な場で用いられる、文書にも適した表現です。
例:「本資料に記載の内容は非公開情報ですので、ご注意ください。」
5. 使用時の注意点
1. 「オフレコ」が効力を持つのは信頼関係がある場合
「オフレコ」と言えば自動的に守られるわけではなく、相手がそれを尊重する姿勢を持っているかどうかが大前提です。安易に使いすぎると信頼を損なう恐れがあります。
2. 機密性の高い情報には慎重に
本当に重要な機密事項については、「オフレコ」ではなく、文書による守秘義務の確認や正式な合意が必要です。
3. 記録に残すべき情報は明確に線引きする
議事録やメールなどで正式に残す情報と、「オフレコ」として扱う情報は明確に区別し、混同しないように心がけましょう。
6. ビジネスメールで使う場合の例文
1. 口頭での事前共有に添える文章
件名:【共有】今後の社内動向について(ご参考まで)
本文:
〇〇様
お世話になっております。
以下は現時点での非公式な情報であり、オフレコでのご共有となりますが、今後の社内体制に関する動きが一部出てきております。
内容の取り扱いにはご配慮いただきますよう、お願い申し上げます。
2. プレゼンテーション時の資料説明
本文:
本日ご覧いただく資料のうち、数点はまだ外部には非公開の内容を含んでおります。
ご理解のうえ、取り扱いには十分ご留意いただけますと幸いです。
オフレコ扱いにてお願いいたします。
まとめ
「オフレコでお願いします」は、非公式な情報を共有する際や、相手に口外を控えてほしいときに使われる便利な表現です。しかし、使い方を誤ると信頼を損なう恐れもあるため、状況や相手との関係性を見極めて活用することが大切です。「内密に」「ここだけの話」といった柔らかな言い換えも併用しながら、誠実なコミュニケーションを心がけましょう。