ビジネスシーンにおいて、「お伝えさせていただきます」は、情報を相手に伝える際に使われる敬語表現です。しかし、二重敬語の可能性があるため、適切に使用する必要があります。本記事では、「お伝えさせていただきます」の意味や成り立ち、敬語表現、言い換え、ビジネスメールでの適切な使い方について詳しく解説します。例文も豊富に紹介するので、適切な表現を選び、スムーズなコミュニケーションに役立ててください。
1. 「お伝えさせていただきます」の意味
「お伝えさせていただきます」は、「伝える」に「させていただく」を付けた敬語表現です。話し手が相手に対して情報を伝える際に、謙譲語の形で使用されます。特に、目上の人や取引先に対して、丁寧に情報を伝えたいときに使われます。
2. 「お伝えさせていただきます」の成り立ち
「お伝えさせていただきます」は、「お伝えする」に「させていただく」を加えた形です。「させていただく」は、許可を得て行うニュアンスが含まれるため、本来は相手の許可や依頼がある場合に使うのが適切です。そのため、場合によっては「お伝えいたします」の方が自然な表現となります。
3. 「お伝えさせていただきます」は二重敬語?
「お伝えする」自体が「伝える」の謙譲語であり、さらに「させていただく」を加えることで、敬語が重複しているように見えます。そのため、厳密には二重敬語にあたることがあります。ただし、ビジネスシーンでは一定の丁寧さが求められるため、一般的に使用されています。ただし、より簡潔な表現を求める場合は「お伝えいたします」の方が適切な場合もあります。
4. 「お伝えさせていただきます」の言い換え表現
4.1. よりシンプルな敬語表現
- 「お伝えいたします」(「させていただく」を省略したシンプルな表現)
- 「ご報告いたします」(報告する場合に適した表現)
- 「ご案内いたします」(案内や説明を伴う場合に適した表現)
- 「申し伝えます」(相手に代わって別の方に伝える場合に使いやすい)
4.2. さらに丁寧な表現
- 「ご連絡申し上げます」(より丁寧な連絡表現)
- 「お知らせ申し上げます」(公式な通知などに適した表現)
- 「ご通知申し上げます」(文書やメールで正式に知らせる際に適する)
- 「謹んでお伝え申し上げます」(フォーマルな場面や改まった表現が必要な場合)
4.3. カジュアルな表現
- 「お伝えします」(比較的カジュアルな敬語)
-「お話しします」(口頭で伝える場合に適する表現)
- 「伝えておきます」(親しい間柄やフランクなビジネス環境で使いやすい)
- 「お知らせします」(簡潔でフレンドリーな印象を与える)
4.4. 文章や状況に応じた表現
- 「○○についてご報告させていただきます」(報告内容を強調したい場合)
-「○○の件、ご案内申し上げます」(案内することを丁寧に伝える)
- 「○○の詳細を共有いたします」(関係者間で情報共有する場合に適する)
- 「○○に関して補足させていただきます」(補足情報を伝える場合に便利)
5. 「お伝えさせていただきます」を使ったビジネスメール例文
5.1. 上司や社内向けのメール
件名: 会議日程の変更について
本文:
お疲れ様です。○○部の△△です。
先ほど、来週の会議日程が変更になりましたので、お伝えさせていただきます。
新しい日程は以下の通りです。
日時: ○月○日(○)○時~○時
場所: ○○会議室
ご確認のほど、よろしくお願いいたします。
5.2. 取引先への連絡
**件名:** 貴社ご依頼事項について
本文:
株式会社○○
○○様
いつもお世話になっております。△△株式会社の□□です。
ご依頼いただきました件につきまして、関係部署と確認いたしましたので、お伝えさせていただきます。
詳細については、添付の資料をご確認ください。
何かご不明点がございましたら、お気軽にご連絡ください。
引き続き、よろしくお願いいたします。
5.3. 謝罪を含むメール
件名: ○○についてのお詫び
本文:
株式会社○○
○○様
お世話になっております。△△株式会社の□□です。
先日はご連絡いただきながら、対応が遅れましたこと、深くお詫び申し上げます。
遅くなりましたが、確認が取れましたので、お伝えさせていただきます。
詳細は下記の通りです。
(詳細を記載)
お手数をおかけいたしますが、ご確認のほど、よろしくお願いいたします。
6. 「お伝えさせていただきます」を使用する際の注意点
状況に応じた言い換えを考える:「お伝えいたします」の方が簡潔で適切な場合もある。
相手に許可を求める場合に適する:「させていただく」は相手の許可を得たときに使うのが理想的。
過剰な敬語にならないよう注意:「ご報告申し上げます」など、より適切な敬語を選ぶことが望ましい。
7. まとめ
「お伝えさせていただきます」は、ビジネスメールでよく使われる敬語表現ですが、二重敬語の可能性があるため、適切な状況で使用することが大切です。より簡潔な「お伝えいたします」や「ご連絡申し上げます」などの言い換えを活用することで、より自然な表現になります。例文を参考に、状況に応じた適切な表現を使い分け、円滑なコミュニケーションを図りましょう。