ビジネスシーンにおいて、取引先や社内メンバーに対して「その後どうなりましたか?」と進捗を確認する場面は少なくありません。しかし、この言葉をそのまま使ってしまうと、ややカジュアルでぶっきらぼうな印象を与えかねません。本記事では、「その後どうなりましたか?」を丁寧かつスムーズに言い換えるためのフレーズや、メールでの使い方について詳しく解説します。相手に気持ちよく状況を報告してもらい、円滑なコミュニケーションにつなげましょう。
1. 「その後どうなりましたか?」を言い換える必要性
相手に対して状況確認を行う際に「その後どうなりましたか?」と尋ねるのは、ごく自然な行為です。しかし、ビジネスメールやビジネスチャットなどの公的なコミュニケーションでは、もう少し丁寧な言い回しが求められます。
1-1. 「その後どうなりましたか?」のニュアンス
「その後どうなりましたか?」自体は決して失礼な表現ではないものの、ややフランクで口語的な響きがあります。話し言葉としては自然ですが、ビジネスメールで頻繁に使っていると「簡潔すぎる」「少し偉そうに聞こえる」などの印象を与えることもあります。
1-2. 丁寧表現が求められる理由
ビジネスメールでは、相手との関係性や状況に応じて、相応の敬意や配慮を示すことが大切です。丁寧なフレーズを選ぶことで、相手に「急かされている」「圧をかけられている」といった誤解を与えにくくなり、よりスムーズにやり取りが進む傾向があります。
2. 「その後どうなりましたか?」の主な丁寧な言い換えフレーズ
ここでは、実際にビジネスメールで使いやすい言い換えフレーズを紹介します。どれも状況や相手に合わせてアレンジ可能ですので、使い分けの参考にしてください。
2-1. 「進捗はいかがでしょうか?」
進捗はいかがでしょうか?
もっともよく使われる表現の一つです。「その後どうなりましたか?」に近いニュアンスを保ちながら、丁寧さを加味したフレーズと言えます。特にプロジェクトやタスクの進行状況を確認したいときに便利です。
2-2. 「状況に変わりはございませんか?」
状況に変わりはございませんか?
「特に変化があったかどうか」を確認するニュアンスが強いフレーズです。あまり急ぎではないものの、進展や問題が発生した場合に報告を希望する場合に適しています。
2-3. 「経過についてお伺いできますでしょうか?」
経過についてお伺いできますでしょうか?
「その後の経過を知りたい」という意思を、よりかしこまった形で伝える言い回しです。相手が上司や取引先などの場合、ややフォーマルな表現として使いやすいでしょう。
2-4. 「その後の進み具合を教えていただけますと幸いです」
その後の進み具合を教えていただけますと幸いです
「進捗はいかがでしょうか?」をさらに柔らかくしたイメージです。相手への依頼の形を取りながらも、失礼な印象を与えにくいのが特徴です。
2-5. 「進展がありましたら、ご連絡いただけますでしょうか?」
進展がありましたら、ご連絡いただけますでしょうか?
相手のタイミングに合わせて報告してもらう形を示唆するフレーズです。無理に急かしていないニュアンスを出せるため、状況によっては最適でしょう。
3. ビジネスメールでの使用例とポイント
実際にこれらのフレーズをビジネスメールに落とし込む際には、件名や本文の構成にも注意するとより効果的です。ここでは、具体的な例文と活用ポイントを紹介します。
3-1. 進捗確認メールの例文
件名:
【進捗確認】〇〇プロジェクトの作業状況について
――――――――――――――――
〇〇株式会社 △△様
いつもお世話になっております。□□株式会社の▲▲です。
先日は〇〇プロジェクトのご対応についてご連絡をいただき、ありがとうございました。
その後の進み具合はいかがでしょうか。もし問題や懸念点などございましたら、お早めにお知らせいただけると幸いです。
今後のスケジュール調整もございますので、進捗に変わりがあればご連絡をお願いできますでしょうか。
引き続き何卒よろしくお願いいたします。
――――――――――――――――
3-2. フォローアップメールの例文
件名:
ご提案プランの経過確認(〇〇案件について)
――――――――――――――――
〇〇株式会社 △△様
お世話になっております。□□株式会社の▲▲です。
先日ご提案したプランにつきまして、その後の進展がありましたらお伺いしたくご連絡いたしました。
ご検討状況に変わりがなければ、改めて今後のスケジュールを調整できればと存じます。
ご多忙のところ恐縮ですが、近況をお知らせいただけますと幸いです。
どうぞよろしくお願いいたします。
――――――――――――――――
3-3. 注意すべきポイント
1) 急かす印象を避ける
相手が多忙な可能性を考慮し、「お忙しいところ恐縮ですが」「お手数をおかけいたしますが」などのクッション言葉を用いながら依頼する姿勢を示しましょう。
2) 件名で要件を明確に
メールの件名に「進捗確認」「状況確認」などのキーワードを入れると、相手がメールを開封する前に要旨を把握しやすくなります。
3) 次のアクションを提示する
ただ進捗を尋ねるだけでなく、「スケジュール調整」「次回ミーティング日程の決定」など、相手が何をすればいいか明確にすると返信が得やすいです。
4. スムーズな進捗確認のための工夫
「その後どうなりましたか?」と尋ねる際に、相手とのコミュニケーションがうまくいくよう、以下の工夫を取り入れてみましょう。
4-1. 定期的な共有の仕組みを作る
プロジェクト管理ツールやスケジュール共有表など、情報を共有できる仕組みを整えると、個別に「どうなりましたか?」と連絡する回数が減ります。相手とのやり取りが頻繁になる場合は、システム面での工夫が効果的です。
4-2. 相手の都合を考慮した連絡タイミング
同じ社内でも、部署や担当業務によって忙しい時期は異なります。相手の都合を考慮したうえで連絡を入れたり、返信を期待できる時間帯や時期を見極めたりすると、スムーズに回答を得やすくなります。
4-3. 「もし〇〇までに難しければ~」というフォロー
どうしても相手の返信を急いでいる場合でも、相手がすぐに対応できない可能性があります。その場合、「もし〇〇日までに難しいようでしたら、いつごろまでにご回答いただけるかご連絡いただけますと助かります」などのフォローを入れると、相手も安心して返信しやすいです。
5. 「その後どうなりましたか?」と尋ねる際のNG事例
丁寧表現を使っているつもりでも、状況や文脈を誤ると相手に不快感や負担を与えかねません。以下は注意すべきNG例です。
5-1. 相手がまだ返答できない事情があるのに何度も催促
相手の事情を無視して何度も「その後どうなりましたか?」と連絡すると、逆に関係を悪化させる恐れがあります。相手の状況を確認し、返信を待つ猶予も必要です。
5-2. 短文かつぶっきらぼうなメール
「その後どうなりましたか?早く返事ください。」のように短文で圧をかけるメールは、ビジネスコミュニケーション上、好ましくありません。「早く返事をくれ」と命令的に捉えられる可能性があり、トラブルの元になります。
5-3. 件名や内容に要件が明示されていない
相手が多忙な場合、件名や本文で要旨が不明確なメールは開封や返信が後回しにされがちです。何についての状況確認なのかを、簡潔にわかりやすく示しましょう。
6. 状況確認の表現をさらに柔らかくするコツ
社内外を問わず、相手との信頼関係を大切にしたい場合、尋ね方をより柔和にアレンジするのも一手です。以下のような工夫が考えられます。
6-1. クッション言葉を活用
「お忙しいところ恐れ入りますが」「差し支えなければ」「念のため確認させていただければ幸いですが」といったクッション言葉を挟むだけでも、印象が柔らかくなります。
6-2. 自分の状況や目的をセットで伝える
「弊社内の締め切りが〇月〇日に迫っているため、大変恐縮ですが進捗をお伺いしてもよろしいでしょうか?」というように、なぜ状況を知りたいのかを述べると、相手も回答の必要性を理解しやすくなります。
6-3. 相手を敬い・思いやる一言
「いつも迅速にご対応いただき感謝しております」「ご協力いただき本当に助かります」など、相手に感謝する姿勢を添えることで、好感度が上がりやすくなります。
7. まとめ
「その後どうなりましたか?」はシンプルな表現であるがゆえに、ビジネスメールやフォーマルな場面ではややカジュアルに感じられることがあります。そこで、より丁寧なフレーズに言い換えることで、相手への敬意を保ちつつスムーズな情報交換を行うことが可能となります。以下にポイントを再掲します。
1. 「その後どうなりましたか?」は口語的な印象
ビジネスメールではもう少し丁寧な表現を用い、相手の立場に配慮しながら尋ねることが大切
2. おすすめフレーズ
「進捗はいかがでしょうか?」「状況に変わりはございませんか?」「経過についてお伺いできますでしょうか?」など
3. メール構成のポイント
件名で要件を明確化し、本文ではクッション言葉や相手への感謝を盛り込み、急かす印象を回避
4. フォローアップの工夫
相手の都合を考慮したり、次のアクションを具体的に提示したりして、返信を得やすくする
5. NG事例
相手の事情を無視して頻繁に催促したり、ぶっきらぼうな短文メールは逆効果
相手の時間や状況を尊重しつつ、円滑に情報収集やタスク管理をしたいときは、今回紹介した言い換えフレーズを参考にしてみてください。適切な言葉遣いで気持ちのよいコミュニケーションを行い、業務をスムーズに進めましょう。