人とのコミュニケーションやビジネスシーンでよく耳にする表現として「誠心誠意努めてまいります」があります。これは一見、相手への誠実な意気込みを示す上で便利なフレーズですが、具体的にどのような意味を持ち、どの場面で使うと効果的なのでしょうか。本記事では「誠心誠意努めてまいります」の基本的な意味や正しい使い方、さらに注意点や実際の例文を交えてわかりやすく解説します。相手への礼儀や気遣いを示しつつ、自分の誠意や努力する姿勢を伝えるためにも、ぜひ最後までご覧いただき、ビジネスや日常でのコミュニケーションに役立ててください。

1 誠心誠意努めてまいりますの基本的な意味

「誠心誠意努めてまいります」という言葉を直訳すると「心の底から嘘偽りなく、全力で努力し続けます」という意味になります。ここでは、それぞれの言葉が持つニュアンスをもう少し具体的にひもといてみましょう。

1 1 誠心誠意の意味

誠心誠意とは、嘘偽りのない素直な心を持ち、相手に対して最大限の真心を尽くすことを指します。たとえば「誠心誠意謝る」という場合は、自分の非を認めて心から反省し、どうしたら相手に許してもらえるのかを真摯に考えて行動するという姿勢が含まれます。
そのため「誠心誠意」という言葉には、単なる気持ちの問題だけでなく、それを行動で示すという意味合いも含まれているのです。

1 2 努めてまいりますの意味

「努めてまいります」は「努力していきます」よりも丁寧な表現です。「まいります」という謙譲語を使うことで、相手への敬意を示しつつ、自分が主体的に頑張り続ける姿勢を表しています。
組み合わせると「誠心誠意努めてまいります」は、相手に対して誠実な気持ちを持ち続けながら、自分の行動を通して尽力し続けることを宣言するフレーズとなります。

2 「誠心誠意努めてまいります」を使う場面

では、どのような場面やシチュエーションで「誠心誠意努めてまいります」を使えばよいのでしょうか。ビジネスシーンや日常生活においても、さまざまな場面で活用することができます。

2 1 ビジネスシーンでの活用

仕事上の相手とのやりとりや、メール、手紙の結びなどで用いるときに非常に便利です。例えば、社外の取引先から新たなプロジェクトを任されたときや、上司に対して新しい業務を引き受ける際などに「今後とも誠心誠意努めてまいりますので、何卒よろしくお願いいたします」という形で使われるケースが多いです。
ここで重要なのは「誠心誠意努めてまいります」と言ったからには、本当に心から努力しようとしている姿勢を示すことです。言葉だけではなく、実際の行動で信頼を得られるよう努める必要があります。

2 2 お詫びやトラブル対応のとき

もしミスやトラブルが生じてしまい、相手に迷惑をかけた場合、謝罪の言葉に続けて「今後は誠心誠意努めてまいりますので、どうかご容赦ください」のように付け加えることができます。
これは、単に謝罪するだけでなく、今後は同じ失敗を繰り返さないために全力を尽くすという意思を示すための表現です。相手からの信用を取り戻すために、具体的な改善策も合わせて提示すると、より誠意が伝わりやすくなるでしょう。

2 3 日常生活でも使えるシーン

ビジネス以外でも、たとえばボランティア活動や学校行事、地域のイベントなどで何かを任されたときに「誠心誠意努めてまいります」と表現することで、周囲に安心感を与えつつ、自分のやる気と責任感を示せます。ただし、日常会話であまりにかしこまりすぎると、かえって違和感を抱かれる場合もあるため、使いどころを見極めることが大切です。

3 実際の使い方と例文

具体的にどういうふうに文章に取り入れればよいのか、いくつか例文を挙げてみます。メールや手紙に使える定型文に加え、口頭で使う際のフレーズも参考にしてみてください。

3 1 ビジネスメール例文

この度は弊社にご興味をお持ちいただき、誠にありがとうございます。
今後とも誠心誠意努めてまいりますので、何卒よろしくお願いいたします。

大変申し訳ございません。今回の不手際につきましては、誠心誠意努めてまいりますので、今後とも変わらぬご指導を賜りますようお願いいたします。

3 2 口頭での例文

プロジェクトリーダーに任命していただきました〇〇です。今後は誠心誠意努めてまいりますので、どうぞよろしくお願いいたします。
このたびはご迷惑をおかけしました。再発防止のために誠心誠意努めてまいりますので、今後ともよろしくお願いいたします。

4 注意すべきポイント

「誠心誠意努めてまいります」という言葉は便利である反面、正しく使わないと相手に誤解を与えたり、かえってマイナスの印象を持たれることもあります。以下の点を意識して使うと安心です。

4 1 空虚な言葉にならないようにする

何か問題が起きたときや、新しい責務を負ったときに形だけ「誠心誠意努めてまいります」と宣言しても、実際の行動が伴わなければ信用は生まれません。言葉にしたからには、最後まで責任を持って行動することが大切です。

4 2 連発しすぎに注意

文章や会話の中で何度も「誠心誠意努めてまいります」を繰り返すと、くどい印象を与えることがあります。使うタイミングは大切なポイントに絞り、その後は「全力を尽くします」や「引き続き努力を重ねます」など、他の言い回しを織り交ぜる工夫が望ましいです。

4 3 敬語表現との整合性を保つ

「努めてまいります」は敬語表現の一種ですので、文章全体のトーンや他の敬語とのバランスを考えて使うことが求められます。もしも文章の中にカジュアルな言い回しが混在していると、違和感を与えてしまうこともあるため、全体を通じて統一感を持たせるようにしましょう。

5 まとめ

「誠心誠意努めてまいります」は、相手に対して誠実に努力を続ける意思を示すうえで非常に有効な表現です。ビジネスメールや謝罪の場面、新しい業務を任されたときなど、幅広いシーンで活用できる一方、使いどころを誤ると単なる形式的な言葉と受け取られてしまいかねません。
本記事で紹介したポイントを押さえ、言葉だけでなく行動や結果でも誠意を示すことが何より大切です。誠心誠意という言葉が示すように、嘘偽りのない真心を持って相手に向き合い、相手の期待に応えようと努力する姿勢こそが信用を築く大前提となるでしょう。
これから業務やプライベートで「誠心誠意努めてまいります」と伝える機会があれば、ぜひ今回の内容を参考にしながら、より伝わりやすく、そして誠実さが伝わるコミュニケーションを心がけてみてください。

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