「少々お時間をいただきたく存じます」は、相手の貴重な時間を使うことに対して、敬意と配慮を示す非常に丁寧な表現です。ビジネスメールや会話において、打ち合わせの依頼や資料確認のお願いなど、相手に対応を求める場面で多く使われます。本記事では、この表現の意味、適切な使い方、類似表現との違い、注意点、具体的なメール・会話例を紹介します。
1. 「少々お時間をいただきたく存じます」とは
1.1 意味
「少々お時間をいただきたく存じます」とは、
「お手すきのときに、短時間だけ対応していただきたい」
という意味を、謙譲語と丁寧語を用いて丁重に伝える表現です。
- 「少々」=少しだけ
- 「お時間をいただきたく」=時間をもらいたい(謙譲)
- 「存じます」=思います(丁重な敬語)
1.2 使用される主な場面
- 会議や面談のお願い
- 書類や資料の確認依頼
- 電話対応や訪問の予告
- 短時間の相談依頼
例
「ご相談がございますので、少々お時間をいただきたく存じます。」
「内容にご確認いただきたく、少々お時間をいただきたく存じます。」
2. ビジネスで使える言い換え表現
2.1 お時間を頂戴できますと幸いです
やや柔らかい印象で、メールや口頭でも使いやすい表現です。
例
「お手すきの際にお時間を頂戴できますと幸いです。」
2.2 ご都合のよろしいときにお話を伺いたく存じます
面談や会話のお願いに適した丁寧な言い回しです。
例
「今後の進め方について、ご都合のよろしいときにお話を伺いたく存じます。」
2.3 少々お時間を拝借できますでしょうか
ややくだけた場面で自然な敬語として使えます。
例
「ご確認いただきたく、少々お時間を拝借できますでしょうか。」
2.4 ご一読いただくお時間を頂戴できますと幸甚です
書類や資料を読んでもらう際に適した表現です。
例
「別添資料についてご一読いただくお時間を頂戴できますと幸甚です。」
3. ビジネスメールや依頼文での使用例
3.1 打ち合わせのお願い
件名:お打ち合わせのお願い
本文
〇〇様
いつも大変お世話になっております。△△株式会社の□□でございます。
新規案件に関しまして、ご相談させていただきたく、
ご都合のよいお日にちで少々お時間をいただきたく存じます。
お忙しいところ恐れ入りますが、何卒よろしくお願い申し上げます。
3.2 電話希望時の文面
件名:お電話にてご相談のお願い
本文
〇〇様
お世話になっております。
〇〇の件について、直接ご相談したい事項がございますため、
本日中に少々お電話にてお時間をいただきたく存じます。
ご都合のよろしい時間帯がございましたらご教示くださいませ。
3.3 資料確認依頼メール
件名:資料ご確認のお願い
本文
〇〇様
平素よりお世話になっております。
先日ご説明いたしました〇〇の補足資料をお送りいたします。
お手数ですが、内容について少々お時間をいただきたく存じます。
何卒ご確認のほどよろしくお願い申し上げます。
4. 会話・チャットでの自然な使い方
4.1 口頭での一言
「恐れ入りますが、少々お時間をいただきたく存じます。」
「ご相談がありまして、少しだけお時間をいただけますか。」
4.2 社内チャットでの一言
「お忙しいところ恐縮ですが、後ほど少々お時間をいただけますと幸いです。」
「〇〇の件で相談させていただきたく、少々お時間いただけますか?」
5. 使用時の注意点
5.1 「少々」が本当に短時間である必要がある
「少々」は「5〜10分程度」の感覚が一般的です。
長時間に及ぶ話し合いや説明をする場合は「お時間を頂戴したく存じます」などに言い換えるほうが自然です。
5.2 相手の都合に配慮した表現を添える
「少々お時間をいただきたく存じます」に加えて、
「ご都合のよろしい際に」
「お手すきの際で構いません」
といった配慮表現を添えると丁寧さが増します。
5.3 メールでは具体的な時間枠を提示する
「少々お時間を~」とだけ書くと、相手にとって曖昧な印象を与えることがあります。
「10分ほど」などの目安を添えると、より親切です。
6. まとめ
「少々お時間をいただきたく存じます」は、ビジネスにおいて相手の時間を丁寧に借りる際に非常に有効な表現です。
謙虚さと配慮を込めた敬語でありながら、過剰にかしこまりすぎず、使いやすい表現でもあります。
場面に応じて「お時間を頂戴できますと幸いです」や「拝借できますでしょうか」などの言い換えも活用しつつ、相手への敬意を忘れず丁寧なコミュニケーションを心がけましょう。