「良いと思います」は、相手への肯定や提案を柔らかく伝える便利な言い回しですが、ビジネスではややカジュアルに響くことがあります。上司や取引先とのやり取り、文書での使用では、より丁寧な敬語表現に言い換えることで、信頼や誠意が伝わりやすくなります。本記事では、「良いと思います」の敬語への言い換え方、使い方の違い、例文、注意点をわかりやすく解説します。
1. 「良いと思います」は敬語になる?
1-1. 丁寧語ではあるが敬語としては不十分
「良いと思います」は、「です・ます調」の丁寧語ですが、敬語としてはやや軽い印象になります。口頭や社内であれば問題ありませんが、改まった場面ではよりかしこまった表現が適しています。
1-2. 敬語が必要な場面
取引先や顧客とのメール、プレゼンや会議での発言、報告書や提案書などでは、「良いと思います」のままでは不十分とされることがあります。
2. 「良いと思います」の敬語表現
2-1. 代表的な言い換え表現
よろしいかと存じます
問題ないかと存じます
適切かと考えております
妥当かと存じます
差し支えないと考えております
2-2. ニュアンスの違い
「よろしいかと存じます」は一般的で丁寧な言い方であり、やわらかく肯定的な印象を与えます。
「妥当であると考えております」はやや論理的な語感があり、冷静な判断を伝える際に有効です。
3. ビジネスメールでの例文
このご提案内容につきましては、問題ないかと存じます。
◯◯の方針で進めることが適切かと考えております。
日程案の件、私としては妥当であると判断しております。
新たな方法として導入を検討するのがよろしいかと存じます。
4. 会議・口頭での使用例
この内容で進めていただくのがよろしいのではないでしょうか。
全体的に見て、こちらの案の方が効果的かと存じます。
私としましては、特に問題はないと考えております。
5. 丁寧度・堅さのレベル別比較
【カジュアル】
良いと思います
いいと思います
【やや丁寧】
よろしいと思います
問題ないと思います
【敬語・ビジネス向き】
よろしいかと存じます
適切かと考えております
差し支えないかと存じます
妥当かと存じます
6. 言い換え表現を使う際の注意点
6-1. 言い切りを避ける
「良いと思います」は断定的に響くこともあるため、「〜かと存じます」や「〜と考えております」のように少し曖昧さを残すことで、柔らかい印象になります。
6-2. 相手の立場を尊重する
「私はこう思います」ではなく、「ご提案を踏まえた上で、よろしいかと存じます」など、相手への敬意や配慮を見せる表現がビジネスでは好印象につながります。
6-3. トーンの統一
文中で丁寧さのレベルがばらばらにならないよう、「良いと思います」を使う場合は他の語尾表現も丁寧語で揃えることが大切です。
7. よくある質問
7-1. 上司に「良いと思います」と言っても失礼ではない?
完全にNGではありませんが、状況によってはカジュアルに聞こえます。可能であれば「よろしいかと存じます」「差し支えないと考えております」などに言い換えると、より丁寧な印象になります。
7-2. 「よろしいと思います」との違いは?
「よろしいと思います」は「良いと思います」の丁寧語ですが、敬語としてはもう一段階上の「よろしいかと存じます」「よろしいと存じます」の方がビジネスにはふさわしいとされています。
7-3. メールの締めでも使える?
はい。「よろしいかと存じますので、進行させていただきます」「問題ないようでしたらご連絡くださいませ」など、文のまとめにも自然に使えます。
まとめ
「良いと思います」は汎用性が高く便利な表現ですが、ビジネスでは状況に応じて敬語に言い換えることで、より丁寧で信頼感のある印象を与えることができます。言い換え表現としては「よろしいかと存じます」「妥当かと考えております」などが代表的です。相手や場面に応じて、語調を調整しながら、自然で礼儀あるコミュニケーションを心がけましょう。