「年男(としおとこ)」という言葉は、節分や正月のニュースなどでよく耳にします。「今年の年男は〇〇年生まれの人です」などと聞くことがありますが、実際にはどんな意味なのでしょうか?この記事では、「年男」の意味、由来、風習、そして「年女」との違いについてわかりやすく解説します。

1. 「年男」とは

「年男(としおとこ)」とは、その年の干支(えと)と自分の生まれ年の干支が同じ男性のことを指します。
つまり、12年に一度、自分の生まれた干支の年が巡ってくると、その人は「年男」と呼ばれます。

例:

  • 辰年生まれの男性 → 辰年のときに「年男」
  • 卯年生まれの男性 → 卯年のときに「年男」

このように、干支が一巡するたびに、その年の主役のような存在になるのが「年男」です。

2. 「年男」の由来

「年男」は古くから日本の風習に根ざした言葉で、歳神(としがみ)様という新年の神様との関わりが由来です。

歳神様は一年の豊作や幸せをもたらす神とされており、自分と同じ干支の年には、神様との縁が強まると信じられていました。そのため、その年の干支にあたる男性を「年男」と呼び、縁起の良い年として祝うようになったのです。

3. 「年男」の年齢と周期

干支は12種類(子・丑・寅・卯・辰・巳・午・未・申・酉・戌・亥)あり、12年で一巡します。
したがって、「年男」になるのは12歳ごとです。

干支 年男になる年齢
最初の年(生まれ年) 0歳(または数え年で1歳)
2回目 12歳
3回目 24歳
4回目 36歳
5回目 48歳
6回目 60歳(還暦)

特に還暦(60歳)の年は、干支が一巡して再び生まれ年と同じ干支に戻るため、「年男」としても重要な節目とされています。

4. 「年男」の行事と風習

4-1. 節分の豆まき

節分(2月3日ごろ)の行事では、年男が豆をまく役を務めるのが伝統的な風習です。
「鬼は外、福は内」と唱えながら豆をまくことで、一年の厄除けと福を招くとされています。

神社や寺院では、「年男・年女」を公募して豆まきに参加してもらう行事が全国各地で行われています。

4-2. 縁起の良い存在とされる理由

年男はその年の干支の力を受けるとされ、健康・開運・成功を象徴する存在と考えられています。
そのため、年男になった年は「新しいことを始める」「厄を祓う」「願いをかける」に良いとされます。

5. 「年女」「年男」「年守」との違い

「年男」と似た言葉に「年女(としおんな)」や「年守(としもり)」があります。それぞれの意味を整理すると次の通りです。

言葉 読み方 意味
年男 としおとこ その年の干支と同じ年に生まれた男性
年女 としおんな その年の干支と同じ年に生まれた女性
年守 としもり 年神を迎え、一年の守りを担う人。年男・年女を含む広い意味。

つまり、「年男」と「年女」は男女の区別を表し、「年守」はそれらを包括した伝統的な呼び名です。

6. 「年男」を使った例文

  • 今年は辰年なので、2000年生まれの人が年男です。
  • 年男として神社の豆まきに参加した。
  • 父は還暦で年男の年を迎えた。
  • 年男の年は、何か新しい挑戦をする良い機会だ。

7. 英語での「年男」表現

英語に直接対応する言葉はありませんが、以下のように説明的に訳されます。

英語表現 意味 例文
a man born in the same zodiac year 干支が同じ年に生まれた男性 He is a man born in the same zodiac year.(彼は年男です。)
zodiac year man 意訳的な表現 He is the zodiac year man of the year.(今年の年男だ。)

8. まとめ

「年男(としおとこ)」とは、その年の干支と自分の生まれた干支が一致する男性を指す言葉です。
古くから歳神との縁が深いとされ、節分の豆まきなどの行事で縁起の良い役割を担ってきました。
現代でも、12年ごとに訪れる「年男」は、新しい挑戦や厄除けにふさわしい年として意識される伝統的な存在です。

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