私たちが日常やビジネスシーンでよく耳にする「著しい」という言葉。その意味や正しい使い方を知ることで、文章や会話の表現力が格段にアップします。この記事では「著しい」の意味、例文、類語や対義語まで詳しく解説します。
1.
1.1.
「著しい」とは、物事の程度や変化が際立って目立つことを表す形容詞です。簡単に言うと「非常に目立つ」「はっきりわかる」「大きい変化がある」というニュアンスを持っています。
ビジネスやニュース記事など、やや硬めの文章で使われやすいのが特徴です。
1.2.
「著しい」は「いちじるしい」と読みます。
漢字の「著」は「著名」「著作」などにも使われ、目立つ、はっきりしているという意味を持ちます。
2.
2.1.
ビジネス文書や会議の場で「著しい」は頻繁に登場します。
例えば以下のように使われます。
売上が著しく伸びた。
コスト削減の効果が著しい。
著しい進歩を遂げた。
いずれも「通常の範囲を超えて目立つ」「顕著な変化」という意味で使われます。
2.2.
少し硬い表現なので、日常会話ではややフォーマルですが、次のように自然に使えます。
最近、体調が著しく改善した。
この地域は近年、人口減少が著しい。
子どもの成長は本当に著しいね。
3.
3.1.
「著しい」と似た意味を持つ言葉には次のようなものがあります。
顕著(けんちょ):特に目立ってはっきりしている様子
際立つ(きわだつ):他と比べて特に目立つ
著名(ちょめい):名が知られている(少し意味は異なるが「著」のつながりで)
飛躍的(ひやくてき):急速に発展・進歩する様子
文章のトーンやニュアンスに合わせて使い分けると表現が豊かになります。
3.2.
文章を少し柔らかくしたい場合、例えば
「著しく成長した」 → 「大きく成長した」
「著しい改善が見られる」 → 「目に見えて改善している」
と置き換えることもできます。
4.
4.1.
「著しい」と反対の意味を持つ言葉には次のようなものがあります。
微弱(びじゃく):力や影響が弱い
微細(びさい):とても細かい、わずか
平凡(へいぼん):特に目立つところがない
例文では
成長は微弱だった。
その違いは微細で気づきにくい。
のように使えます。
5.
5.1.
「著しい」は英語では次のように表現されます。
remarkable(顕著な)
noticeable(目に見える)
significant(重要なほど大きい)
striking(目を引く)
例えば
Sales showed a remarkable increase.(売上が著しく増加した)
There was a noticeable improvement.(著しい改善が見られた)
のように使えます。
6.
6.1.
便利で格調高い言葉ですが、文章の中で何度も使うとくどい印象になります。「著しい」は特別に目立つ場面だけに使い、他の箇所では「大きい」「大幅」など別の表現に置き換えると読みやすい文章になります。
6.2.
「著しい」は基本的にプラス・マイナス両方に使えますが、文脈上自然かどうかを確認しましょう。
× 成果が著しく悪い(「悪い」は通常、単に「非常に悪い」とするほうが自然)
○ 著しい損失を被った(こちらは一般的)
7.
「著しい」は、物事の変化や程度が普通ではなく、特に目立つ場合に使う言葉です。ビジネスから日常会話まで幅広く使える一方で、使いどころを誤ると堅苦しくなりすぎることもあります。この記事で紹介した意味や類語、対義語を参考に、文章の中で的確に使ってみてください。