「追々(おいおい)」という言葉は、会話や文章の中でさりげなく使われることがありますが、具体的な意味や適切な使い方をあらためて問われると戸惑うことも。本記事では「追々」の意味、日常・ビジネスでの使い方、言い換え表現、注意点までを分かりやすく解説します。

1. 「追々」の意味とは

1-1. 基本的な意味

「追々」とは、「少しずつ順を追って」「徐々に」「折を見て」という意味を持つ副詞です。ある事柄をすぐにではなく、段階的・時間をおいて行うニュアンスを含んでいます。

1-2. 漢字と読み方

・表記:追々(「追追」とも書かれますが、一般的には「追々」)
・読み方:おいおい

話し言葉としても文章としても使われますが、やや丁寧または控えめな印象を与える表現です。

2. 「追々」の使い方

2-1. 日常会話での使用例

・「その件については、追々話そう。」
・「追々準備を進めていきます。」

急ぐ必要はないが、やがて行う意志があることを穏やかに伝えるときに使われます。

2-2. ビジネスシーンでの使用例

・「詳細については、追々ご案内いたします。」
・「今後の方向性は、追々検討してまいります。」
・「追々調整の上、ご連絡差し上げます。」

すぐに決定事項がない場合や、段階的に進める業務に関して使うと、やんわりとした表現になります。

3. 「追々」を使う場面と効果

3-1. 穏やかに予定を伝えたいとき

「すぐにはできないが、いずれ着手する意志がある」ときに使えば、柔らかく、余裕を感じさせる言い方になります。相手にプレッシャーを与えず、前向きな意思を示すのに効果的です。

3-2. 未定のことに対して前向きな印象を与える

「追々検討します」と言えば、「保留します」と伝えるよりも柔らかく、前向きに受け取ってもらいやすいという特徴があります。

4. 言い換え表現と使い分け

4-1. カジュアルな言い換え

・そのうち
・いずれ
・徐々に
・時間を見て

4-2. フォーマルな言い換え

・段階的に
・折を見て
・時機を見て
・今後、適宜

ビジネス文書や改まった場では、「追々」の代わりに「段階的に」「折を見て」などを使うと自然です。

5. 使用上の注意点

5-1. あいまいな印象を与える可能性

「追々」は明確なタイミングや期限を示さないため、相手によっては「いつになるのかわからない」と受け取られることがあります。期限や優先度が重要な場合は、具体的な日程と併せて使うか、明確な言葉を選びましょう。

例:
「追々ご連絡いたします」
→「来週中を目処にご連絡いたします」のほうが安心感を与えられます。

5-2. 書き言葉ではやや口語的に感じられる場合も

ビジネス文書や契約書など、正式な文章では「追々」はやや軽い印象となるため、「今後」「折を見て」などの表現が好まれます。

6. 英語での表現

6-1. 代表的な表現

・gradually
・in due course
・over time
・eventually
・step by step

6-2. 英文例

・We will gradually proceed with the implementation.
・The details will be shared in due course.
・Let’s discuss this step by step.

状況によってニュアンスが異なるため、文脈に応じて最も自然な表現を選びましょう。

7. よくある質問(FAQ)

7-1. 「追々」は口語だけ?

主に口語表現として使われますが、柔らかい文章表現としてビジネスメールなどにも使えます。ただし、あらたまった契約文書や公式通知にはやや不向きです。

7-2. 「追々」のあとに続く動詞の形は?

一般的には「追々〜していきます」「追々〜いたします」など、進行形・丁寧語が続きます。命令形や断定形とは相性が悪いため避けましょう。

7-3. 似た意味の敬語表現には何がある?

・折を見て進めてまいります
・段階的に検討いたします
・今後適宜対応いたします

これらは「追々」と同じような意味を持ちながら、よりフォーマルで明確な印象を与える表現です。

まとめ

「追々」は、「少しずつ」「段階的に」といったニュアンスを含む、柔らかく前向きな日本語表現です。日常会話でもビジネスメールでも適度に使えば、相手に穏やかな印象を与えながら意思を伝えることができます。ただし、曖昧さを避けたい場面では、より明確な表現と使い分けることが大切です。相手との関係や状況に応じて、自然で伝わりやすい表現を選びましょう。

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