LINE公式アカウントを使えば、企業や店舗のオーナーが利用者に向けて直接メッセージを送信可能です。国内での利用率が高いコミュニケーションツールを活用し、効果的なマーケティング施策を打ち出しましょう。LINE公式アカウントの概要や作り方を詳しく解説します。
個人でも法人でも簡単に作れる「公式LINE」について
LINEはコミュニケーションツールとして、日本国内での利用率が高いのが特徴的です。NTTドコモモバイル社会研究所が2022年1月に実施した調査によると、LINEは幅広い世代のユーザーに親しまれており、利用率は8割を超えています。
私たちの生活に密着したツールになりつつあるLINEを、ビジネスの視点で活用できるサービスとして登場したのが「LINE公式アカウント」です。企業や店舗のオーナーが開設できるアカウントで、友だち登録してくれたユーザーに対して、ダイレクトに情報を届けられます。
企業やブランド、店舗のイメージ作り・集客などに有効で、今や多くのLINE公式アカウントが開設・活用されているのです。これからのマーケティング施策として是非知っておきたい、LINE公式アカウントの概要をご紹介します。
参照:NTTドコモ モバイル社会研究所ーLINE利用率8割超え:10~50代まで8~9割が利用
公式LINEを作成する目的
LINE公式アカウントを利用している企業や店舗オーナーの主な目的は、利用者・顧客への情報伝達をスムーズに行うことです。一度来店してくれた利用者やサービス・商品に興味を持ってくれた見込み客に対して、LINE公式アカウントを通して有益な情報を届け、再来店や商品購入意欲を育てます。
顧客への情報発信はメルマガや電話営業などでも可能ですが、実際には個人の連絡先入手は簡単ではありません。そこでLINEであれば、ユーザーのほうから気軽に企業のアカウントを友だち登録してくれる可能性が高まります。
1つのIDで100個作れる公式LINE
1つのビジネスIDを使って、なんと100個までLINE公式アカウントの作成ができます。複数アカウントの利用が適しているのは、例えば次のようなケースに当てはまる場合です。
支店ごとに別のアカウントを作成したい
無料でメッセージを送信したい(アカウントにつき1000通)
複数の店舗を構えている場合、お客さんにとっては自分の通っている店舗の情報をメインに受け取りたいと考えるのが一般的です。支店ごとのアカウントがあれば、必要な情報を必要なユーザーに届けられます。
また、無料で送信できるメッセージ数はアカウントごとに制限があるため、アカウント数を増やすことで無料メッセージ数を増やせる仕組みです。
業種・サービスによってはアカウントを作れないことも
基本的には誰でもLINE公式アカウントを開設可能です。アカウントの種類は法人・個人を問わず利用できる「未認証アカウント」と、審査を通過した場合のみに利用が可能な「認証済アカウント」に分けられます。
ただし、アダルトやギャンブルなど一部のジャンルのサービスでは、LINE公式アカウントの利用が禁止されています。詳しくはガイドラインを確認してみてください。
参照:LINE公式アカウントガイドライン
公式LINEを作成する方法【PC版】
パソコンからLINE公式アカウントを作成する手順は、以下のとおりです。
公式のアカウント開設ページにアクセス
LINEビジネスIDの開設
LINE公式アカウントの作成
認証済アカウント審査の申し込み(任意)
プロフィールの設定
まずは公式のアカウント開設ページにアクセスし、「LINE公式アカウント開設(無料)」をクリックします。LINEビジネスIDをすでに保有している場合は、既存のIDでログインしましょう。
作成画面に従って項目を入力していけば、簡単にアカウント登録が完了します!その後は必要に応じて、アカウント認証のリクエストをしてください。
開設が完了したら、プロフィール編集が可能になります。
公式LINEを作成する方法【スマホアプリ版】
スマホアプリからLINE公式アカウントを作成する方法も、基本的な流れはパソコンと同様です。アプリバージョンのアカウント作成の方法を確認しておきましょう。
デバイスに合ったアプリ(IOS・android)をダウンロード
[LINEアプリでログイン]または[メールアドレスでログイン]を選択
[アカウントを作成]を選択
必須項目を入力して[確認]を選択
[アカウントを作成]を選択
公式アカウントとLINE連携ができなくなるケースに注意
LINE公式アカウントを作成するなかで、ビジネスIDとLINEの連携に関するミスには注意しましょう。原則として、LINE公式アカウントとして連携できるのは、1つのビジネスIDのみです。
LINE公式アカウントを登録する際に「メールアドレスで登録」を選ぶと、普段使っているメールアドレスでビジネスIDを作成できます。ビジネスIDは複数作れてしまうため、もし誤って別のビジネスIDを先にLINEと連携してしまうと、後々該当IDでのLINE連携が必要になった場合の対応ができません。
不必要なIDは増やさないようにし、利用するIDの管理を徹底しましょう。
公式LINEアカウントの基本機能
LINE公式アカウントの主な機能を4つご紹介します。
メッセージ配信
LINEチャット
販促機能
レポート機能
LINE公式アカウントの機能をしっかりと理解することで、効果的なマーケティング施策を打ち出せます。4つの機能の概要をご紹介します。
メッセージ配信
LINE公式アカウントの1つ目の機能は、メッセージ配信機能です。自社アカウントを友だち登録してくれたユーザーに対して、ダイレクトメッセージの送信ができます。
一般的なテキストの他にも、画像や音声、動画、スタンプの利用も可能です。年齢層・性別・地域といった要素でユーザーを選別できるため、ピンポイントのターゲットにアピールでき、配信効果の向上が図れます。
LINEチャット
LINEチャットとは、ユーザーからの質問などに個別に応対できるチャット機能です。モードをチャットモードに変更しておけば、ユーザーからのチャットを受け取ることができます。
チャットの管理画面では、これまでのチャット履歴も確認できるため、リピーターの管理にも役立つでしょう。複数のユーザーグループに対しての絞り込み配信も可能で、効果的な情報配信が可能になります。
販促機能
販促機能とは、店舗で利用可能なクーポンやポイントカードを作れる便利な機能です。普段ポイントカードを所持しないという利用者でも、公式LINEアカウントの発行するデジタル版のポイントカードであれば手軽に利用できます。
オリジナルのクーポン作成は、管理画面から簡単に行えるため、必要に応じて集客力をアップさせられるクーポンを発行してみましょう。
レポート機能
レポート機能とは、アカウントの友だち追加数やブロック数などのデータを確認・分析できる機能です。確認できる項目は「メッセージ」「友だち」「チャット」の3つで、対象期間や指標ごとの状況を把握できます。
過去のデータと現在の状況の比較もできるため、LINE公式アカウントをより効率的・効果的に利用したい場合は必ずレポート機能を活用してみましょう。
アカウントの種類と料金プランを解説
LINE公式アカウントを利用するにあたり、知っておきたいのがアカウントの種類と料金プランです。混乱しがちな次の2つのポイントを、事前にチェックしておきましょう。
「認証済アカウント」と「未認証アカウント」の違い
「有料プラン」と「無料プラン」の違い
各アカウントの種類と料金プランについて、違いと特徴をご紹介します。
「認証済アカウント」と「未認証アカウント」の違い
LINE公式アカウントのアカウントの種類は、次の2つです。
未認証アカウント:基本誰でも作成可能なアカウント
認証済アカウント:開設後公式な審査を受けたアカウント
認証済アカウントとして認められるには、アカウント作成後に審査を通過する必要があります。認証を受けることで、LINEアプリ内の検索対象となる、販促用ポスターのダウンロード、請求書決済の利用、「友だち追加広告」の利用などの各種メリットが付与されます。
「有料プラン」と「無料プラン」の違い
LINE公式アカウントは無料でも利用できますが、有料プランと比べて一部の機能に制限が設けられています。各プランの概要を確認しておきましょう。
料金(月額)
無料メッセージ数
追加メッセージ料金
フリープラン
無料
1,000通
不可
ライトプラン
5,000円
15,000通
5円
スタンダードプラン
15,000円
45,000通
~3円
フリープランでも基本的には全ての機能を利用できるのが嬉しいポイントです。メッセージの送信数が1,000通を超えそうな場合は、予め有料プランを検討しましょう。
参照:LINE公式アカウントー料金プラン
アカウント作成後、最初に設定すべき4つの初期設定
無事にアカウントの作成ができたら、まず以下の4つの設定を済ませてしまいましょう。
基本情報の設定(アカウント設定・プロフィール設定)
あいさつメッセージの設定
メッセージ配信テスト
アカウント公開
各設定におけるポイントや注意点を解説します。
1.基本情報の設定
最初に設定するのが、アカウントの基本情報とプロフィールです。アカウントにログインしたら、ホーム画面上部の「プロフィール」を選択してください。
アカウントのプロフィールを編集できる画面が開いたら、以下の項目を編集します。
アカウント名
プロフィール画像:公式アカウントのアイコンとなる画像
背景画像:プロフィール画像の背景
SNS:他のSNSアカウント情報を掲載
基本情報:店舗の営業時間や住所・電話番号・支払い方法などを掲載
2.あいさつメッセージの設定
忘れずに設定したいのが、あいさつメッセージです。友だち登録してくれたユーザーに対して、自動配信されるメッセージを編集できます。
ユーザーとのファーストコンタクトの場となるため、厳選した情報やメッセージを採用するようにしましょう。クーポンを積極的に配布したい場合は、初回からメッセージと一緒に配信可能です。
3.メッセージ配信テスト
アカウントの公開前に必ず実施しなければならないのが、メッセージ配信テストです。あいさつメッセージが正しく登録されているか、指定キーワードに対する返信メッセージは正常に機能しているかをチェックします。
本格的に利用を開始してから不備が出てしまうと、ユーザーに不信感を与えかねません。テストは必ず事前に行うようにしましょう。
4.アカウント公開
準備が整ったら、いよいよLINE公式アカウントの公開です。管理画面の「プロフィール」をクリックした後、プロフィール設定画面から「公開」を選択します。
特にフリープランを利用している場合は、アカウントの検索ができないため、友だち追加のQRコードやURLを店舗やサイト上に用意しておく必要があるでしょう。せっかく作成したLINE公式アカウントをできるだけ多くのユーザーに登録してもらえるように、動線の確保をしてみてください。
公式LINEアカウントの成功事例
LINE公式アカウントを効果的に運用するために、成功事例を真似してみるのもおすすめです。今回は個人と法人、両方の成功事例をご紹介します。
自社や自店舗の状況に合わせて、取り入れられるアイディアがあればすぐに実践してみてください。さまざまな視点から、LINE公式アカウントの活用方法を検討してみましょう。
【個人】公式LINEの成功事例
個人エステ店の経営にLINE公式アカウントを活用し、なんと250名のリピーターを獲得している事例です。クーポンやポイントカード機能も積極的に利用し、お店のファンを増やすことに成功しました。
一人体制であるため、タイミングによっては電話での対応が難しい場合が多く、お店へのアクセスなどの決まった質問は自動応答メッセージで対応しています。チャットでの予約受付は、利用者側の利便性を上げることにもつながりました。
【法人】公式LINEの成功事例
LINE公式アカウントとの相性が良いとされているのが、ECサイトです。これまで紙のDMを利用していた部分を、LINEでのダイレクトメッセージ送信に切り替えました。
DMでは確認できなかった開封率なども可視化され、より精度の高い対策が行えるようになったのがメリットです。ユーザーもクーポンやポイントカードの管理がデジタルで行えるため、LINEでの情報受け取りに前向きな姿勢が伺えました。