「下記の通り」という表現は、ビジネス文書やメールで日常的に使われている言い回しの一つです。情報をわかりやすく提示する際に便利な言葉ですが、丁寧さや文脈に応じた使い分けが求められます。本記事では、「下記の通り」の意味や使い方、適切な場面、言い換え表現、実例、注意点を含めて詳しく解説します。
1. 「下記の通り」の意味と基本的な役割
1. 「下記」とは何か
「下記(かき)」とは、「以下に記す内容」を意味する言葉です。文書やメールの中で、要点・日程・詳細などを箇条書きや表記で示す前に使われます。
2. 「の通り」で内容提示を強調
「下記の通り」と言うことで、「これから書く内容をそのままご確認ください」というニュアンスが加わります。形式的ながらも、丁寧で簡潔な伝達手段として用いられます。
2. よく使われるビジネスシーン
1. 案内文・通知文
会議、セミナー、納期などの情報を案内する際に頻出します。
例:「会議の詳細は下記の通りご案内申し上げます。」
2. メールでの業務連絡
日程・内容・指示事項を箇条書きで伝える前に使います。
例:「本件につきまして、下記の通りご確認ください。」
3. 書類・申請フォーマットの文中
契約書や報告書などの正式文書でも、構成の明確化に使用されます。
例:「報告事項は下記の通りとなります。」
3. 表現としての特徴と使い方
1. 視線誘導の役割
「下記の通り」と記すことで、読み手に「これからの内容に注目してほしい」という意図を自然に伝えられます。
2. 箇条書きや表との組み合わせが多い
文末に「下記の通りです。」と書き、その下に箇条書きで情報を列挙するのが定型です。
3. 丁寧さを加えるクッション表現との併用
「何卒よろしくお願い申し上げます」や「ご査収のほどお願い申し上げます」などを添えると、より丁寧な印象になります。
4. 言い換え表現とその活用法
1. 以下の通り
「下記の通り」より少し口語的で柔らかい印象を持つ表現。
例:「スケジュールは以下の通りです。」
2. 次の通り
あらたまった文書よりも、口頭や簡易文書に適した表現。
例:「今後の対応は次の通りです。」
3. ご確認事項は以下の通りです
丁寧に伝えたい場合に使いやすい一文。相手への配慮も感じられます。
4. 〜について、下記をご参照ください
案内文などで使える控えめな依頼表現として有効です。
例:「当日の持ち物につきましては、下記をご参照ください。」
5. ビジネスメールでの使用例
1. 会議案内メール
件名:〇月度会議のご案内
本文:
〇〇様
平素より大変お世話になっております。
〇月度の定例会議について、下記の通りご案内申し上げます。
――――――――
日時:〇月〇日(〇)10:00〜11:00
場所:第3会議室
議題:新プロジェクトの進捗確認
――――――――
何卒よろしくお願い申し上げます。
2. 書類送付のご連絡
件名:ご依頼資料の送付について
本文:
〇〇様
いつもお世話になっております。
ご依頼いただきました資料につきまして、下記の通り送付させていただきます。
――――――――
資料名:〇〇レポート(2024年4月分)
形式:PDFファイル
送付方法:添付ファイル
――――――――
ご査収のほど、よろしくお願い申し上げます。
3. 納品内容の明細連絡
件名:納品内容のご報告
本文:
〇〇株式会社
〇〇様
お世話になっております。
本日納品いたしました内容は、下記の通りでございます。
――――――――
製品A:100個
製品B:50個
納品日:〇月〇日
――――――――
ご確認のほど、よろしくお願いいたします。
6. 使用時の注意点
1. 文頭・文中どちらでも使えるが、前後の文脈と接続に注意
「下記の通りです。」の後に何も情報がないと違和感が出ます。必ず情報提示を行うか、「別紙参照」などの指示と組み合わせましょう。
2. 目上・社外向けには「下記の通りご案内申し上げます」など敬語を添える
単に「下記の通り」とするより、「ご案内申し上げます」「お知らせいたします」などを加えることで、より丁寧になります。
3. 一文だけで完結させないこと
「下記の通りです」で終わると、冷たい印象を与えることがあります。最後に「何卒よろしくお願いいたします」「ご不明点があればご連絡ください」などの補足を添えると好印象です。
まとめ
「下記の通り」は、情報を明確に示すための便利な表現であり、ビジネスメールや文書の中で頻繁に使われます。ただし、文脈や相手に合わせて「以下の通り」「次の通り」などの言い換えを使うことで、より柔らかく伝えることが可能です。また、クッション言葉や敬語を加えることで、より丁寧な印象を与えることができます。わかりやすく誠意の伝わる表現を心がけ、読み手に配慮した文書作成を実践しましょう。